警察庁は9月17日、令和8年(2026年)の月別自殺者数について、8月末時点の暫定値を公表した。1月から8月までの自殺者は全国で1万2148人。厚生労働省と警察庁がまとめた前年の統計から同じ1〜8月を足し合わせると1万3041人で、今年はこれより893人少ない。男女別では男性8245人、女性3903人だった。

減った893人のうち750人が男性

前年同期と比べると、男性は8995人から8245人へ750人減り、女性は4046人から3903人へ143人減った。減少分の8割超を男性が占めた計算になる。

自殺者数はもともと男性が女性の2倍前後で推移してきた。今年1〜8月も男性が全体の67.9%を占めている。この比率自体は前年同期の69.0%とほとんど変わっておらず、全体の減少は男女どちらかに偏った構成の変化ではなく、多い側の男性が数として大きく減ったことで生じている。

月別では3月だけが前年を上回る

月ごとに前年同月と並べると、今年上回ったのは3月だけだった。1月は1640人から1543人、2月は1415人から1386人、3月は1662人から1706人、4月は1729人から1568人、5月は1761人から1640人、6月は1686人から1535人、7月は1626人から1449人、8月は1522人から1321人と推移している。

差の開き方は年の後半にかけて大きくなっている。1月の差は97人、2月は29人だったのに対し、6月は151人、7月は177人、8月は201人と広がった。8月の1321人は、過去5年で同月として最も少ない。

都道府県別は東京が最多

都道府県別では東京が1419人で最も多く、大阪と神奈川がともに724人、愛知が692人、埼玉が691人、千葉が650人と続いた。人口の多い都府県が上位に並ぶ。一方で少ないのは鳥取の42人、徳島の44人などだった。なお警察庁は、自殺者数を死体が発見された都道府県と月に計上していると注記している。

昨年は小中高生が統計開始以来最多

今回の数字は年の途中経過だが、確定値の出ている前年の状況とあわせて読むと、全体の減少とは別の傾向が見える。令和7年の自殺者数は1万9188人で、前年から1132人減った。ほとんどの年齢階級で減った一方、19歳以下だけは増えている。学生・生徒等のうち小中高生は前年より9人多い538人で、統計のある1980(昭和55)年以降で最も多かった。内訳は高校生356人、中学生172人、小学生10人である。

小中高生の自殺は月による差が大きく、令和7年は9月が62人で最多だった。次いで10月の52人、1月の51人、11月の50人が続く。長期休暇が明けて学校が始まる時期に増える傾向が続いており、自殺対策基本法に基づき、毎年9月10日から16日が自殺予防週間、3月が自殺対策強化月間と定められ、この期間に国や自治体が集中的な啓発を行っている。

今回公表された暫定値は令和8年9月10日時点で集計したもので、その後の精査で数値が変わることがある。前年の1万3041人は確定値のため、両者の比較はこの違いを踏まえて見る必要がある。

厚生労働省は、悩みを抱えた人やその周囲の人に向けて相談窓口を案内している。「#いのちSOS」(0120-061-338)と「よりそいホットライン」(0120-279-338)は24時間受け付けている。18歳までを対象とした「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)もあり、SNSやチャットでの相談窓口とあわせて、厚労省のサイト「まもろうよ こころ」にまとめられている。