総務省は9月18日、2026年8月の全国消費者物価指数を公表した。天候で値動きの大きい生鮮食品を除いた指数は、2025年の平均を100として102.0となり、前年の同じ月より1.7%高い。上昇率は7月の1.8%から小さくなった。電気代とガソリンが前年より安くなったことが効いている。
物価の「ものさし」は三つある
消費者物価指数は、全国の世帯が買う品物やサービスの値段をまとめて追う統計で、基準にした年の平均を100として表す。今回から使う基準は2025年で、8月の指数が102.2なら「2025年の平均より2.2%高い水準」という意味になる。
公表される指数は三つだ。すべてを含む総合指数は102.2で、前年同月比1.9%の上昇。7月も1.9%だったので、伸びは変わっていない。そこから生鮮食品を除いた指数は102.0で1.7%の上昇。さらにエネルギーも除いた指数は102.5で1.9%の上昇となり、7月の1.9%から動いていない。
野菜や魚は天候や漁獲で大きく振れ、電気やガソリンは原油相場や政策で動く。値動きの荒い品目を外して基調を見るために、除いた指数があわせて公表されている。
エネルギーが前年割れ ガソリン暫定税率の廃止が押し下げ
今回の鈍化をつくったのはエネルギーだ。電気やガス、ガソリンなどをまとめたエネルギーの前年同月比は、7月が0.6%の上昇だったのに対し、8月は0.7%の下落に転じた。
内訳を見ると、電気代が2.4%、都市ガス代が0.8%、ガソリンが2.6%、それぞれ前年より安い。逆に灯油は15.5%、プロパンガスは6.9%値上がりしている。
総務省は参考として、ガソリンの暫定税率廃止と政策による効果を試算した。それによると、エネルギーは総合指数の前年同月比を0.62%分押し下げており、うちガソリンが0.38%分、電気代が0.17%分を占める。単純に足し戻せば、この効果がなければ8月の総合指数の伸びは2.5%前後だった計算になる。政策が物価の数字を目に見える形で削っている。
食べ物の値上がりは続く キャベツは45.0%高
一方、食料は3.1%上昇し、物価全体を押し上げる役目を続けている。生鮮食品は6.0%高く、キャベツは45.0%、まぐろは24.4%の値上がりだ。
加工品や外食も上がっている。生鮮食品を除く食料は2.7%の上昇で、菓子類が5.0%(ポテトチップスは10.6%)、調理食品が3.3%(からあげは10.0%)、外食が2.1%(すしは11.2%)、飲料が6.0%(緑茶は31.5%)。食卓まわり以外でも、洗濯用洗剤が10.9%、外壁塗装費が6.4%、任意の自動車保険料が5.9%、携帯電話機が10.2%値上がりした。
下がった代表格は教育で、前年同月比3.8%の下落。授業料等が6.4%下がり、なかでも私立高校の授業料は前年の4分の1近い水準まで下がっている(73.2%の下落)。宿泊料は7月の0.9%上昇から1.4%の下落へ、携帯電話の通信料は7月の4.6%上昇から1.6%の上昇へと、それぞれ伸びを落とした。
「2%」を下回るのは8か月連続
日銀は2013年1月に、消費者物価の前年比上昇率2%を「物価安定の目標」と定めている。生鮮食品を除く指数の上昇率は、2025年12月の2.4%から2026年1月に1.9%へ下がって以降、2月1.5%、3月1.7%、4月1.4%、5月1.4%、6月1.6%、7月1.8%、8月1.7%と、8か月続けて2%に届いていない。
ただし、生鮮食品とエネルギーの両方を除いた指数は8月に1.9%の上昇で、7月と同じ水準を保っている。季節による変動をならした前月比では0.3%の上昇と、3か月続けて上がっている。エネルギーの下落で表面の数字が抑えられている間も、食料品やサービスの値上がり自体は止まっていない。
