インターネットのドメイン名を国際的に管理するICANN(アイキャン)は2026年10月7日(協定世界時)、新しい分野別トップレベルドメイン(gTLD)の申請結果を公表した。申請は1,615件で、申請された文字列と申請者の名前が明らかになった。新規募集は2012年以来となる。総務省は10月16日、申請に地名や企業名など様々な名称が含まれているとして、ICANNが11月17日から2027年3月16日まで受け付けるコメントや異議申立ての手続を国内向けに周知した。
トップレベルドメインとは何か
ドメイン名はインターネット上の住所にあたる文字列で、WebサイトのURLやメールアドレスに使われる。総務省の資料は「www.soumu.go.jp」を例に挙げ、最も右側の「.jp」がトップレベルドメインにあたると説明している。
トップレベルドメインには、国や地域ごとに割り当てられる「.jp」のようなものと、「.com」のように国に縛られないものがある。後者が分野別トップレベルドメイン(generic Top-Level Domain、gTLD)で、ICANNが新しい文字列を追加する募集を行い、審査を経て認めている。
ICANNは前回の募集を2012年に実施した。ICANNの説明によると、このときの募集では1,200を超える新しいgTLDがインターネットの根幹となるルートゾーンに登録され、そのうち100近くは日本語など英字以外の文字を使う国際化ドメイン名だった。日本の国別ドメイン「.jp」の登録状況は、JPドメイン名が190万件を突破 1年で8万3558件増えて1,901,067件 伸びは「〇〇.jp」に集中し、日本語ドメインと都道府県型は減少で伝えている。
今回の募集について、総務省によると、ICANNは2026年4月に申請の手引きとなる「新gTLD申請者ガイドブック」をまとめ、4月30日から8月12日まで申請を受け付けた。日付はいずれも協定世界時に基づく。申請1件ごとに必要な審査料は22万7000ドルで、ICANNの申請者支援制度の対象となった申請者は、この審査料が75〜85%割り引かれる。
申請1,615件、北米が半数超
ICANNが公表時点でまとめた集計によると、申請1,615件のうち、企業などが自社の名前を使う「ブランド」申請は333件、特定の共同体を代表する「コミュニティー」申請は16件、申請者自身が地名と申告した申請は15件だった。申請者支援制度を使った申請は51件、英字以外の文字を使う国際化ドメイン名の申請は21件ある。ICANNは、最終的な件数と種類は11月17日の申請文字列の確定日に確定するとしている。
地域別では、北米が864件で全体の半数を超え、欧州が506件、日本を含むアジア・オーストラリア・太平洋が218件、アフリカが16件、中南米・カリブが11件となった。ICANNの統計サイトによると、申請者の数は481で、地域別では北米198、アジア・オーストラリア・太平洋156、欧州111、中南米・カリブ9、アフリカ7である。
新gTLDの申請件数(地域別)(件)
数値で見る(単位: 件)
| 項目 | 件 |
|---|---|
| 北米 | 864 |
| 欧州 | 506 |
| アジア等 | 218 |
| アフリカ | 16 |
| 中南米 | 11 |
ICANNのクルティス・リンドクビスト最高経営責任者は公表に合わせ、「申請は、世界中の組織が信頼できるオンライン上のアイデンティティーを築き、地域社会に奉仕し、利用者とつながる新しい方法を生み出していることを示している」とのコメントを出した。
同じ文字列を複数が申請、日本企業も
ICANNは、同じ文字列や紛らわしい文字列を複数の申請者が求めている組み合わせ(競合セット)の一覧も公開した。一覧に載った申請は891件、組み合わせは263組ある。2者で争う組み合わせが114組と最も多く、3者が64組、4者が32組、5者が22組と続く。10件以上が集まった組み合わせは5組あり、最大は「agent」の13件だった。
日本企業の申請も一覧に含まれている。東映アニメーションは「anime」を、講談社は「manga」を申請した。いずれも「Oinkadot Inc」が同じ文字列を申請しており、競合の組み合わせになっている。競合セットの一覧に載るのは他者と重なる申請だけで、日本からの申請の全体像は、この一覧からは分からない。
ICANNは、申請者が第2候補の文字列に切り替えた場合でも、単数形と複数形の関係にあるといった指摘や、紛らわしさを理由とする異議によって、後の段階で競合に加わる可能性があると注意を促している。競合セットの一覧も、文字列の確定日に改めて更新される。
ICANNによると、競合セットや個々の申請をどの順番で処理するかは、2027年前半に予定する抽選で決める。それに先立ち、申請された文字列が規定に合っているかを調べる審査が約180日間行われる。
地名・企業名の申請に異議申立ても
総務省が国内向けに周知したのは、申請への意見を出せる期間が始まるためだ。総務省によると、申請された文字列は11月17日に確定し、同日から2027年3月16日までコメントや異議申立てを受け付ける。コメントは審査で考慮され、異議申立てが出された場合は外部の審査員による紛争解決の手続に進む。
総務省は報道資料で、申請されたドメイン名には地名や企業名など様々な名称が含まれているとして、ICANNの公表内容を確認し、コメントや異議申立てを出す場合はICANNのWebサイトから提出するよう呼びかけた。自治体や企業にとっては、自らの名称や商標と同じ、あるいは紛らわしい文字列を第三者が申請していないかを確かめる機会になる。
| 日付(協定世界時) | 内容 |
|---|---|
| 2026年4月30日〜8月12日 | 新gTLDの申請受付 |
| 2026年10月7日 | 申請内容の公開 |
| 2026年10月8日〜21日 | 申請者が第2候補の文字列へ切り替えられる期間 |
| 2026年11月17日 | 申請文字列の確定 |
| 2026年11月17日〜2027年3月16日 | コメント・異議申立ての受付 |
| 2026年11月27日 | 審査料の65%が返金される取り下げの期限 |
表: 新gTLD募集の主な日程 出典: 総務省報道資料(2026年10月16日)、ICANN発表(2026年10月7日)
ICANNによると、申請者は10月21日まで、あらかじめ届け出た第2候補の文字列に切り替えられる。申請文字列の確定日から10日間は、申請を取り下げれば審査料の65%が返金され、期限は11月27日の午後11時59分(協定世界時)。ICANNは年末年始の12月19日から2027年1月4日まで業務を止めるが、この休止はコメントと異議申立ての受付期間に織り込み済みで、意見を出す側も申請者側も所定の日数を確保できるとしている。
