JCOM株式会社は23日、システム障害により同社のインターネット接続サービスが利用できなくなっていると発表した。公式サイトの「緊急のお知らせ」欄に午前11時41分付で掲示されたもので、本記事が確認した23日午後3時6分の時点でも、復旧を知らせる更新は出ていない。同社のカスタマーセンターへの電話も、つながりにくい状態が続いているという。
発表は4文だけ 原因も影響規模も示されていない
お知らせの表題は「【全国】NET障害ならびにカスタマーセンターにお電話が繋がらない症状について」。本文は「現在システム障害により、弊社NETサービスがご利用できなくなっております」「現在復旧作業を行っております」「また弊社カスタマーセンターへのお電話が大変繋がりにくくなっております」と続き、最後に利用者への謝罪を置く4文で終わっている。
示されていない情報は多い。障害がいつ始まったのか、どの地域でどれだけの世帯が影響を受けているのか、何が起きて止まったのか、いつ直る見込みなのか。いずれも書かれていない。表題と本文が挙げているのは「NETサービス」とカスタマーセンターの電話だけで、ケーブルテレビや固定電話「J:COM PHONE」への影響には触れていない。
高速インターネットは456万世帯 網は2258万世帯に届く
JCOMはKDDIと住友商事を株主とするケーブルテレビ会社で、設立は1995年1月。本社は東京都港区にある。同社が2026年4月20日に公表した加入世帯数の資料によると、2026年3月末時点の高速インターネット接続サービスの加入は456万1400世帯だった。ケーブルテレビは368万8200世帯、電話は313万4000世帯で、いずれか1つ以上のサービスに加入している総加入世帯数は579万7700世帯である。
ネットワークが敷設済みで、申し込めばサービスを提供できる「ホームパス」の世帯数は2258万2900世帯にのぼる。連結ケーブルテレビ子会社は11社65局。2025年度の営業収益は連結で7888億円、グループの従業員数は2026年3月末で1万5751人となっている。
2時間・3万人を超えれば「重大な事故」として国に報告
通信の障害は、規模が一定を超えると国への報告義務が生じる。電気通信事業法28条1項は、重大な事故が起きたときは、その理由や原因とともに遅滞なく総務大臣へ報告するよう電気通信事業者に義務づけている。
何が重大な事故に当たるかを決めているのは電気通信事業法施行規則58条2項だ。インターネット接続サービスの場合、設備の故障でサービスの全部または一部の提供が2時間以上止まるか品質が下がり、その影響を受けた利用者が3万人以上に達したときが基準になる。止まった時間が1時間以上でも、影響が10万人以上なら同じく該当する。110番や119番といった緊急通報を扱う音声通話はさらに厳しく、1時間以上かつ3万人以上で重大な事故となる。
重大な事故に届かない障害も、報告が不要になるわけではない。電気通信事業報告規則7条の3は、影響を受けた利用者が3万人以上、または提供の停止・品質低下が2時間以上続いた事故について、報告年度が終わってから2か月以内に所定の様式で総務大臣に提出するよう定めている。
今回の障害がこれらの基準に当たるかどうかは、現時点では分からない。同社が影響世帯数も継続時間も明らかにしていないためだ。JCOMはお知らせの中で「お客さまには多大なご迷惑をお掛けいたしますが、お待ちいただきますよう何卒宜しくお願い致します」として、復旧作業の完了を待つよう求めている。
