埼玉県草加市の市長選が10月18日に投開票され、無所属で現職の山川百合子(やまかわ・ゆりこ)氏(57)が5万509票を獲得して再選した。草加市選挙管理委員会が19日午前0時31分に確定させた開票結果によると、無所属で元市長の木下ひろのぶ氏(61)は2万7576票、無所属で新人の石川英行(いしかわ・ひでゆき)氏(63)は8476票だった。山川氏と木下氏の票差は2万2933票。投票率は43.03%で、前回2022年の40.70%を上回った。

有効投票の6割近くを現職が得る

市選管の確定値では、投票者数8万8938人のうち有効投票は8万6561票、無効投票は2368票、持ち帰り票は9票だった。得票の割合を有効投票に対して計算すると、山川氏が58.35%、木下氏が31.86%、石川氏が9.79%となる。山川氏1人の得票が、ほかの2人の合計3万6052票を1万4000票余り上回った。

草加市長選2026の候補者別得票(票)

020,00040,00060,00050,509山川27,576木下8,476石川
出典: 草加市選挙管理委員会「草加市長選挙 開票結果(確定)」
数値で見る(単位: 票)
項目票
山川50,509
木下27,576
石川8,476

市選管は18日午後10時以降、30分ごとに途中の得票を公表した。19日午前0時の時点で山川氏は3万5000票、木下氏は1万9000票となり、開票率は66.34%だった。午前0時30分に開票率は97.33%に達し、その1分後に確定した。

3人の届け出はいずれも10月11日の告示日にあった。市選管の届出一覧では、山川氏の職業は「市長」で現職、木下氏と石川氏は「無職」で、木下氏は過去に市長を務めた「元」、石川氏は「新」と区分されている。今回の選挙は、山川氏の任期が10月28日に満了することに伴うもので、山川氏の2期目は29日から始まる。

前回は4302票差の接戦だった

山川氏が初当選した2022年10月23日の前回市長選も3人の争いだった。市選管が公表している当時の確定値によると、山川氏が3万9813票、浅井まさし氏が3万5511票、福田せいいち氏が7061票で、山川氏と浅井氏の差は4302票にとどまった。有効投票8万2385票に占める山川氏の割合は48.33%で、過半数に届いていなかった。

今回、山川氏の得票は前回から1万696票増え、得票の割合も58.35%に上がった。2位との差は前回の4302票から2万2933票へと5倍余りに広がった。

投票率も上がった。今回の当日有権者数は20万6709人(男性10万3173人、女性10万3536人)で、投票した人は8万8938人。投票率は男性が41.62%、女性が44.43%だった。前回について市選管は、選挙後の2022年10月27日に当日有権者数と投票率の表記に誤りがあったとして訂正を公表しており、訂正後の市長選の投票率は40.70%、当日有権者数は20万6295人だった。今回はこれを上回ったが、有権者の半数以上が投票しなかったことに変わりはない。

市選管は投票日前の10月12日から17日まで、市役所本庁舎、勤労福祉会館、谷塚文化センター、草加市文化会館の市内4か所に期日前投票所を設けていた。投票日当日に市外へ出かける人には、滞在先の選管で投票できる不在者投票の制度も案内していた。投票所では市議選、市長選の順に投票用紙を受け取り、それぞれ候補者1人の名前を書く仕組みだった。

3候補が選挙公報で掲げたもの

市選管が発行した選挙公報によると、山川氏は「みんなとともに 草加を前へ」を掲げ、「5つの挑戦」として「居場所のあるまち日本一」「若い力を活かせるまち日本一」「命を守る・治安を守る」「地域資源のコラボで元気な草加!世界につながる草加!」「ふるさと納税埼玉一位!30億円突破へ!」を並べた。3番目の挑戦では、災害関連死ゼロを目指すとし、治安対策の強化にも触れている。公報に載せた経歴では、埼玉県議会議員を4期、衆議院議員を1期務め、草加市長は1期目としている。

木下氏は公報で「元草加市長 無所属(自民推薦)」と記し、「市政を再建!暮らしを守り、未来を描きます」と訴えた。任期4年間で暮らしと未来に使える財源を10億円以上生み出すとし、子育て、高齢者・障害者の支援、防災、産業振興の4分野を挙げた。具体的には、保育の充実や放課後児童クラブの再建、市立病院の産科再開、医療・介護・福祉の担い手の待遇改善、豪雨や地震への備えの強化などを並べている。経歴では1993年に草加市議に初当選し、市議8年、市長9年、県議11年の経験があるとしている。

石川氏は「経営目線で増税なき財政再建」を掲げ、市長報酬とボーナス、退職金をゼロにするとした。選挙で投票した人への2000円の商品券の配布なども公約に挙げていた。

なお、選挙公報は候補者から提出された原稿をそのまま写真製版で印刷したもので、記載内容は各候補者の主張である。

同日の市議選は37人が28議席を争う

草加市では同じ18日に市議会議員一般選挙(定数28)も行われた。市選管の確定値(19日午前2時10分)によると、立候補したのは37人で、9人が落選した。市議選の投票者数は8万8944人、投票率は市長選と同じ43.03%だった。

当選者28人を、市選管の開票結果に記された党派別にまとめると次のとおりになる。

党派 当選者数
無所属 14
公明党 5
自由民主党 2
国民民主党 2
日本共産党 2
立憲民主党 1
日本維新の会 1
日本保守党 1

表: 草加市議選2026の党派別当選者数 出典: 草加市選挙管理委員会「草加市議会議員一般選挙 開票結果(確定)」

最多得票は日本保守党のかわぐちみほ氏の5469票だった。開票結果には、佐藤のりかず氏の3354.821票、さとうりき氏の3025.740票、佐藤けいじ氏の1791.438票のように、小数の付いた得票がある。市選管は前回2022年の開票結果のページで、こうした小数点について「フルネームで投票用紙に書かれていないため候補者名が特定できず、比例案分されたため」と説明している。最下位当選は無所属の田中のりみつ氏の1754票で、次点の山口あゆみ氏(無所属)の1702票との差は52票だった。

市議選は、得票の少ない側で数十票の差が当落を分けた。ほかの自治体の議員選挙でも同じ構図がみられ、9月に投開票された「館林市議選2026の結果 32人が争い前回当選者5人が落選 最下位当選776票と次点の差は44票」でも、最下位当選と次点の差は44票だった。

山川氏の2期目の任期は、10月29日から4年間となる。