総務省は9月25日、令和7年(2025年)分の政党交付金使途等報告書の概要を公表した。この年に交付された政党交付金は10政党に総額315億3700万円で、交付金と基金の取り崩しを合わせた支出の総額は357億7159万円だった。前年の368億7400万円から3.0%減っている。

政党交付金は、政党助成法(平成6年法律第5号)に基づいて国が各党に配る資金で、原資は税金である。各党は前年分の使い道を記載した報告書を、1月1日から3か月以内(その間に総選挙か参院通常選挙があれば4か月以内)に総務大臣へ提出し、総務大臣がインターネットで公表する。令和7年分は1031支部から報告書が出された。

本部は15.2%増、支部は20.5%減 金の流れが中央に寄る

全体では3.0%の減少だが、党本部と党支部に分けると動きは逆を向いている。

党本部の支出は208億3500万円で、前年の180億8700万円から15.2%増えた。これに対し党支部は149億3700万円で、前年の187億8700万円から20.5%減っている。

とくに差が大きいのが、組織活動費や選挙関係費、機関紙誌の発行、宣伝、調査研究費などを含む「政治活動費」だ。本部は102億7200万円から126億7480万円へ23.4%増えた一方、支部は78億9400万円から59億4700万円へ24.7%減った。金額でみると、本部が24億円あまり増やし、支部が19億円あまり減らした形である。

本部から支部へ回す資金そのものも細っている。本部が支部に配った「支部政党交付金」は150億8000万円で、前年の198億9400万円から24.2%減った。支部に届く額が減り、本部が自ら使う額が増えた、というのが令和7年分の姿だ。

人件費や事務所費などにあたる「経常経費」は、本部・支部を合わせて171億5000万円で8.3%減。支部分が108億9400万円から89億9000万円へ17.5%減ったことが効いている。

自民が131億6242万円 基金残高の80.2%も自民

党別の交付額は次のとおり。

  • 自由民主党……131億6242万円
  • 立憲民主党……80億1709万円
  • 日本維新の会……31億6021万円
  • 公明党……25億384万円
  • 国民民主党……22億3470万円
  • れいわ新選組……9億6540万円
  • 参政党……9億1468万円
  • 社会民主党……2億8289万円
  • 日本保守党……2億4706万円
  • チームみらい……4819万円

自民党だけで全体の41.7%を占める。れいわ新選組は令和8年8月6日に「いのちの党」へ改称したが、報告書の提出時点(令和8年4月30日)の名称で記載されている。チームみらいは令和7年7月20日の参院選の結果、政党助成法上の政党要件を満たすこととなり、同年9月12日の交付決定後の分だけが計上されている。

差がより大きく出るのは、使い残して積み立てた「基金」の残高だ。令和7年末の基金残高は10政党合わせて203億6352万円で、前年から17.3%減った。このうち自民党分が163億3489万円と、全体の80.2%にあたる。

交付額と支出を突き合わせると、党ごとの構えの違いも見える。日本保守党は2億4706万円の交付を受けたが、令和7年分の政党交付金を原資とする支出はなく、前年からの繰り越しと合わせて2億7587万円をそのまま基金に残した。参政党も9億1468万円の交付に対して支出は2億9485万円にとどまり、7億3785万円を基金に積んでいる。新しく交付対象となったチームみらいは、4819万円のうち3463万円を支出し、その全額が経常経費だった。

支部への配り方にも差がある。自民党は届け出た支部の総数が7757あるが、支部政党交付金を実際に支給したのは445支部。公明党は支部総数425に対し、支部への支給額はゼロだった。

解散した支部から返還 維新が1290万円、いのちの党は100円

総務省は同じ25日、政党交付金の返還手続きも公表した。政党支部が解散したり、支部政党交付金に使い残しが出たりした場合、政党助成法第33条第2項に基づいて国に返す仕組みだ。

日本維新の会の返還額は1290万1707円。内訳は衆議院千葉県第6選挙区支部が727万6224円、衆議院和歌山県第1選挙区支部が478万7781円、衆議院香川県第3選挙区支部が83万7702円で、いずれも解散した支部の支部基金の残高である。

いのちの党の返還額は100円だった。対象はれいわ新選組参議院第二総支部の支部政党交付金の残額で、端数まで国庫に戻す制度であることが、この金額からうかがえる。

令和7年中に解散した支部は、自民党が56、日本維新の会が27、立憲民主党が26、国民民主党が10、れいわ新選組が7だった。政党の再編や分裂が続くなかで、交付金の扱いをどうするかは各党の判断に委ねられている。9月には、衆院議員49人のうち1人を残して分裂した中道改革連合が、政党として存続して交付金を受け取る方針を決めたことが論点になった(中道改革連合は政党交付金11億円の請求を取り下げよ)。

「不明」のまま出された報告書

今回の概要には、数字が埋まっていない党もある。みんなでつくる党は、令和6年末の基金残高、令和7年分の支出総額、令和7年末の基金残高などを「不明」として報告書を提出した。

同党は令和6年1月18日に政党助成法上の政党要件を満たさない政治団体になった旨を届け出ている。それでも基金の残高があるため、報告書の提出義務は続く。同じ理由で、令和6年10月10日に政党要件を失った教育無償化を実現する会も報告書を出しており、こちらは前年末の基金残高662万4000円を使い切り、年末の残高はゼロとなっている。

総務省は、交付された政党交付金の総額に前年末の基金残高と運用で得た利息を足し、支出総額を差し引いた額が年末の基金残高に原則として一致するとしたうえで、返還が行われた場合や「不明」と記載された項目がある報告書が出された場合には一致しないことがある、と注記している。税金を原資とする資金でありながら、集計の一部が空欄のまま公表される状態が続いている。