日本生産性本部の余暇創研は10月27日、「レジャー白書2026」の概要を公表した。2025年の余暇関連市場の規模は78兆1320億円で、前年から3.9%増えた。コロナ禍前の2019年と比べると108.1%にあたり、スポーツ、趣味・創作、娯楽、観光・行楽の4部門すべてが2019年の水準を上回った。

余暇活動ごとの参加人口では、「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が4610万人で4年連続の首位だった。ただし前年より70万人減った。前年3位の「外食(日常的なものは除く)」は370万人増の3820万人となり、2位に上がった。白書は10月30日に発行される。

市場は78兆円、4部門とも2019年を上回る

レジャー白書は、余暇の実態を利用者側のアンケートと業界側の市場分析の両面から記録する年次報告で、1977年の創刊から数えて今回が50号目にあたる。2025年分は、個人の意識や参加実態を尋ねる調査と、各業界の市場分析を組み合わせてまとめた。

概要資料の「余暇市場の推移」の図では、2024年の市場規模は75兆2030億円と示されている。2025年はこれを約2兆9000億円上回った。同じ図には1997年の89兆2420億円も記されており、2025年の規模はなおこの水準を下回る。図の注記は、市場規模の推計値を過去にさかのぼって見直しており、以前に発表した数字とは異なる場合があるとしている。

白書は2025年の市場について、コロナ禍からの回復を経て「成長へと動きだした」と表現した。一方で、全般に好調が続くなか、物価高や円安による単価の上昇の影響が見られるとしている。特に物価高や円安の影響を受ける観光分野は、回復の方向にあるものの伸びは緩やかだと分析した。

部門別では娯楽が4.6%増、観光・行楽が4.0%増

4部門の前年比の伸び率は、娯楽部門が4.6%で最も高く、観光・行楽部門が4.0%、スポーツ部門が1.3%、趣味・創作部門が0.9%だった。

余暇市場の部門別の前年比伸び率(2025年)(%)

02464.6娯楽4.0観光行楽1.3スポーツ0.9趣味創作
4部門とも前年を上回り、娯楽と観光・行楽が4%台出典: 日本生産性本部「レジャー白書2026」概要資料
数値で見る(単位: %)
項目%
娯楽4.6
観光行楽4.0
スポーツ1.3
趣味創作0.9

娯楽部門では、テレビゲーム機とゲームソフトが新しい世代のゲーム機や人気の作品群によって大きく伸び、ゲームセンターも増えた。公営競技はインターネットでの投票券販売で伸び、飲食は大きく成長した。カラオケも回復を続けている。一方で、オンラインゲームとソーシャルゲームは減った。

観光・行楽部門は、大阪・関西万博の開催による旅行需要の高まりと訪日客の消費に支えられたと白書は説明する。ただ、物価高の影響もあり国内旅行の伸びは限られた。遊園地・テーマパークは客単価の上昇で伸び、ホテルや会員制リゾートクラブも伸びた一方、旅館は減った。鉄道、国内航空、貸し切りバスは伸び、旅行業は緩やかに回復している。

スポーツ部門では、用品のうち卓球・バドミントン用品とテニス用品が大きく伸びた。施設・スクールではフィットネスクラブが大きく伸び、ボウリング場、テニスクラブ・スクール、ゴルフ練習場も順調だった。趣味・創作部門では、有料動画配信サービス、音楽配信、電子出版のコンテンツ配信が引き続き伸びた。音楽コンサートは過去最大の規模となり、映画と演芸は2桁の伸びとなった。CDも2桁伸びた。

参加人口、外食が2位に 上位20種目のうち8種目で増加

余暇活動の参加人口の上位10種目は次の通り。2024年は多くの種目で参加人口の減少が目立ったが、2025年は上位20種目のうち8種目で参加人口が増え、7種目で順位が上がった。

順位 種目 2025年 2024年
1 国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など) 4610万人 4680万人(1位)
2 外食(日常的なものは除く) 3820万人 3450万人(3位)
3 動画鑑賞(レンタル、配信を含む) 3520万人 3690万人(2位)
4 音楽鑑賞(配信、CD、レコードなど) 3350万人 3230万人(5位)
5 映画(テレビは除く) 3260万人 2960万人(7位)
6 読書(仕事、勉強などを除く娯楽として) 3220万人 3280万人(4位)
7 ウォーキング 2820万人 3060万人(6位)
8 ドライブ 2710万人 2930万人(8位)
9 複合ショッピングセンター、アウトレットモール 2650万人 2770万人(9位)
10 SNS、エックスなどのデジタルコミュニケーション 2610万人 2510万人(10位)
余暇活動の参加人口の上位10種目(2025年と2024年)出典: 日本生産性本部「レジャー白書2026」概要資料 図表1

外食に次いで増加が大きかったのは映画で、300万人増えて7位から5位に上がった。音楽鑑賞も120万人増えて4位になった。11位以下では、ウィンドーショッピングが2290万人で13位から12位に、カラオケが1850万人で17位から16位に上がった。2024年の20位以内に無かった宝くじは1840万人で17位に入った。一方、動画鑑賞は170万人、ウォーキングは240万人、ドライブは220万人減った。

7月に公表された速報版によると、国内観光旅行の参加率は47.7%で、2024年の48.3%を下回った。2019年の54.3%には戻っていない。参加を希望する割合と実際の参加率の差から求める「潜在需要」では、海外旅行が15.5%、国内観光旅行が14.9%で、2024年に続き1位と2位だった。速報版は、両種目とも希望する割合が下がったことで潜在需要が縮んだとしている。

時間も支出も「減った」が上回る

アンケートは2026年2月にインターネットで行い、全国の15〜79歳の男女3279人から有効回答を得た。速報版によると、余暇の時間と支出が前年より「増えた」と答えた人の割合から「減った」と答えた人の割合を差し引いた「ゆとり感指数」は、余暇時間でマイナス0.8、余暇支出でマイナス2.1だった。余暇時間は2018年以来、余暇支出は2022年以来のマイナスとなった。

1人が1年間に参加した種目の数は平均10.0種目で、2024年より0.2種目少ない。コロナ禍の2020年の9.9種目、2021年の9.7種目は上回ったが、2022年の10.1種目を下回り、2019年の12.3種目との差は2.3種目ある。仕事よりも余暇を重視すると答えた「余暇重視派」は66.3%で、過去最高だった2024年の67.8%から下がった。

市場規模は増え、個人の参加種目と余暇の支出感は減ったことになる。白書が市場の動きの説明に単価の上昇を挙げているのは、この組み合わせに沿っている。

50号の特別調査、推し活は10代の47.7%

今回は通算50号にあたり、3つの特別調査を行った。1つ目は新しい余暇活動を始めるきっかけと妨げになった理由だ。2025年に新しい余暇活動を始めた人は回答者全体の28.0%で、男性10代では57.1%にのぼった。始めた917人が挙げたきっかけ(複数回答)は「健康・体力・気分転換の必要性を感じた」が32.0%で最も多く、「家族・友人・知人に誘われた」が25.8%で続いた。10代では「SNS・口コミを見て知った」が38.2%、70代では健康・気分転換が40.2%で、それぞれ最も多かった。

始めたいと思いながら始められなかった活動がある人は41.4%いた。該当する1359人に最も大きな理由を一つ尋ねると、「特に明確な理由はなかった」が21.6%、「費用がかかりすぎると感じたため」が19.4%、「なんとなく先延ばしにしてしまったため」が11.1%、「時間が確保できなかったため」が11.0%だった。

2つ目は、旅行やレジャー施設の訪問など事前に調べたり予約したりする「計画型余暇活動」の情報源だ。参考にした情報源(複数回答)は「旅行・レジャー情報サイト・比較サイト」が53.8%で最も多かった。「AIチャット・生成AI」は全体では8.7%だったが、10代では14.2%、20代では16.0%で、いずれの年代でも4番目に多い情報源だった。

3つ目の「推し活」では、2025年に推し活をしたと答えた人が全体の23.6%だった。男性は18.0%、女性は29.1%。年代別では10代が47.7%、20代が45.0%と高く、70代は6.0%だった。調査は推し活の定義を設けず、回答者の認識に委ねている。推し活をした人の情報源は「公式サイト・公式SNS・公式アプリ」が55.3%、「SNS・ファンコミュニティ」が51.8%だった。白書には、1982年から2025年までの44年間の参加率の推移を分析した特集も載る。