総務省統計局は10月27日、2026年9月分の住民基本台帳人口移動報告を公表した。東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)は他の道府県からの転入者が転出者を3803人上回る転入超過だった。前年同月の4269人から466人減った。東京都の転入超過は前年同月の2381人から862人に縮み、東京都特別区部(23区)は930人の転出超過となった。前年同月は513人の転入超過だった。

一方で、神奈川県は1734人、埼玉県は1559人の転入超過で、いずれも前年同月を500人以上上回った。全国で都道府県をまたいで住所を移した人は15万8887人で、前年同月より1万1775人(6.9%)少なかった。

都道府県をまたぐ移動は15万8887人、前年同月より6.9%減

住民基本台帳人口移動報告は、住民基本台帳法の規定に基づいて市町村に出された転入の届け出のうち、日本国内の移動を集計した統計である。日本人だけでなく外国人の移動も含む。統計局は月ごとの結果を翌月下旬に公表し、年1回、年間の結果をまとめている。災害などで被災地から避難した人の移動は、避難先の市町村に転入の届け出があった場合に限って数える。届け出の無い避難や、住所を移さない単身赴任・進学は数字に表れない。

9月に住所を別の市区町村へ移した人(市区町村間移動者)は34万7332人で、前年同月より2万545人(5.6%)減った。このうち都道府県をまたいだ移動者は15万8887人(6.9%減)、同じ都道府県の中での移動者は18万8445人(4.4%減)だった。

内訳を見ると、都道府県間の移動者のうち日本人は12万9488人で、前年同月より1万1142人(7.9%)減った。外国人は2万9399人で、減少は633人(2.1%)にとどまった。都道府県間の移動者の18.5%を外国人が占めている。

市区町村間の移動全体で見ても、日本人は29万4850人(5.8%減)、外国人は5万2482人(4.2%減)で、日本人の減り方が大きい。同じ都道府県の中での移動では、日本人が16万5362人(4.1%減)、外国人が2万3083人(6.7%減)で、こちらは外国人の減少率が日本人を上回った。

東京都の転入超過は862人に縮小 23区は転出超過

東京圏の転入超過3803人を都県別に見ると、増減の向きが分かれた。神奈川県が1734人(前年同月1206人)、埼玉県が1559人(同1021人)と前年を上回った一方、東京都は862人(同2381人)に縮んだ。千葉県は352人の転出超過で、前年同月の339人の転出超過とほぼ同じだった。

東京都では、他の道府県からの転入者が2万7524人で前年同月より3161人(10.3%)減ったのに対し、転出者は2万6662人で1642人(5.8%)の減少にとどまった。転入の減り方が転出の減り方を上回ったことで、差し引きの転入超過が縮んだ。

21の大都市別に集計した表4では、東京都特別区部への転入者が2万4099人(前年同月比10.7%減)、転出者が2万5029人(同5.4%減)で、930人の転出超過だった。同じ東京圏の大都市では、横浜市が780人、千葉市が390人、相模原市が325人、さいたま市が192人の転入超過だった。川崎市は13人の転出超過で、前年同月の227人の転入超過から転じた。

東京圏の転入超過のうち、日本人は3190人(前年同月3521人)、外国人は613人(同748人)で、どちらも前年同月を下回った。東京圏の転入者は2万8602人、転出者は2万4799人だった。

名古屋圏は1092人の転出超過、大阪圏は378人の転入超過

3大都市圏のうち、名古屋圏(愛知県・岐阜県・三重県)は1092人の転出超過で、前年同月の927人から転出超過が広がった。愛知県は533人の転出超過で、47都道府県の中で最も多かった。大阪圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県)は378人の転入超過で、前年同月の641人から縮んだ。大阪府の転入超過は581人で、前年同月の1068人を下回った。

区分 転入者数 転出者数 転入超過数(2026年9月) 転入超過数(2025年9月)
東京圏 2万8602人 2万4799人 3803人 4269人
名古屋圏 8350人 9442人 −1092人 −927人
大阪圏 1万3935人 1万3557人 378人 641人
3大都市圏の転入・転出者数と転入超過数(移動者。−は転出超過)

出典: 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2026年(令和8年)9月の人口移動の概況」表3

大都市別では、札幌市が410人、大阪市が356人、名古屋市が328人の転入超過だった。広島市は295人、熊本市は121人、福岡市は90人の転出超過だった。

転入超過は14都府県、転出超過は33道府県

9月に転入超過となったのは14都府県だった。多い順に神奈川県、埼玉県、東京都、大阪府、沖縄県(176人)、群馬県(143人)、滋賀県(137人)、長野県(100人)と続く。残る33道府県は転出超過で、愛知県に次いで静岡県(464人)、広島県(382人)、千葉県(352人)、岐阜県(304人)、京都府(279人)、長崎県(276人)が多かった。

2026年9月の転入超過数 上位6都府県(人)

神奈川1,734埼玉1,559東京862大阪581沖縄176群馬143
神奈川・埼玉が東京都を上回った。東京都は前年同月の2381人から862人に縮んだ出典: 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2026年(令和8年)9月の人口移動の概況」表2
数値で見る(単位: 人)
項目人
神奈川1,734
埼玉1,559
東京862
大阪581
沖縄176
群馬143

前年同月と比べると、転出超過から転入超過に転じた県もある。群馬県は32人の転出超過から143人の転入超過に、栃木県は167人の転出超過から8人の転入超過に、石川県は24人の転出超過から43人の転入超過に変わった。逆に、北海道は66人の転入超過から127人の転出超過に、宮城県は31人の転入超過から171人の転出超過に転じた。

年間では東京圏の日本人の転入超過が30年連続

月ごとの数字は、引っ越しが集中する3〜4月に大きく膨らむため、年間の流れは年報で見る必要がある。統計局が2月3日に公表した2025年の年間結果では、外国人を含む東京圏の転入超過は12万3534人で、前年より1万2309人縮んだ。このうち日本人は11万2738人の転入超過で、統計局は日本人の移動について、東京圏の転入超過が30年連続になったとしている。都道府県別では東京都が6万5219人と最も多く、転入超過は東京都、神奈川県、埼玉県など7都府県だった。日本人の移動では、名古屋圏は13年連続の転出超過、大阪圏は3年連続の転入超過だった。

総人口の増減は、同じ統計局の人口推計が毎月まとめている(日本の人口は1億2269万人 2026年10月時点で1年間に53万人減 人口推計は11月分から国勢調査基準へ)。人口移動報告はそれとは別に、人がどの地域からどの地域へ住所を移したかを示す統計である。

9月分の結果は、東京圏全体では転入超過が続く一方、その中心である東京都と23区への流入が前年より細り、周辺の神奈川県・埼玉県へ移る人が相対的に多かったことを示した。1か月の数字だけで、東京への人の流れが変わったとは判断できない。東京圏の日本人の転入超過が年間で31年連続となるかは、2026年の年間結果で確かめられる。