気象庁が10月19日午後3時45分に発表した台風情報によると、台風30号(アジア名チャンパー)はフィリピンの東の海上で発達を続け、中心付近の最大風速55メートルの「大型で猛烈な」台風となった。20日午後には中心気圧910ヘクトパスカルまで発達し、22日から23日にかけて「沖縄の南」へ進むと予想されている。沖縄地方では20日から、うねりを伴って波が高くなる見込みだ。

19日午後3時はフィリピンの東 中心気圧935ヘクトパスカル

気象庁によると、台風30号は19日午後3時、フィリピンの東の北緯14.3度・東経138.5度にあって、西北西へ時速15キロで進んでいる。中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートル。中心位置の確からしさは「正確」とされている。

風速25メートル以上の暴風が吹く暴風域は、中心から半径130キロの全域に広がる。風速15メートル以上の強風域は、中心の東側560キロ・西側440キロに及ぶ。

気象庁は台風の勢いを最大風速で「強い」「非常に強い」「猛烈な」の3段階に分けている。最大風速33メートル以上44メートル未満が「強い」、44メートル以上54メートル未満が「非常に強い」、54メートル以上が「猛烈な」で、30号は最上位の階級に入った。大きさは強風域の半径で分け、500キロ以上800キロ未満を「大型」、800キロ以上を「超大型」と呼ぶ。30号は強風域が東側で560キロに達しており、「大型」に当たる。

20日午後に910ヘクトパスカル 22日以降は「沖縄の南」へ

進路予報によると、台風30号は今後さらに発達しながら北西から西北西へ進む。20日午前3時には中心気圧920ヘクトパスカル、20日午後3時には910ヘクトパスカルまで下がる見込みで、最大瞬間風速は80メートルに強まる。21日午後3時も910ヘクトパスカル、最大風速55メートルの「猛烈な」勢力を保ったまま、北緯19.4度・東経129.2度付近に達すると予想されている。

22日午後3時には「沖縄の南」の北緯20.8度・東経126.2度付近に進み、中心気圧935ヘクトパスカル、最大風速50メートルの「非常に強い」勢力になる見通し。23日午後3時も「沖縄の南」の北緯22.9度・東経123.5度付近にあって、中心気圧940ヘクトパスカル、最大風速45メートルと「非常に強い」勢力を保つ。この間、進む速さは時速15キロに落ちる。

24日午後3時には台湾海峡の北緯24.6度・東経120.4度付近に達し、中心気圧985ヘクトパスカル、最大風速30メートルまで弱まると予想されている。

予報の時刻 予想される位置 中心気圧 最大風速 強さ 予報円の半径
19日15時(実況) フィリピンの東 935hPa 55m 猛烈な ―
20日3時 フィリピンの東 920hPa 55m 猛烈な 45km
20日15時 フィリピンの東 910hPa 55m 猛烈な 65km
21日15時 フィリピンの東 910hPa 55m 猛烈な 100km
22日15時 沖縄の南 935hPa 50m 非常に強い 150km
23日15時 沖縄の南 940hPa 45m 非常に強い 230km
24日15時 台湾海峡 985hPa 30m ― 280km
台風30号の実況と進路予報(10月19日15時45分発表)出典: 気象庁「台風情報」

沖縄地方は20日からうねり 19日夕の時点では晴れ

台風の接近に先立ち、海は先に荒れ始める見込みだ。沖縄気象台が19日午後4時40分に発表した沖縄地方の天気概況によると、沖縄地方は19日から20日にかけて高気圧に覆われ、おおむね晴れる。一方、沿岸の海域では、20日に沖縄本島地方と先島諸島でうねりを伴って次第に波が高くなり、大東島地方では次第にしける見込みとしている。

宮古島地方気象台と石垣島地方気象台も同じ午後4時39分の概況で、20日はうねりを伴って次第に波が高くなる見込みだとした。19日夕の時点では、各気象台の概況はいずれも台風30号への直接の言及を含んでいない。

台風の進路に当たる海域では、台風本体が近づく前からうねりが届く。海のレジャーや釣り、船の運航では、台風がまだ遠くにある段階から波の高さに注意が要る。台風がさらに近づけば、気象台が台風に関する気象情報や注意報・警報を順次発表することになる。

予報円は5日先で半径280キロ 暴風警戒域も広がる

気象庁の進路予報で示される白い破線の円は「予報円」と呼ばれ、予報した時刻に台風の中心がこの円内に入る確率が70%であることを示す。円の大きさは台風の大きさの変化ではなく、進路予報の不確実性を表している。予報円の外側を赤い実線で囲んだ範囲は「暴風警戒域」で、台風の中心が予報円内に進んだ場合に暴風域に入るおそれがある範囲全体を指す。

30号の予報円の半径は、20日午前3時の45キロから、22日午後3時には150キロ、23日午後3時には230キロ、24日午後3時には280キロへと広がる。暴風警戒域の半径も22日午後3時に390キロ、23日午後3時に470キロとなる。進路が東西に数百キロずれる余地が残っており、沖縄本島や先島諸島への影響の度合いは今後の予報で変わり得る。

気象庁は5日先までの24時間刻みの予報を6時間ごとに、1日先までの12時間刻みの予報を3時間ごとに更新している。予報が出るたびに位置や勢力の見込みが変わるため、最新の発表を確かめることが欠かせない。

今年30個目、平年の年間25.1個を上回る 名前はラオスの「赤いジャスミン」

気象庁の速報値によると、2026年の台風の発生数は10月16日現在で30個に達した。1991〜2020年の30年平均である平年値は年間25.1個で、今年はすでにこれを上回っている。2025年は年間27個だった。今年は7月にも、猛烈な台風9号、10日にも沖縄・先島諸島へ 中心気圧910ヘクトパスカル、気象庁が警戒呼びかけなど、猛烈な勢力の台風が沖縄に近づいている。

気象庁は台風の中心が気象官署から300キロ以内に入ることを「接近」と呼ぶ。沖縄地方への接近数の平年値は年間7.7個だ。9月下旬には台風26号スリゲ、週明けに沖縄へ接近のおそれ 27日には「強い」勢力に 中心気圧1002から965ヘクトパスカルへ発達の予想が伝えられたばかりで、沖縄にとっては台風の多い秋が続いている。

「チャンパー」は、日本を含む14カ国等が加盟する政府間組織「台風委員会」が2000年から用いている140個のアジア名の一つで、ラオスが提案した。意味は「赤いジャスミン」。アジア名は発生順に割り当てられ、平年の発生数で計算するとおおむね5〜6年で一巡する。