総務省消防庁は9月25日、2026年8月に熱中症で救急搬送された人が全国で2万4956人だったとする確定値を公表した。前年8月の3万1526人から6570人減ったものの、調査を始めた2008年以降の8月としては9番目に多い水準だった。搬送された人の59.1%にあたる1万4739人は65歳以上の高齢者で、熱中症が起きた場所は「住居」が最も多かった。

3人に1人以上が入院、34人が死亡

医療機関に運ばれた時点の傷病程度をみると、外来診療で済む軽症が1万5154人(60.7%)で最も多かった。次いで入院が必要な中等症が9133人(36.6%)、長期の入院が必要な重症が494人(2.0%)で、中等症と重症を合わせた9627人は全体の38.6%にあたる。搬送された3人に1人以上が、その場の手当てでは済まなかった計算になる。搬送先で死亡が確認された人も34人いた。

年齢別では、高齢者に次いで18歳以上65歳未満の成人が8046人(32.2%)、7歳以上18歳未満の少年が2064人(8.3%)、生後28日以上7歳未満の乳幼児が106人(0.4%)と続いた。高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくく、体温を下げる機能も低下しやすいため、重症化しやすいとされる。

4割が「住居」、仕事場も1割

熱中症が起きた場所で最も多かったのは住居の9763人(39.1%)で、全体の4割近くを占めた。屋外の道路が5096人(20.4%)、競技場や駅の屋外ホームなど不特定の人が出入りする屋外の場所が2897人(11.6%)と続く。道路工事現場や工場、作業所といった仕事場も2487人(10.0%)を占めた。屋内の公衆の場所は2185人(8.8%)、学校などの教育機関は620人(2.5%)だった。

住居が最多という傾向は例年と変わらない。7月上旬の週報でも住居が36.1%で最も多く、熱中症搬送、全国で1370人に急増 前週の2.6倍 6月29日〜7月5日 高齢者が6割超、屋内でも多発と報じたとおり、涼しいはずの室内で体に熱がこもる事例が繰り返し起きている。

都道府県別では大阪府の2019人が最も多く、東京都1826人、福岡県1488人、愛知県1424人、兵庫県1339人、埼玉県1244人が続いた。少なかったのは山梨県の157人、福井県の159人などだった。

西日本は記録的な高温だったが

気象庁が9月1日に公表した「2026年8月の天候」によると、8月の月平均気温は西日本でかなり高く、北日本で高かった一方、東日本と沖縄・奄美は平年並みだった。西日本では8月下旬の10日間の平均気温が平年を2.5度上回り、1946年の統計開始以降、8月下旬としては最も高かった。

つまり、記録的な暑さに見舞われた地域がありながら、全国の搬送者数は前年を下回ったことになる。消防庁は減少の理由を示していない。

5〜8月の累計は7万4370人、差は6月で開いた

2026年の5月からの累計は7万4370人で、前年同期の9万744人を1万6374人下回る。ただし月ごとに見ると様相が異なり、7月は4万1174人で前年の3万9375人を上回っている。差が大きく開いたのは6月で、前年の1万7229人に対し今年は4064人と4分の1以下にとどまった。5月から8月までの減少分1万6374人のうち、8割にあたる1万3165人は6月だけで生じている。

熱中症による救急搬送は2018年に9万5137人、2025年には10万510人と、10万人規模に達する年もある。9月分の集計は今後公表される。消防庁は、エアコンや扇風機をためらわずに使うこと、こまめに水分を補給することなどを呼びかけている。