ニューヨークの国連総会で10月13日(現地時間)、国連人権理事会の理事国選挙が行われ、日本は第1回目の投票で理事国に選出された。外務省が14日に発表した。任期は2027年1月1日から3年間で、日本が理事国を務めるのは7期目となる。

アジア太平洋の4議席、日本は166票

外務省の発表によると、今回の選挙では5つの地域グループで計15議席が改選された。当選には国連総会で全加盟国の絶対過半数にあたる97票以上を得たうえで、議席数の範囲内の上位に入る必要がある。有効投票数はどのグループも181だった。

日本が属するアジア太平洋グループは改選4議席で、当選国はクウェートとネパールが各173票、ヨルダンが171票、日本が166票だった。日本の得票は4か国のうち4番目で、当選に必要な97票は大きく上回った。

他のグループの当選国と得票は次のとおり。

地域グループ(改選議席) 当選国と得票
アジア太平洋(4) クウェート173、ネパール173、ヨルダン171、日本166
アフリカ(4) ザンビア177、ガーナ173、ナイジェリア172、ブルンジ160
東欧(2) モルドバ168、ウクライナ162
ラテンアメリカ(3) ブラジル170、ドミニカ共和国170、ウルグアイ165
西欧その他(2) アイルランド165、ドイツ163

出典: 外務省「国連人権理事会理事国選挙(結果)」。有効投票数は各グループとも181。

国連総会が公開している第81会期の選挙ページには、2027〜2029年の任期について書面で立候補を表明した国が地域ごとに載っている。アジア太平洋は日本、ヨルダン、クウェート、ネパールの4か国で、改選議席と同じ数だった。アフリカ(ブルンジ、ガーナ、ナイジェリア、ザンビア)、東欧(モルドバ、ウクライナ)、ラテンアメリカ・カリブ(ブラジル、ドミニカ共和国、ウルグアイ)、西欧その他(ドイツ、アイルランド)も、候補国の数は改選議席数と一致している。アフリカの4か国にはアフリカ諸国グループの支持を受けた候補との注記がある。

候補が議席数を超えなければ、他国と議席を争う形にはならない。それでも理事国は国連総会の秘密投票で1か国ずつ選ばれ、97票に届かなければ当選できない。各国の得票は、候補ごとにどれだけ支持を集めたかを示す数字になる。

人権理事会とは 47か国で構成、ジュネーブで年3回以上

人権理事会は、2006年3月に国連改革の一環として、従来の人権委員会に替えて国連総会の下部機関としてジュネーブに設けられた。外務省の発表の参考資料は、主な任務を、人権と基本的自由の保護・促進とそのための加盟国への勧告、大規模かつ組織的な侵害を含む人権侵害状況への対処と勧告などと説明している。

理事国は47か国で、任期は3年。地域ごとの配分は、アジア太平洋13、アフリカ13、ラテンアメリカ8、東欧6、西欧その他7と決まっている。毎年およそ3分の1にあたる議席が改選される仕組みで、今回の15議席がそれにあたる。理事会は少なくとも3月、6月、9月の年3回、合わせて10週間以上の会合を開く。

理事会は特定の国の人権状況を調べる調査団や特別報告者を置くことができる。9月には、理事会が設置した独立国際事実調査団がイランに関する報告書を提出しており、内容は国連調査団、米軍のイラン空爆2件に「戦争犯罪の合理的根拠」 小学校で156人死亡、うち児童120人 イラン政府の抗議弾圧は「人道に対する罪」で伝えた。

国連総会の選挙ページによると、理事国は総会の構成国の過半数によって秘密投票で直接かつ個別に選ばれ、2期連続で務めた国は直後の再選ができない。今回の改選では、現在2期目にあたる中国、フランス、コートジボワール、マラウイが年末で任期を終え、この規定で再選の対象にならなかった。

6期目から切れ目なく7期目へ

外務省の参考資料によると、日本は人権理事会が発足した2006年から2011年6月までの1〜2期、2013年初めから2015年末までの3期、2017年初めから2019年末までの4期、2020年初めから2022年末までの5期を務めた。現在は2024年初めから2026年末までの6期目にあたる。

国連総会の現理事国の一覧でも、日本の任期は2026年末までとされている。今回の選出で、日本は2027年1月1日から6期目に続けて7期目に入る。2期連続で務めた国は直後の再選ができない規定のため、2029年末の任期満了後は、すぐには立候補できないことになる。

今回の改選で年末に任期を終える15か国のうち、日本、クウェート、ブラジル、ドミニカ共和国、ブルンジ、ガーナの6か国は、今回の選挙で再び選ばれた。アジア太平洋グループで年末に任期を終えるのは日本、クウェート、中国、インドネシアの4か国で、このうち中国は2期目のため再選の対象外だった。インドネシアは今回の候補国の一覧に名前がない。

外務省は発表で、日本はこれまで人権理事会などの国際フォーラムや二国間対話、経済協力を通じて国際的な人権規範の発展・促進をはじめ世界の人権状況の改善に貢献してきたとし、人権理事会でも引き続き建設的な役割を果たしていく考えを示した。

立候補で示した誓約 カンボジア、北朝鮮、ハンセン病

日本の国連代表部は2026年2月27日付で国連総会議長に口上書を送り、2027〜2029年の任期への立候補を伝えた。あわせて、人権理事会を設けた国連総会決議60/251に基づき、人権の促進と保護に関する自発的な誓約を文書(A/81/65)で提出している。

誓約文書は、理事国としてこれまで主導してきた決議を挙げている。カンボジアについては、技術協力に関する決議の取りまとめ役(ペンホルダー)を務め、2025年の第60会期で同国の人権状況に関する特別報告者の任期を延長する決議が採択されたとした。ハンセン病の患者・回復者とその家族への差別撤廃に関する決議も主導し、2023年には特別報告者の任期延長が全会一致で採択されたと記している。

北朝鮮については、欧州連合(EU)と協力して人権状況に関する決議の採択に取り組み、拉致問題を含めて国際的な関心を高める努力をしてきたとした。これらの決議によって、北朝鮮の人権状況に関する特別報告者の任務は毎年更新されてきたという。市民社会の活動空間に関する決議では主要提案国となり、2025年7月の第59会期で全会一致の採択に貢献したとしている。

このほか、国連加盟国が互いの人権状況を審査する普遍的定期的審査(UPR)について、第4回審査で受けた勧告の実施状況をまとめた中間報告を2025年12月に提出したとした。ビジネスと人権の分野では、2020年に策定した行動計画を2025年12月に改定し、改定後の計画のもとで取り組みを続けると書いている。難民支援では、2024年に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)へ約1億1,800万ドルを拠出し、拠出額で7位だったことも挙げた。