東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドは10月29日、2026年4〜9月期(中間期)の連結決算を発表した。売上高は3487億4200万円で前年同期比10.3%増、営業利益は784億9700万円で15.0%増、親会社株主に帰属する中間純利益は618億8100万円で28.1%増だった。決算説明資料によると、連結売上高と営業利益は中間期として過去最高。開園25周年を迎えた東京ディズニーシーの記念イベントで入園者数とゲスト1人当たり売上高がともに伸び、4月に示した中間期予想を大きく上回った。同社は通期の業績予想と配当予想も引き上げた。
中間期予想を営業益で3割上回る
同社が4月28日に公表していた中間期の予想は、売上高3240億4600万円、営業利益589億3200万円、経常利益671億8500万円、純利益455億2000万円だった。実績はこれを売上高で7.6%、営業利益で33.2%、経常利益で34.0%、純利益で35.9%上回った。1株当たり中間純利益は37円73銭で、前年同期の29円47銭から増えた。
経常利益は900億4100万円と前年同期の693億500万円から29.9%増え、営業利益の伸び(15.0%)を大きく上回った。営業外収益が27億6700万円から147億2000万円に増えたためだ。決算短信の損益計算書では、持分法による投資利益が2億2800万円から101億9400万円に膨らんでいる。決算説明資料は、ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄に対する出資案件で「ホテルの売却を行ったことなどにより」営業外収益が147億円になったと説明している。本業のテーマパークとは別の、一時的な利益が経常段階を押し上げた形だ。
中間期末の総資産は1兆6368億4500万円、自己資本比率は70.2%(3月末は67.5%)だった。営業活動によるキャッシュ・フローは944億円で、これも中間期として過去最高という。
入園者は6.9%増、物販が19%伸びる
テーマパーク事業の売上高は2813億5900万円で11.7%増、営業利益は607億5500万円で22.0%増えた。補足資料によると、2つのパークの入園者数は1309万9000人で、前年同期の1224万8000人から6.9%増えた。ゲスト1人当たり売上高は1万8940円で、前年同期の1万8196円から4.1%増え、決算説明資料は上半期として過去最高と記している。
1人当たり売上高の内訳をみると、伸びたのは物販と飲食だ。商品販売収入は5174円から5735円に、飲食販売収入は3574円から3782円に増えた。一方、アトラクション・ショー収入は9447円から9422円とほぼ横ばいだった。同社は物販・飲食の増加を、東京ディズニーシー25周年の関連商品やメニュー、フードスーベニアの販売が伸びたためと説明している。アトラクション・ショー収入のうち、「ディズニー・プレミアアクセス」の売上が占める割合は1割以上だという。
売上高を金額でみると、商品販売収入は882億3000万円で19.2%増、飲食販売収入は495億7500万円で13.1%増、アトラクション・ショー収入は1360億6200万円で6.5%増だった。
費用も増えた。決算説明資料によると、テーマパーク事業の人件費は前年同期より51億円増え、このうち30億円は業績賞与の計上による。諸経費も44億円増え、25周年イベントの関連費用が12億円、エネルギー費が6億円増えた。商品と飲食の原価率が下がったことによる利益の増加は11億円だった。
ホテルは稼働率上がるも減益
ホテル事業の売上高は590億5700万円で5.2%増えたが、営業利益は170億5800万円で2.6%減った。ディズニーホテルの客室稼働率は92.3%から94.8%に、平均客室単価は6万6806円から6万8332円に上がった。同社は需要に応じて客室の販売価格を設定したことを単価の上昇要因に挙げる一方、人件費が11億円増えたことなどで減益になったとしている。イクスピアリやモノレールなどの「その他の事業」は売上高83億2400万円とほぼ前年並みだった。
| 項目 | 期初予想 | 修正予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7243億円 | 7633億円 | 7045億円 |
| 営業利益 | 1607億円 | 1854億円 | 1684億円 |
| 経常利益 | 1680億円 | 1957億円 | 1696億円 |
| 純利益 | 1137億円 | 1335億円 | 1218億円 |
| 入園者数 | 2800万人 | 2850万人 | 2753万人 |
| 1人当たり売上高 | 1万8712円 | 1万9429円 | 1万8403円 |
出典: オリエンタルランド「第2四半期(累計)連結業績予想と実績との差異および通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」、同社決算説明資料
通期予想を上げ、売上・利益とも過去最高見込み
同社は2027年3月期通期の連結業績予想を引き上げた。売上高は7243億1200万円から7633億3400万円(前期比8.3%増)に、営業利益は1607億7600万円から1854億6500万円(10.1%増)に、純利益は1137億9700万円から1335億2600万円(9.6%増)に修正した。決算説明資料は、売上高と各利益がいずれも過去最高になる見込みとしている。修正の理由について同社は、中間期の実績に加え「足元の動向などを踏まえて見直した」と説明した。
テーマパークの年間入園者数の予想は2800万人から2850万人に上げた。前期実績の2753万4000人を3.5%上回る。ゲスト1人当たり売上高の予想は1万8712円から1万9429円に上げた。
下半期(10月〜2027年3月)だけをみると、修正後の予想は売上高4145億円、営業利益1069億円で、いずれも前年同期を6.8%上回る。一方、純利益は716億円で、前年同期の735億円を2.6%下回る見通しだ。下半期に向けて同社は、新しいエンターテインメントの開始に加え、アトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」の再開や、スペシャルイベント「ディズニー・パルパルーザ」の第7弾「ミニーのファンダーランド」を予定していると資料に記した。
パークの運営については、7月に年越しイベントの見送りを伝えた(ディズニー、今年の年越しイベントも中止 「ニューイヤーズ・イヴ」7年連続の見送り 大晦日・元日は通常営業)。
年間配当18円に、クルーズ船は2029年春就航へ
配当も増やす。9月30日を基準日とする中間配当は、4月時点の予想より1円多い1株9円(前年同期は7円)とし、総額は147億9200万円、効力発生日は12月9日。期末配当の予想も8円から9円に上げ、年間配当は前回予想の16円から18円となる。前期の年間15円からは3円の増配だ。同社は「2035長期経営戦略」で、2035年までに配当性向を30%の水準にすることを目指している。修正後の予想1株利益81円42銭に対し年18円の配当で、本紙の計算では配当性向は約22%となる。
決算説明資料は新規事業のクルーズ事業の進み具合にも触れた。中間期には株式会社オリエンタルランド・クルーズが新たに連結子会社に加わった。1隻目の船名は「ディズニー・イマジネーション」で、2028年度後半(2029年春)に東京国際クルーズターミナルを発着港として就航させる予定。総トン数は約14万トン、客室は約1250室で、航海日数は2〜4泊程度、価格は最も多い客室タイプで1航海1人当たり10万〜30万円台を見込む。
投資額は船体2900億円と予備費400億円。同社は就航数年後に年間売上高約1000億円、年間乗客数約40万人を目指し、通年で運航する2029年度から黒字を想定する。減価償却費は年間200億円規模になるとしている。中間期の設備投資額は576億円で前年同期の322億円から78.6%増え、このうち「その他の事業」が271億円(前年同期は30億円)を占めた。
