関芳弘文部科学相は10月13日の記者会見で、2020年12月と2024年6月に衆議院議員会館で政治資金パーティーにあたる会合を開いていたことを認めた。関氏は、会館内で政治資金パーティーを行ってはならない趣旨の規定があると衆議院事務局から説明を受けたと述べ、「今後、このようなことがないように猛省しまして十分注意をしてまいりたい」と陳謝した。会合で得た資金については、すでに日常の政治活動に使ったと説明した。

会見で認めた2回の開催

文部科学省が公表した会見録によると、記者から、政治資金パーティーが禁止されているとされる議員会館でパーティーを開いたとの報道について事実関係を問われた。関氏は、2020年12月に衆議院議員会館の国際会議室で、2024年6月には同会館の自室の会議室で会合を開き、その収支を政治資金収支報告書に記載したと答えた。

関氏によると、開催当時は、議員会館管理委員会の決定事項にある禁止事項――面会、寄付金等の強要、押し売り、許可を受けない商行為――には該当しないと認識していた。今回指摘を受けて改めて確認し、当該規定は議員会館内で政治資金パーティーを行ってはならない趣旨だと衆院事務局から説明を受けたという。

当たらないと考えた理由を問われると、関氏は、禁止事項のうち「商行為」の点について「パーティーですから商行為とはまたちょっと違うものかと私個人的に判断をしてしまっておりまして」と述べた。そのうえで、衆院事務局に問い合わせ直して該当すると教えられたとし、「深く反省をしてもう二度とやらないということで心に誓った」と語った。事務局に確認した時期を重ねて問われたが、関氏は「指摘を受けましてそうさせていただきました」と答えるにとどめ、具体的な日付は示さなかった。

なお、関氏が言及した議員会館の禁止事項の規定本文は、衆議院の公式サイトでは確認できなかった。

収支報告書に「第一議員会館603号室」

2024年の会合は、兵庫県選挙管理委員会がインターネットで公表している政治資金収支報告書で確認できる。関氏が代表者を務める「自由民主党兵庫県第三選挙区支部」の令和6年分の報告書(同選管の受付印は令和7年5月13日)には、事業による収入として7回の催しが記載されている。

このうち4行目が「2024年6月関芳弘政経バイオフォーラム」で、収入は81万円。備考欄の開催日と場所は「令和6年6月13日 衆議院第一議員会館603号室」となっている。ほかの6回はホテルや全国町村会館、飲食店で開かれており、議員会館の記載はこの1回だけだ。7回の収入の合計は1232万9450円だった。

名称 開催日 場所 収入
関芳弘政経バイオフォーラム 2024年3月12日 ホテルルポール麹町 96万円
関芳弘政経フォーラム 2024年3月21日 ホテルルポール麹町 228万9450円
関芳弘政経フォーラム 2024年5月23日 全国町村会館 262万円
関芳弘政経バイオフォーラム 2024年6月13日 衆議院第一議員会館603号室 81万円
関芳弘政経フォーラム 2024年9月20日 全国町村会館 242万円
関芳弘政経バイオフォーラム 2024年12月2日 北京料理南甫園 72万円
関芳弘政経フォーラム 2024年12月18日 北京料理南甫園 251万円
自由民主党兵庫県第三選挙区支部が2024年に開いた催しと収入

出典: 兵庫県選挙管理委員会「令和6年分政治資金収支報告書 自由民主党兵庫県第三選挙区支部」

一方、2020年12月の会合が載っているはずの令和2年分の報告書は、インターネットでは公表されていない。同選管は、国会議員関係政治団体(政党の支部を含む)の報告書のインターネット公表を令和3年分から始めたとしている。このため本紙は、2020年の会合の名称や収入を一次資料で確認できていない。

政治資金パーティーとは何か

政治資金規正法は、政治資金パーティーを「対価を徴収して行われる催物」で、その対価による収入から経費を差し引いた残りを、開いた者などの政治活動に支出することとされているものと定義している。開催は政治団体が行わなければならない。収支報告書には、パーティーごとに名称、開催年月日、開催場所、対価に係る収入の金額を記載する。

支払った側の名前が報告書に載るのは一部に限られる。同法は、一つのパーティーで同じ者からの対価の支払いが合計20万円を超える場合に、その者の氏名、住所、職業と金額、年月日の記載を求めている。対価の収入が1000万円以上のパーティーは「特定パーティー」と呼ばれ、対価を支払った者の数などの記載も求められる。関氏の支部が2024年に開いた7回は、いずれも収入が1000万円に届いていない。

13日の会見では、記者が2024年6月の会合について、収入に比べて支出が少なく、利益の大半が寄付金にあたるのではないかとの指摘があるとして見解を求めた。関氏はこの定義をそのまま読み上げる形で説明し、「この法令に従いまして開催をしているところでございます」と答えた。

ルールに抵触すると認識したことを受け、集めた資金をどう扱うかとの質問には、「日々の法律に則りました政治活動に使っていこうということでございまして、その分につきましては日常の活動のほうで使わせていただいております」と述べた。返金や寄付といった措置には触れなかった。

国会でも追及、16日の会見でも質問

この問題は国会でも取り上げられた。10月16日の参議院予算委員会の基本的質疑では、立憲民主党の熊谷裕人氏が質問に立った。同党の発表によると、熊谷氏は関氏の政治資金パーティーの問題や議員会館の使用をただし、関氏は「議員会館での開催は行ってはならないと深く反省し、十分注意してまいります」と陳謝した。同じ日の質疑の全体は、参院予算委で基本的質疑 立憲・辻元氏、陸自情報隊の個人情報収集やG7欠席ただすで伝えている。予算委の会議録は19日時点で国会会議録検索システムに掲載されておらず、政府側の答弁は党の発表による。

関氏は同じ16日の記者会見でも、議員会館での政治資金パーティーについて、参加者の規模と会費を問われた。文科省のページには質疑の項目としてその旨が掲げられているが、会見録の文字版は「後日、アップロードします」とされ、19日時点で公開されていない。このため、関氏が参加者数や会費をどう説明したかは、本紙は一次資料で確認できていない。

関氏は自由民主党兵庫県第三選挙区支部の代表を務める衆院議員で、閣僚名簿は第2次高市改造内閣の閣僚名簿一覧にまとめている。16日の会見録の文字版が公開されれば、参加者の規模や会費について関氏がどう説明したかを確認できる。