任期満了に伴う沖縄県豊見城市長選挙は10月25日に投票が行われ、即日開票の結果、無所属で現職の徳元次人氏(45)が1万4759票を得て再選された。豊見城市選挙管理委員会が午後10時48分に確定させた開票結果によると、無所属の新人の大田善裕氏(46、届出名「オオタ善裕」)は1万327票だった。投票率は50.51%で、前回2022年の49.72%を上回った。同じ日には、市議会が9月に自主解散したことに伴う市議会議員選挙も行われ、25人が22議席を争った。
徳元氏が有効投票の58.83% 前回から1424票増やす
徳元氏の得票は有効投票2万5086票の58.83%、大田氏は41.17%で、差は4432票だった(割合は本紙が有効投票数から算出し、小数第3位を四捨五入した)。立候補者一覧によると、2人はともに無所属で届け出ており、党派の欄に政党名は無い。徳元氏の職業欄は「豊見城市長」、大田氏は「無職」だった。
前回2022年10月9日の市長選は3人の争いで、徳元氏が1万3335票、山川ひとし氏が1万535票、辻内たけはる氏が668票だった。このときの徳元氏の得票率は有効投票2万4538票の54.34%で、今回は票数を1424票増やし、得票率も54.34%から58.83%に上がった。
市のプロフィールによると、徳元氏は1981年生まれで、沖縄県立小禄高校を卒業後、スイミングスクールや那覇バスの勤務を経て、2011年2月から市議を3期務めた。2022年11月8日に第7代豊見城市長に就任しており、今回が初めての改選だった。
当日の投票は前回を下回り、期日前投票で上積み 投票率50.51%
当日有権者数は5万498人で、投票者は2万5507人だった。前回の投票者2万4802人より705人多い。無効票は420票で、前回の264票より多かった。
投票の内訳を見ると、期日前投票は1万1117人で、前回市長選の1万240人を877人上回った。選管の投票速報では、当日有権者に占める期日前投票者の割合は22.01%で、前回の20.53%から上がった。一方、投票日当日の午後8時時点の投票率(期日前・不在者投票を含まない)は28.36%で、前回の同時刻の29.03%を下回った。当日の投票率は前回に届かず、期日前投票の割合が上がった分で全体の投票率が前回を上回った。
期日前投票は10月19日から24日までの6日間、市役所1階の1か所で受け付けた。最終日の24日だけで3561人が投票しており、6日間の合計の約3割を占めた。選管の資料は、最近の選挙の期日前投票者数も並べている。9月13日に投開票された沖縄県知事選は1万4303人、2月8日の衆院選は1万2117人、2025年7月の参院選は1万3545人、2024年6月の県議選は6874人だった。期日前投票の期間は選挙ごとに異なり、今回の市長選の6日間より長い。
男女別では、当日有権者は男性2万4347人、女性2万6151人で、投票者は男性1万2064人、女性1万3443人だった。本紙の計算では、男性の投票率は49.55%、女性は51.41%で、女性が男性を上回った。
市議会は同日選のため自主解散 賛成16、反対4で「5分の4」に届く
今回の市議選は任期満了によるものではない。前回の市議選は2023年2月12日に行われており、議員の任期は2027年2月までだった。市議会は9月25日、第5回定例会で「豊見城市議会の解散に関する決議」を即決で可決し、自ら解散した。
決議文は、市長選と市議選が「異なる時期に執行されている」と指摘したうえで、経緯を記している。2015年に設置した議会改革調査特別委員会が、2018年6月22日の最終報告で市長選に合わせて議会を解散すべきだと決めた。2025年設置の同じ名称の特別委員会でも、市民負担の軽減や選挙事務の効率化、投票率の向上、経費縮減の効果を確認したが、議員の意向調査は賛成14人、反対7人で「解散に必要な同意に達せず」、いったん見送った。その後、2026年6月定例会で同日実施を求める請願を採択し、5952筆の署名、市内37自治会と事業者8団体からの要望が寄せられた。決議は「任期を残して議会を解散することは重大な決断である」としつつ、「同日選挙の実現は市民負担の軽減と市政への関心向上に資する」と判断した。
議会が自ら解散できるのは、地方公共団体の議会の解散に関する特例法による。同法第2条は、解散の議決には「議員数の四分の三以上の者が出席し、その五分の四以上の者の同意がなければならない」と定める。市議会の賛否一覧表によると、この決議には20人が表決に加わり、賛成16人、反対4人だった。16人は20人の5分の4にあたり、可決に必要な同意をちょうど満たした。
市議選は25人が22議席を争う 共産5、自民3、公明2が当選
市議選の投票率は50.50%で、前回2023年の46.75%を上回った。投票者は2万5504人で、前回の2万3434人より2070人多い。
立候補者一覧の党派別に当選者を見ると、日本共産党が5人全員、自由民主党が3人全員、公明党が2人全員、立憲民主党が1人、参政党が1人当選し、無所属は11人のうち10人が当選した。日本維新の会と国民民主党はそれぞれ1人が立ち、いずれも議席を得られなかった。女性の立候補者は4人で、全員が当選した。
最多得票は自民党の川満ゲンジ氏の2171票だった。最下位当選の宜保リウヘイ氏(無所属)は665.487票で、次点の吉浜ともや氏(維新)の658票との差は7票余りだった。得票に小数が付くのは、同じ氏の候補者が複数いる場合に氏だけを書いた票も有効とし、それぞれの得票に応じて割り振る公職選挙法第68条の2の規定による。今回は新垣、瀬長、宜保の氏の候補者がそれぞれ2〜3人いた。前回2023年の市議選で当選した人と同じ名で届け出た候補のうち、17人が今回も当選した。
| 党派 | 立候補 | 当選 |
|---|---|---|
| 日本共産党 | 5 | 5 |
| 自由民主党 | 3 | 3 |
| 公明党 | 2 | 2 |
| 立憲民主党 | 1 | 1 |
| 参政党 | 1 | 1 |
| 日本維新の会 | 1 | 0 |
| 国民民主党 | 1 | 0 |
| 無所属 | 11 | 10 |
| 計 | 25 | 22 |
出典: 豊見城市選挙管理委員会「豊見城市議会議員選挙の立候補届出者一覧」「開票結果(最終)」をもとに本紙が集計
再選後の市政 給食費の完全無償化と「年少人口比率が全国市区で最も高い」まち
徳元氏は市議会で述べた2026年度の施政方針で、2026年度を「任期の最終年度」と位置付け、「成果が問われる年」と述べていた。モットーとして掲げるのは「新たな富を生みだすまちづくり」で、2026年度は第5次豊見城市総合計画の後期基本計画の初年度にあたる。
施政方針は、市が「全国市区において、年少人口比率が最も高い自治体」だとし、2026年度に最も力を入れる分野に子どもへの投資を挙げた。具体策として、市として初めて小中学校の給食費を年間を通して完全に無償化すると表明し、恒久的な制度とするため県に学校給食費の無償化を引き続き要望するとした。雨天や猛暑でも子どもが遊べる場所の確保、英語教育の拡充にも取り組むとしている。
物価高への対応では、市内の店舗で使える地域商品券を4月から順次発送するとした。防災では、自主防災組織の立ち上げ支援や防災士の育成を進め、徳元氏自身も2025年11月に防災士の資格を取ったと述べている。
1期目の任期は2022年11月8日から4年間で、徳元氏は11月から2期目に入る。市議会も今回の選挙で全議員が改選され、市長と市議の選挙が同じ日にそろった。
同じ10月25日には新潟市長選も投開票されている(新潟市長選、現職の中原八一氏が3選 14万3724票で全8区首位、投票率は35.61%)。
