立憲民主党は10月15日、国会内で第1回政調審議会を開いた。徳永エリ政調会長は冒頭のあいさつで、これまで立憲民主党、中道改革連合、公明党の3党で政調の連携を進めてきたと振り返ったうえで、今後は立憲民主党単独で政調審議会を開く方針を示した。各部会で活発に議論し、「立憲民主党らしい戦い方」をしながらも、連携できる部分では他の野党とも協力していく考えを述べた。党の公式サイトが同日、審議会の内容を公表した。

「3党で成果を積み上げてきた」と振り返る

党の発表によると、徳永氏はあいさつの中で、3党の政調連携によって参議院では修正案の提出や付帯決議の獲得などの成果を積み上げてきたと述べた。そのうえで、政調審議会を党単独の開催に切り替える方針を示した。発表には、切り替えの理由についての説明は書かれていない。

政調審議会は、党の政策や国会に出される法案への態度を決める会議である。党内の各部会が法案を審査し、その結果を政調審議会で承認する流れをとる。3党の連携のもとでは、この審査を3党が合同で行い、法案への賛否を「三党として」決めていた。単独開催への切り替えにより、今後は立憲民主党が自前の部会と審議会で態度を決めることになる。

徳永氏はまた、今国会には21本の法案と1本の条約が提出される見込みであることを示し、この日は政府提出法案のヒアリングも行う予定だと述べた。

審議会で決めたこと

第1回の審議会では、報告事項として、国会対策の報告、政調・部会・調査会などの新体制と政務調査会の運営に関する基本原則、第222回国会(臨時会)に提出予定の法律案の一覧と分類、本会議で趣旨説明を求める法案の扱いがいずれも了承された。

国会の同意を必要とする人事については、原子力委員会を内閣部会で、公安審査委員会を法務部会で審査することにした。政府が打ち出した「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入」に対する党の考え方については、説明を聴いた。

政策審査では、「米価下落対策の早期実施と水田農業の生産基盤強化に関する要請」と「米国産生鮮ばれいしょの輸入解禁への対応に関する要請」の2件を承認した。

消費税をめぐる党の考え方は、10月7日に常任幹事会で了承されたものだ。党の発表によると、食料品の消費税率引き下げに「反対するものではない」としつつ、政府案には反対する立場をとり、2026年度内の給付から始めて2029年4月に本格的な「給付付き税額控除」を導入する3段階の対案を示している。徳永氏は同日の会見で、対案の法案提出は他の野党との協議を踏まえて検討するとしていた。

3党の政調連携は2月に始まった

3党の連携は、今年2月の特別国会を前に始まった。党の発表によると、立憲民主党の水岡俊一代表、中道改革連合の小川淳也代表、公明党の竹谷とし子代表(いずれも当時)は2月17日に党首会談を開き、幹事長と国会対策委員長による協議を定期的に開くこと、首班指名選挙で3党が結束して小川氏に投票することなどで合意した(首班指名は大筋合意)。政策面では「3党それぞれの部会・部門会議を可及的速やかに統合し、合同で開催することで一致」した。

翌18日には徳永氏が、中道改革連合の岡本三成政調会長、公明党の秋野公造政調会長と会談した。岡本氏が法案審議や政策立案を3党合同で行う「合同部会」の設置を提案し、徳永氏は「党の役員会に諮り、できるだけ早くお返事をしたい」と応じた。

3月5日には第2回三党合同政調審議会が開かれ、議員立法2本に「三党として」賛成することを決めたほか、「三党政務調査会運営に関する規則(案)」を原案通り了承した。合同の動きは政策の申し入れにも及び、8月27日には3党がそろって農林水産省を訪れ、政府備蓄米の早期買い戻しなど4項目を鈴木憲和農林水産大臣あてに要請している。

日付 出来事
2月17日 3党党首会談。部会・部門会議の統合と合同開催で一致
2月18日 3党政調会長会談。中道側が「合同部会」設置を提案
3月5日 第2回三党合同政調審議会。運営規則案を了承
8月27日 3党合同で政府備蓄米の早期買い戻しを農水相あてに要請
9月16日 中道改革連合の議員総会。49人中48人の離党方針を了承
10月15日 立憲民主党が第1回政調審議会を単独で開催
立憲・中道・公明の3党政調連携の主な経過出典: 立憲民主党、中道改革連合の公式発表

連携の相手だった中道改革連合は分党

3党の枠組みのうち、中道改革連合はこの間に姿を大きく変えた。同党の発表によると、9月16日の議員総会で、所属する衆院議員49人のうち48人が離党手続きに入る方針が了承された。残るのは渡辺創組織委員長1人で、立憲民主党出身の議員は新党「民主改革の会」をつくり、公明党出身の議員は公明党に復党する。経緯は「中道改革連合が分党、結党8か月で新党と公明党復党へ 議員1人残し存続、交付金23億円の扱い」で伝えた。

衆議院では、その後、両者が統一会派「中道」を組んだ。衆議院が公表している9月28日現在の会派別所属議員数では、「中道」は47人で、自由民主党・無所属の会の315人に次ぐ。会派の成り立ちは「統一会派「中道」とは 47人の内訳は公明出身27人と民主改革の会18人 中道改革連合は「2党建て」へ」で解説している。公明党の中川康洋国会対策委員長は10月11日、三重県内のあいさつで、中道改革連合、立憲、公明の3党が合流せずに衆院会派「中道」を結成した経緯を説明したと、同党の機関紙が伝えている。

一方、立憲民主党には衆院議員がおらず、衆議院の会派一覧に党名はない。参議院が公表している10月16日現在の会派別所属議員数では、「立憲民主・無所属」は39人で、自由民主党・無所属の会の101人に次ぐ第2会派である。公明党は21人で、参院では別の会派をつくっている。

参院が主な足場、他の野党との連携が焦点に

立憲民主党は衆院に所属議員がいないため、法案への対応は参議院が主な舞台になる。徳永氏が3党連携の成果として挙げたのも、参議院での修正案の提出や付帯決議の獲得だった。

今後は、21本の法案と1本の条約について、立憲民主党の部会がそれぞれ審査し、党としての賛否を決めていく。政府が提出を見込む消費税と支援金の制度については、党はすでに反対の立場と対案を示しており、10月15日の審議会でも改めて説明を受けた。

徳永氏は「他の野党とも協力していく」と述べたが、どの党とどの分野で組むのかは、発表では示されていない。対案の法案提出についても他の野党との協議を踏まえて検討するとしており、臨時国会での野党間の協議の行方が、党単独に切り替えた政調の動きを左右することになる。