総務省統計局が9月24日に公表した人口推計によると、2026年9月1日現在の日本の総人口は1億2265万人だった。前年同月より54万人減り、減少率は0.44%である。同時に公表された2026年4月1日現在の確定値は1億2283万8千人で、こちらは1年間に55万9千人(0.45%)減った。
9年間で382万人減り、毎年50万〜60万人台の減少が定着した
人口推計は各年10月1日現在の数字を基準の時点として長く記録している。それをたどると、2016年の1億2704万1812人から2025年の1億2321万9024人まで、9年間で382万2788人減った。
年ごとの減り方は、2017年が12万3266人、2019年が19万3428人、2021年が64万3809人、2023年が59万4912人、2025年が58万2726人である。2020年代に入ってから、毎年50万〜60万人台の減少が続く水準に変わった。
総務省統計局は2024年10月1日現在人口の結果の概要で、総人口は2005年に戦後初めて前年を下回り、2008年にピークを迎え、2011年以降は14年連続で減少していると整理している。2025年もさらに58万人余り減ったため、減少は途切れていない。
日本人人口の減り方はこれより急だ。2016年の1億2507万1221人から2025年の1億1937万9692人へ、同じ9年間で569万1529人減っている。総人口の減少幅より187万人ほど大きく、その差は外国人人口の増加で埋められている(外国人人口が391万7千人、1年で30万1千人増 総人口の3.19%に 日本人の働き手49万5千人減のうち27万3千人を埋める)。
自然減91万人を、入国超過33万人が薄めている
総人口がどう減るかは、二つの流れに分けて記録されている。生まれた人と亡くなった人の差である「自然動態」と、入国した人と出国した人の差である「社会動態」だ。
2024年10月から2025年9月までの1年間は、出生が69万4162人、死亡が161万3143人で、自然減は91万8981人だった。一方で入国が473万2271人、出国が439万6016人あり、社会動態は33万6255人の増加である。両者を足した58万2726人が、この1年の総人口の減少幅にあたる。
つまり日本の人口減少は、自然減が91万人という大きさで進み、そのうち3分の1強を出入国の差が打ち消している構図になっている。日本人人口だけを見ると自然減が93万2816人で、社会動態の増加は8698人、国籍の異動による増加が8218人しかなく、減少幅は91万5900人とほぼ自然減のまま残る。
年齢の構成も動いている。2026年4月1日現在の確定値では、15歳未満が1329万1千人で1年間に35万6千人(2.61%)減り、15〜64歳が7333万6千人で22万2千人(0.30%)減った。65歳以上は3621万1千人で1万9千人(0.05%)の増加にとどまるが、そのうち75歳以上は2153万1千人へ47万9千人(2.27%)増えている(75歳以上の人口2153万人、2026年4月時点で総人口の17.5% 65歳以上全体は1万9千人増で頭打ち 要介護認定率は65〜74歳4.3%に対し75歳以上31.0%)。総人口に占める割合は15歳未満が10.8%、15〜64歳が59.7%、65歳以上が29.5%である。
「人口推計」とは 国勢調査の谷間を計算で埋める統計
人口推計は、総務省統計局が毎月公表している基幹統計である。日本の人口の実態は5年ごとの国勢調査で明らかになるが、その間の各月・各年の人口は分からない。そこを計算で埋めるのが人口推計の役目だ。各年10月1日現在の推計は第1回国勢調査の翌年である1921年から、各月1日現在の推計は1950年国勢調査以降続いている。基幹統計になったのは2017年4月公表分からである。
算出の基本式は単純で、国勢調査の人口を出発点(基準人口)に置き、その後の動きを足し引きする。
- 総人口 = 基準人口 + 自然動態 + 社会動態
- 日本人人口 = 基準人口(日本人) + 自然動態 + 社会動態 + 国籍の異動による純増減
自然動態は出生児数から死亡者数を引いた数で、厚生労働省の人口動態統計を使う。社会動態は入国者数から出国者数を引いた数で、出入国在留管理庁の出入国管理統計による。国籍の異動は法務省の資料を用いる。現在の基準人口は2020年国勢調査の確定人口で、2021年12月報から切り替わった。
社会動態には注意点がある。日本に住んでいる人の数をより正確に出すため、滞在期間が90日以内の出入国者は算入していない。旅行者の出入りで人口が上下しないようにするためである。
概算値は5か月後に確定値になり、2025年国勢調査で入れ替わる
数字を読むときに押さえておきたいのが、概算値と確定値の違いだ。最新の月の人口は概算値として公表され、算出に使うデータがそろう5か月後に確定値へ切り替わる。今回、2026年9月1日現在が概算値の1億2265万人、2026年4月1日現在が確定値の1億2283万8千人と2本並んでいるのはこのためである。
概算値は前年同月の自然動態と社会動態の実績値を使って算出するが、東日本大震災以降の動きを踏まえ、2012年4月1日現在の推計から、実績値が外れ値と判定された場合は他の年の同じ月の実績値に置き換える方法に変わっている。
さらに大きな入れ替えが控えている。人口推計は国勢調査を基準にしているため、5年後の推計値は次の国勢調査の実測と必ずしも一致しない。総務省統計局は2025年10月以降の各月1日現在人口について、2025年国勢調査の人口等基本集計が公表されたあとに確定人口とそれを基準とした値へ更新する予定だと明記している。2025年10月1日現在人口そのものも、推計ではなく2025年国勢調査から公表される。本稿の2025年の数字は、その更新前の値である。
人口が減り続ける一方で高齢者の比率が上がる長期の姿は、政府の推計でも描かれている(高齢化率29.4%で過去最高 令和8年版高齢社会白書、2070年には「2.6人に1人」が65歳以上)。毎月の人口推計は、その長期の見通しが実際にどこまで来ているかを確かめる目盛りにあたる。
