2019年(令和元年)の火災で焼失した首里城(那覇市)の正殿の復元が終わり、11月23日(月・祝)正午から一般公開される。首里城公園の発表によると、正殿の内部は観覧人数を絞るため30分ごとの日時指定による事前予約制とし、同日入場分から有料区域の入場料を大人400円から1000円に改定する。前日の22日には内閣府沖縄総合事務局が復元完成式を開き、首里城公園は終日休園となる。
22日に国の完成式、23日は県の式典の後に公開
沖縄総合事務局が10月22日に出した記者発表資料によると、復元完成式は22日午後1時から約1時間、首里城地区の特設会場で開く。挨拶や来賓祝辞、事業概要の説明、テープカットなどを予定し、参加は招待者に限る。首里城公園は有料区域を含む園内のすべての施設を、この日は終日休園・休場とする。
翌23日は午前9時から9時45分まで、沖縄県が正殿前の広場「御庭(うなー)」でオープニングセレモニーを開く。公園の案内によると、この式典のため城郭内の無料区域は午前11時15分まで、有料区域は正午まで閉じる。正殿の一般公開はその正午から始まる。
正殿は、政府が決めた「首里城正殿等の復元に向けた工程表」に基づき、2022年(令和4年)11月に着工した。公園の「復興の軌跡」によると、2026年5月に宮大工の木工事がおおむね終わり、7月24日には正殿正面に大龍柱を据えた。9月17日には正殿内部と両側の廊下を含むすべての漆の塗装を終えている。5月1日からは、工事の囲いを越えて正殿を直接見られる高台見学デッキも開いている。
内部の観覧は30分ごとの日時指定予約
正殿の内部を見るには、日時指定を含む「入場券(正殿内観覧予約あり)」を予約する必要がある。日時指定のための追加料金はかからない。公園は予約制にする理由を「正殿観覧時の安全性確保およびオーバーツーリズムの未然防止」と説明している。
個人の予約はウェブで受け付け、1回の決済で9枚まで買える。11月23日から12月31日までの入場分は、混雑を避けるため9月1日と10月1日の2回に分けて販売を始めた。2027年1月1日以降の入場分は、入場予定日の2か月前の1日午後1時から売り出す。当日に空きがあれば、入場時間枠の15分前までウェブか広福門券売所の窓口で買える。
入場料が無料の人(障害者手帳を持つ人、70歳以上の沖縄県民など)や年間パスポートを持つ人も、正殿の内部を見るには予約が要る。予約が要らないのは未就学児だけだ。
予約をしなくても、正殿の内部を除く有料区域には従来どおり入れる。「予約なし」の入場券では、高台見学デッキから正殿の外観を見たり、復興展示室などの展示を見たりできる。内部の予約枠が埋まった日でも、有料区域への入場はできる。
公園の目安では、首里杜館(すいむいかん)から正殿内部の観覧を含めて回ると、混雑の具合によって約90〜120分かかる。うち正殿内部の観覧は約15分。予約する時間帯は、モノレールで来る場合は首里駅に着く予定の40〜50分後、車の場合は公園周辺に着く予定の30〜50分後を目安にするよう求めている。
入場料は2.5倍、年間パスポートも改定
有料区域の入場料は、11月23日入場分から次のように改める。公園は理由として、正殿の公開に伴う防災・防火対策の強化と、物価上昇による施設運営経費の増加を挙げている。
| 区分 | 現行(11月21日まで) | 11月23日から |
|---|---|---|
| 個人・大人 | 400円 | 1,000円 |
| 個人・高校生 | 300円 | 760円 |
| 個人・小中学生 | 160円 | 370円 |
| 団体・大人 | 320円 | 800円 |
| 団体・高校生 | 240円 | 610円 |
| 団体・小中学生 | 120円 | 300円 |
| 年間パスポート(一般)・大人 | 800円 | 2,000円 |
| 年間パスポート(県民)・大人 | 600円 | 1,500円 |
個人の大人は2.5倍になる。6歳未満は引き続き無料で、70歳以上の県民と障害者手帳などを持つ人も無料のままだ。団体料金は20人以上に適用される。年間パスポートは一般の高校生が600円から1520円、小中学生が320円から740円に、県民向けの高校生が450円から1140円、小中学生が240円から550円に上がる。
新料金の年間パスポートは11月1日午前8時30分からウェブで先行販売を始めた。正殿の完成を記念してホログラム加工を施した特別仕様のカードを、2027年5月31日までに窓口で受け取った人に発行する。11月21日までに受け取った場合も、有効期間は11月23日から2027年11月22日までとなる。すでに年間パスポートを持っている人は、有効期限まで追加料金なしで使える。窓口での購入とカードの発行は11月24日から通常どおり受け付ける。
団体の内部観覧は12月7日から、抽選で受け入れ
団体が正殿の内部を見る場合は、当面、団体予約フォームによる抽選で枠を割り当てる。公園は公開直後の11月23日から12月6日までを「大変な混雑が予想される」期間とし、団体の内部観覧の予約を受け付けない。12月7日入場分から段階的に受け入れる。
抽選の申し込みは入場月ごとに区切っている。2027年3月の入場分は、11月1日から7日まで申し込みを受け付け、14日から16日にかけて結果を知らせる。4月以降の入場分は、詳細が決まり次第知らせるとしている。入場料は申し込み時ではなく当日の窓口で払う。
有料区域の開場時間は、4〜11月が午前8時30分から午後7時(入場締め切りは午後6時30分)、12〜3月が午前8時30分から午後6時(同5時30分)。公園は、周辺道路の混雑が予想されるとして、公共交通機関で来るよう呼びかけている。
正殿の公開に合わせ、沖縄県や那覇市、公園の管理者などでつくる「首里城正殿完成記念事業推進連絡会」は、記念事業として公演や催しを続けている。予約や催しの問い合わせは、県の委託で設けた「総合対応窓口」が受け付ける。
