10月29日午前0時7分ごろ、千葉県北東部を震源とする地震があり、千葉県横芝光町で震度5弱を観測した。気象庁によると、震源の深さは約50キロで、地震の規模(マグニチュード)は当初5.4と発表され、午前2時10分に5.5へ更新された。この地震による津波の心配はない。消防庁が午前1時にまとめた第2報では、人的被害と住家被害は「確認中」とされた。同じ震源域では10月に入って揺れを伴う地震が続いている。

横芝光町の2地点で震度5弱、規模はM5.4から5.5に更新

気象庁が29日午前0時16分に発表した震源・震度情報によると、震度5弱を観測したのは横芝光町の宮川と栗山の2地点だった。いずれも気象庁以外の自治体などが設置した観測点である。

震度4は、旭市、匝瑳市、香取市、山武市、多古町、九十九里町、芝山町の7市町で観測された。いずれも横芝光町と同じ気象庁の地域区分「千葉県北東部」に属する。

震度 市町村(観測地点)
5弱 横芝光町(宮川、栗山)
4 旭市、匝瑳市、香取市、山武市、多古町、九十九里町、芝山町
3 銚子市、東金市、成田市、千葉市中央区、茨城県土浦市、栃木県真岡市、埼玉県宮代町、横浜市神奈川区など49市区町村
10月29日午前0時7分ごろの地震で観測された主な震度

出典: 気象庁「震源・震度情報」(10月29日午前0時16分発表)

震度3は、千葉県内の銚子市、成田市、千葉市の4区などのほか、茨城県の土浦市や神栖市、栃木県真岡市、埼玉県のさいたま市緑区と宮代町、横浜市神奈川区で観測された。震度1以上の揺れは、北は宮城県と山形県、西は長野県と静岡県までの14都県に及び、東京23区は震度2だった。

気象庁の震度階級関連解説表は、震度5弱について「大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる」と説明している。屋内では棚の食器類や書棚の本が落ちることがあり、固定していない家具が移動することもあるとしている。地震は日付が変わった直後の午前0時台に起きた。

気象庁は地震発生から約4分後の午前0時11分に震源に関する情報を出し、午前0時12分と午前0時16分に震源・震度情報を発表した。この段階の規模はマグニチュード5.4、震源の深さは約50キロだった。

その後、午前2時10分に「顕著な地震の震源要素更新のお知らせ」を出し、地震の発生場所と規模を更新した。更新後の規模はマグニチュード5.5で、震源の地域名は「千葉県北東部」のまま変わっていない。

震度5弱は1町にとどまったが、震度1以上を観測した市区町村は407に上り、関東地方を中心に東北南部から中部地方まで揺れが伝わった。

119番は「通常どおり」、県は災害即応体制

消防庁の第2報(29日午前1時時点)によると、横芝光町を管轄するちば消防共同指令センターへの119番通報の状況は「通常どおり」だった。重要施設の被害や消防機関からの被害報告は、その時点で無かった。都道府県からの報告による人的被害と住家被害は「確認中」とされている。30日午前8時の時点で、消防庁の災害情報の一覧に載っているこの地震の報告は第2報が最新である。

千葉県は地震発生と同時刻の午前0時7分に災害即応体制を設置した。消防庁も同じ時刻に応急対策室長を長とする災害対策室を設け、第1次応急体制を取った。午前0時8分には、震度5弱を観測した千葉県に対して、適切な対応と被害報告を要請している。

横芝光町は29日、町のホームページに「今後1週間程度は大きな地震にご注意ください」とする案内を載せた。町は、気象庁が今後1週間程度は大きな地震に注意するよう呼びかけているとしたうえで、非常用の食料や飲料水、常備薬などの非常持ち出し品を事前に確認するよう住民に求めている。

同じ震源域で10月に入り震度1以上が10回

気象庁の地震情報一覧によると、千葉県北東部を震源とする震度1以上の地震は、今回を含めて10月に10回あった。

10月1日には午前6時17分にマグニチュード3.5で最大震度2、午後9時27分にマグニチュード5.1で最大震度3の地震が起き、その後の30分ほどの間に震度1の地震が2回続いた。10月1日夜の地震では、横芝光町、旭市、匝瑳市、香取市、山武市、成田市、茨城県潮来市、神栖市など15市町で震度3を観測し、揺れは宮城県から静岡県までの13都県に及んだ。10月8日午前4時13分にはマグニチュード4.8の地震が起き、旭市で震度4、匝瑳市、香取市、山武市、多古町、芝山町、成田市、茨城県潮来市、稲敷市で震度3を観測した。10月26日と27日にも震度1の地震があった。

今回の地震の後も、29日午前3時32分にマグニチュード4.4で最大震度2、午前5時22分にマグニチュード3.5で最大震度1の地震が同じ震源域で起きた。いずれも震源の深さは約50キロと発表されている。10月1日夜と8日の地震も、震源の深さは約50キロだった。10月1日からの4週間で、同じ深さの震源域でマグニチュード4.8以上の地震が3回起き、そのたびに旭市や匝瑳市、香取市などの市町が震度3以上の揺れに見舞われたことになる。

プレートが重なる地下、1987年にはM6.7で死者2人

政府の地震調査研究推進本部は、千葉県の地下では関東地方の下に沈み込んだフィリピン海プレートと太平洋プレートに関係する地震活動が「定常的に活発」だと説明している。活発な場所として、旧佐原市(現在の香取市)付近の深さ30〜40キロ、銚子市付近の深さ40〜50キロ、千葉市付近の深さ60〜70キロを挙げている。

この地域で大きな被害が出た地震として知られるのが、1987年12月17日の千葉県東方沖の地震(マグニチュード6.7)だ。同本部によると、九十九里浜付近の深さ58キロで起きたフィリピン海プレート内の地震で、山武郡、長生郡、市原市を中心に死者2人、負傷者144人、住家全壊16棟の被害が出た。

同本部は、千葉県では最近数十年間にマグニチュード7程度の地震は知られていないものの、1989年の千葉県北部の地震や2005年の千葉県北西部の地震のようなマグニチュード6程度の地震が数年に1回の割合で起き、局所的に被害が出たことがあるとしている。2021年10月にも千葉県北西部の深さ75キロを震源とする地震で首都圏の3市区町村が震度5強を観測しており、その被害と教訓は10月7日は東京・足立区で震度5強を観測した日 2021年の千葉県北西部地震から5年、負傷49人 舎人ライナー脱線の再発防止工事は2028年度完了見込みで伝えている。