警察庁は、天皇陛下の行幸に合わせ、東京都江東区の有明コロシアムを11月8日、大阪市北区のリーガロイヤルホテルを14日から15日まで、大阪府泉佐野市のりんくう公園を15日、それぞれ小型無人機等飛行禁止法に基づく「対象特別要人所在施設」に指定し、官報で告示した。有明コロシアムは10月30日、大阪の2施設は11月2日の告示。期間中は施設とその周囲おおむね1000メートルの上空で、ドローンなど小型無人機の飛行が原則として禁止される。
3施設の指定、期間は1〜2日
警察庁の広報資料によると、有明コロシアムの指定は、天皇陛下が11月8日に第81回天皇賜杯・皇后賜杯全日本ソフトテニス選手権大会を御覧になるため、同所へ行幸になることに伴うもの。大阪の2施設は、11月14日と15日に予定されている第45回全国豊かな海づくり大会に関する指定とされている。
大阪府によると、天皇、皇后両陛下は海づくり大会への御臨席と地方事情御視察のため、14日から15日まで大阪府を訪問される御予定。大会は大阪府で初めて開かれる。府が大会の開催日を発表した資料では、海上歓迎・放流行事の会場を府営りんくう公園のシーサイドウォーク(泉佐野市)とし、漁船などによる海上歓迎パレードや漁法の紹介、稚魚の放流を内容に挙げている。式典行事の会場は南海浪切ホール(岸和田市)で、こちらは今回の指定には入っていない。
| 施設 | 所在地 | 指定期間 | 管轄 | 告示 |
|---|---|---|---|---|
| 有明コロシアム | 東京都江東区有明 | 11月8日 | 警視庁 | 第9号(10月30日) |
| リーガロイヤルホテル | 大阪市北区中之島 | 11月14〜15日 | 大阪府警 | 第10号(11月2日) |
| りんくう公園 | 大阪府泉佐野市 | 11月15日 | 大阪府警 | 第10号(11月2日) |
出典: 警察庁「対象特別要人所在施設の指定について」、令和8年警察庁告示第9号・第10号
周辺地域は東雲・豊洲や梅田・北浜まで
告示は、施設の敷地とその周りの「対象施設周辺地域」を、町丁目と地図で定めている。
有明コロシアムの周辺地域は、江東区の有明一〜三丁目、東雲一・二丁目、豊洲六丁目のそれぞれ図面に示す部分。リーガロイヤルホテルの周辺地域は、大阪市の福島区(鷺洲・玉川・野田・福島・吉野の一部)、西区(靱本町・江戸堀・京町堀・土佐堀など)、北区(梅田・堂島・曾根崎新地・中之島など)、中央区(北浜・高麗橋・道修町・伏見町など)に広がる。大阪府警は通報の窓口となる警察署として、大淀・曽根崎・天満・福島・東・西の6署を挙げている。
りんくう公園は、公園の区域に加え、泉佐野市の笠松・羽倉崎・松原・りんくう往来北・りんくう往来南の各一部と、田尻町のりんくうポート北の一部が周辺地域になる。さらに、告示に示した7つの点を結んだ線と海岸線で囲まれた海域も周辺地域に含まれる。海上歓迎の行事が開かれる海の上も、ドローンを飛ばせない範囲に入る。法律は、周辺地域に海域を含めるときは、あらかじめ海上保安庁長官と協議するよう警察庁長官に求めている。
天皇・首相のいる施設を期間を決めて指定
小型無人機等飛行禁止法は、国会議事堂や首相官邸、外国公館、防衛関係施設、空港、原子力事業所などの周辺上空でのドローン飛行を禁じる法律で、2016年に制定された。対象特別要人所在施設は、2026年の法改正で設けられた仕組みで、改正法は7月14日に施行された。
条文では、警察庁長官は天皇または内閣総理大臣の所在する施設のうち、ドローンによる危険を未然に防ぐ必要があると認めるものを指定できる。期間は「天皇又は内閣総理大臣の安全を確保するために必要な期間」を定め、施設の敷地とその周囲おおむね1000メートルを周辺地域とする。指定は官報で告示し、必要がなくなれば直ちに解除する。常設の施設とは違い、行幸や行事の日だけ一時的に区域ができるのが特徴だ。
警察庁の新着情報には、10月だけでも、愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会(10月7日)、よさこい高知文化祭2026(10月14日)に関する指定の発表が並ぶ。今回の2件はこれに続くものとなる。9月の指定はアジア大会の開会式会場と名古屋市内のホテル、19日はドローン禁止 周囲おおむね1000メートルまで 違反は1年以下の拘禁刑で伝えた。
飛ばすには同意と48時間前の通報
指定期間中に周辺地域でドローンを飛ばせるのは、施設の管理者の同意を得た場合や、土地の所有者・占有者またはその同意を得た人が当該土地の上空で飛ばす場合など、法律が定める場合に限られる。そのうえで、飛行を始める48時間前までに、周辺地域を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会に通報しなければならない。警察庁によると、対象特別要人所在施設については e-Gov の電子申請で通報できないため、警察署に所定の様式を直接出すか、メールで送る。
同意の申し出を受ける窓口は、有明コロシアムが有明テニスの森公園クラブハウス、リーガロイヤルホテルが同ホテルのオペレーション総括部、りんくう公園がりんくう公園管理事務所と、警察庁のページに示されている。
違反して飛ばしている人がいれば、警察官は機体を周辺地域の上空から退去させるなど、危険を防ぐための措置を命じることができる。命令に従わないときや、操縦者が現場にいないとき、命じる時間が無いときは、危険を未然に防ぐためにやむを得ない限度で、飛行の妨害や機器の破損などの措置を警察官自らとれる。命令に違反した者は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金となる。
飛行の禁止そのものに違反した場合、施設とその敷地の上空で飛ばせば1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、それ以外の周辺地域の上空でも6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される。指定日は8日と15日が日曜日、14日が土曜日に当たる。周辺で撮影などにドローンを使う予定がある事業者や個人は、警察庁のページに載る図面で範囲を確かめる必要がある。
