SBIホールディングスは11月2日、2026年4〜9月期(中間期)の連結決算(国際会計基準)を発表した。収益は1兆575億1500万円で前年同期比17.2%増、税引前利益は3243億600万円で52.9%増、親会社の所有者に帰属する中間利益は2305億7200万円で39.1%増だった。証券・銀行・保険を束ねる金融サービス事業の税引前利益が前年同期の1.7倍に増えた。一方、暗号資産事業は収益が3割減り、損失が広がった。同社は同日、期末配当予想を1株80円と決め、年間配当は前期より15円多い110円とする見通しを示した。子会社のSBI新生銀行も同日に中間決算を発表し、初めての中間配当を1株10円と決めた。

税引前利益は前年同期の1.5倍

決算短信によると、前年同期の税引前利益は2121億400万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は1658億100万円だった。今期はそれぞれ3243億円、2305億円に増えた。法人所得税などを差し引いた中間利益(非支配持分を含む)は2491億800万円で52.6%増、中間包括利益は2236億4300万円で23.6%増だった。

基本的1株当たり中間利益は356円70銭で、前年同期の263円77銭から増えた。同社は2025年12月1日付で普通株式1株を2株に分割しており、前年同期の数字は分割後の株数に置き直して計算している。

中間期末の資産合計は39兆9628億5300万円で、3月末の38兆2907億9700万円から1兆6720億円増えた。資本合計は2兆5531億8300万円、親会社の所有者に帰属する持分は1兆9450億2600万円で、資産合計に占める比率は3月末の4.7%から4.9%に上がった。

連結の範囲では、SBI貯蓄銀行を中間期中に連結から外した。短信は除外の理由を記していない。

同社は通期の業績予想を出していない。短信は「投資・証券関連事業をはじめとする金融事業全般は、その特性上、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きい」として、四半期ごとの決算を速やかに開示する方針を改めて示した。中間期の決算短信は公認会計士・監査法人のレビューの対象外である。

金融サービス事業が2002億円、暗号資産は損失拡大

同社は事業を5つのセグメントに分けて開示している。各セグメントの収益と税引前利益は次のとおり。

セグメント 収益 前年同期比 税引前利益 前年同期
金融サービス 8297億円 17.3%増 2002億円 1180億円
資産運用 262億円 40.7%増 65億円 35億円
PE投資 1813億円 28.5%増 1531億円 1105億円
暗号資産 231億円 30.1%減 16億円の損失 1億円の損失
次世代 262億円 82.8%増 25億円 22億円
SBIホールディングスのセグメント別業績(2026年4〜9月期。億円未満四捨五入)出典: SBIホールディングス「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」

最も大きいのは、国内外の証券、銀行、保険を中核とする金融サービス事業で、収益は8297億4600万円、税引前利益は2002億3300万円だった。税引前利益は前年同期の1180億2600万円から69.7%増え、連結の税引前利益の6割を占めた。

ベンチャー企業などへの投資を手がけるPE投資事業は、収益が1812億8300万円、税引前利益が1530億8800万円だった。短信は投資先の分野として、IT、フィンテック、AI、量子コンピューター、電力、エネルギー、ブロックチェーン、金融、バイオを挙げている。投資先の評価や売却で利益が出るため、相場の動きによって大きく振れる事業である。

暗号資産の交換業などを担う暗号資産事業は、収益が230億8300万円と前年同期の330億2200万円から30.1%減り、税引前損益は15億9500万円の損失だった。前年同期は1億4700万円の損失で、赤字の幅が広がった。投資信託の運用などを担う資産運用事業は税引前利益が64億9700万円で87.9%増、医薬品・健康食品や再生可能エネルギーなどを含む次世代事業は24億5700万円で12.2%増だった。

期末配当予想80円、年間110円に

同社は同日の取締役会で、9月30日を基準日とする中間配当を1株30円と決めた。7月31日に公表した予想どおりで、株式分割後に置き直した前年同期の20円から10円増える。配当金の総額は193億9500万円、支払いの開始は12月14日を予定する。

あわせて、7月の時点で「未定」としていた期末配当の予想を1株80円とした。前期の期末配当75円から5円増える。中間と合わせた年間配当は110円で、分割後に置き直した前期の95円から15円の増配となる。7月の時点では年間「95円以上」としていた。

同社は配当と自己株式の取得を合わせた総還元額について、2023年3月期から当面の間、金融サービス事業の税引前利益(子会社株式の売却益などの特殊要因を除く)の30%程度を目安にしている。期末配当予想の理由については、配当のお知らせで「金融サービス事業各社の事業の状況や今期の市況見通し等を勘案し」たと説明した。

SBI新生銀行、経常益48%増 配当は年2回に

同じ日、SBIホールディングスを親会社とするSBI新生銀行も中間決算(日本基準)を発表した。経常収益は4520億7500万円で24.1%増、経常利益は921億8200万円で47.6%増だった。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は690億9600万円で、前年同期の693億6600万円から0.4%減った。

経常利益が大きく増えても純利益が伸びなかったのは、税金の差による。損益計算書によると、前年同期は税金の繰り延べに伴う調整(法人税等調整額)で152億8400万円の益が出て、法人税等の合計がマイナス76億6900万円だった。今期の法人税等の合計は236億9200万円の費用となった。

収益の内訳では、貸出金利息が1170億5300万円から1441億2100万円へ、有価証券利息配当金が347億2800万円から729億2500万円へ増えた。支払う側の預金利息も476億2200万円から601億9800万円に増えている。中間期末の貸出金は11兆8449億円、預金は14兆3405億円で、いずれも3月末から増えた。大手行の貸出の伸びは、日銀の統計でも続いている(日銀の貸出・預金動向、9月の銀行貸出は5.3%増の681兆円 預金1.6%増 10月分は11月10日公表)。

同行は6月30日、SBIグループのSBI地銀ホールディングスから島根銀行と福島銀行の株式を買い取り、両行を持分法適用関連会社とした。議決権比率は島根銀行が20.90%、福島銀行が34.19%。取得にあたって計上した負ののれん相当額84億9000万円を、持分法による投資利益に含めた。短信は取得の目的を、SBIグループの「第4のメガバンク構想」における「広域地域プラットフォーマー」の中核銀行として両行との連携を強める、と記している。10月16日には島根銀行が発行するC種優先株式100億円分を引き受ける契約も結び、12月25日に払い込む予定だ。

通期の税金等調整前当期純利益の予想は1320億円で据え置いた。中間期の実績は929億4500万円だった。

SBI新生銀行は9月30日を基準日とする中間配当を1株10円と決めた。配当金の総額は88億6900万円で、効力発生日は12月1日。前期(2026年3月期)は中間配当が無く、期末の42円だけだった。

同行は配当のお知らせで、株主の数が「前回上場時と比べ顕著に増加」したことを挙げ、今期から配当を中間と期末の年2回にしたと説明した。年間配当予想の「42円以上」は変えず、期末配当の予想は「未定」のままとした。

SBIホールディングスは中間期の決算説明会を11月2日に機関投資家・アナリスト向けに開き、資料と動画を同社のホームページに載せるとしている。半期報告書は両社とも11月13日に提出する予定だ。