厚生労働省は10月30日、医療施設動態調査の2026年8月末概数を公表した。全国の病院は7941施設で、前年同月(2025年8月末)の8004施設から63施設減った。病院の病床は144万637床で、1年前の145万6460床から1万5823床減っている。8月末を前月と比べると、病院は1施設減り、病床は44床増えた。一般診療所は10万5754施設で1年前より235施設増えたが、入院用のベッドを持つ「有床診療所」は5183施設から4983施設に減った。

病院は12か月続けて前月を下回る

月ごとの概数を並べると、病院の数は2025年9月末の8001施設から2026年8月末の7941施設まで、12か月すべてで前月を下回った。減り方が最も大きかったのは2026年4月末で、3月末の7968施設から17施設減って7951施設になった。2025年11月末も前月から10施設減っている。ほかの月の減少は1〜7施設で、8月末は前月の7942施設から1施設の減少にとどまった。

病院を種類別にみると、精神病床だけを持つ「精神科病院」は1050施設で、1年前の1052施設から2施設減った。それ以外の「一般病院」は6891施設で、6952施設から61施設減っている。1年間の減少の大半は一般病院で起きた。一般病院のうち療養病床を持つ病院は3246施設だった。再掲の区分のうち「地域医療支援病院」は、1年前の708施設から720施設に増えている。

全国の病院数(各月末の概数)(施設)

7,9207,9407,9607,9808,0008,0208,0047,94125/825/1226/426/8
2か月ごとの月末の値。2025年8月末の8004施設から12か月続けて前月を下回り、2026年8月末は7941施設出典: 厚生労働省「医療施設動態調査」2025年8月末〜2026年8月末概数
数値で見る(単位: 施設)
項目施設
25/88,004
25/107,998
25/127,981
26/27,972
26/47,951
26/67,944
26/87,941

病床は1年で1万5823床減、8月は前月から増加

病院の病床を種類別に1年前と比べると、一般病床は87万2175床から86万2980床へ9195床、精神病床は31万3171床から30万9827床へ3344床、主として長期の療養を必要とする患者を入院させる療養病床は26万5761床から26万2694床へ3067床、それぞれ減った。感染症病床は1949床で変わっていない。

月ごとの減り方には大きな差がある。最も多く減ったのは2025年9月末で、前月から6138床減った。2026年4月末も2286床減っている。8月末は前月から44床増え、2025年9月以降の各月で病床が前月を上回ったのは8月末だけだった。8月末の内訳は、一般病床が349床増えた一方、精神病床が196床、療養病床が75床、結核病床が34床減った。

診療所の病床も減っている。一般診療所の病床は1年前の6万8458床から6万5082床へ3376床減った。病院と診療所を合わせた全国の病床は150万5781床で、1年前の152万4978床から1万9197床少ない。

区分 2025年8月末 2026年8月末 増減
病院 8004施設 7941施設 63減
一般診療所 10万5519施設 10万5754施設 235増
うち有床診療所 5183施設 4983施設 200減
歯科診療所 6万5645施設 6万4940施設 705減
病院の病床 145万6460床 144万637床 1万5823床減
一般診療所の病床 6万8458床 6万5082床 3376床減
医療施設の種類別にみた施設数と病床数(各年8月末の概数)

出典: 厚生労働省「医療施設動態調査」令和7(2025)年8月末概数・令和8(2026)年8月末概数

医療法人が37施設減、31都道府県で減少

開設者別にみると、病院の約7割にあたる5550施設を医療法人が開いている。医療法人の病院は1年前の5587施設から37施設減り、63施設の減少のうち6割近くを占めた。ほかに減ったのは、市町村が開く病院(581施設から574施設)、個人が開く病院(82施設から75施設)、厚生連(95施設から92施設)、都道府県(180施設から179施設)など。地方独立行政法人が開く病院は139施設から140施設に増えた。

都道府県別では、1年前より病院が減ったのは31都道府県で、15県は変わらず、増えたのは茨城県(168施設から169施設)だけだった。減少数が最も多かったのは東京都(626施設から621施設)、大阪府(500施設から495施設)、鹿児島県(229施設から224施設)でそれぞれ5施設。兵庫県、千葉県、福岡県が4施設、北海道と福島県が3施設で続いた。

病院の数が多い都道府県は、東京都の621施設、北海道の515施設、大阪府の495施設、福岡県の438施設の順。最も少ないのは鳥取県の43施設で、島根県の46施設、滋賀県の57施設が続く。

有床診療所は2002年の3分の1を下回る

長い目でみると、減り方が大きいのは有床診療所だ。毎年10月1日現在の数をまとめた年次の調査によると、有床診療所は2002年に1万6178施設あった。2025年は5160施設まで減り、2026年8月末の概数は4983施設で、2002年の3割ほどにあたる。療養病床を持つ一般診療所は、2002年の2675施設から2026年8月末は355施設になった。

診療所全体の数はむしろ増えている。一般診療所は2002年の9万4819施設から2025年は10万5521施設になった。増えたのは入院用のベッドを持たない「無床診療所」で、7万8641施設から10万361施設に増えた。外来だけを診る診療所が増え、入院を受ける診療所が減る形が20年以上続いている。

病院も同じ期間に減った。年次の調査では、2002年の9187施設が2025年は8001施設になり、病院の病床は164万2593床から145万322床に減った。2025年の年次調査の内容は小児科がある病院は2397施設 2008年の2905施設から508減 産婦人科・産科は1230施設で6病院に1つ 病院数は8001で病床は1年に1万9523床減で伝えた。歯科診療所は、年次の調査で2017年の6万8609施設から減り、2026年8月末は6万4940施設だった。

動態調査は開設・廃止の届け出を毎月積み上げる

医療施設動態調査は、医療機関が出す開設や廃止などの申請・届け出をもとに、毎月の施設数と病床数を把握する統計だ。3年ごとに全施設の実態を詳しく調べる「静態調査」の結果を土台に、開設や廃止の状況を順次足し引きして数える。1973年から毎月実施されている。毎月の公表値は概数で、年次の調査で10月1日現在の数がまとまる。

調査の区分では、患者20人以上の入院施設を持つものを「病院」、入院施設を持たないか19人以下の入院施設を持つものを「一般診療所」と呼ぶ。この定義では、病床を19床以下に減らした施設は病院ではなく診療所として数えられる。今回の概数は施設数と病床数の増減を示すもので、廃止や病床削減の理由までは示していない。

厚労省の8月末概数は、2025年8月末からの1年間で病院が63施設、病院の病床が1万5823床減ったことを示した。病院の数は毎月少しずつ減り、入院を受ける診療所は2002年の3分の1を下回った。地域で入院できる場所がどれだけあるかは、都道府県別の表で施設数と病床数を確かめられる。