厚生労働省は23日、10月12日から18日までの第42週の新型コロナウイルス感染症の発生状況を公表した。全国の定点医療機関から報告された患者は3313人で、1医療機関あたり0.89人だった。前週の1.44人(5362人)から減り、全国平均が1人を下回るのは6月中旬の第25週以来、4か月ぶり。昨年同じ週の2.57人(9900人)と比べると、3分の1あまりの水準にとどまっている。

4か月ぶりに1人を下回る

厚労省が毎週公表している資料をさかのぼると、全国平均は第22週(5月25〜31日)の0.36人から増え始め、第25週(6月15〜21日)に0.85人、第26週(6月22〜28日)に1.08人と1人を超えた。7月には第29週(7月13〜19日)の2.12人まで上がり、8月中旬の第33週に1.12人まで下がったあと、再び増えて第38週(9月14〜20日)に2.65人となった。5月末以降で最も高い値だ。

その後は第39週の1.25人、第40週の1.51人、第41週の1.44人と1人台で推移し、第42週に0.89人へ下がった。第26週から第41週まで16週続いた「1人以上」の状態が途切れた形だ。第40週時点の都道府県別や年代別の動きは新型コロナ、全国1.51人 昨年同期の3分の1以下で推移 入院は週258人で伝えた。

新型コロナの定点当たり報告数(全国・第37〜42週)(人)

2026年昨年同期

0.02.55.07.510.02.448.43第37週2.656.93第38週1.255.87第39週1.514.82第40週1.443.72第41週0.892.57第42週
第42週は0.89人で、昨年同期の2.57人を大きく下回った出典: 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況」(10月16日・23日公表)
数値で見る(単位: 人)
項目2026年昨年同期
第37週2.448.43
第38週2.656.93
第39週1.255.87
第40週1.514.82
第41週1.443.72
第42週0.892.57

昨年は同じ時期に8人台から2人台へ下がる局面だった。今年は夏から秋にかけてどの週も3人を超えておらず、第37週以降の各週とも昨年同期を下回っている。

第42週には10月12日の「スポーツの日」が含まれていた(内閣府「国民の祝日」)。同じ週は、インフルエンザの全国平均も第41週の12.81人から9.08人に下がっている。厚労省の資料は、報告数の増減の理由には触れていない。インフルエンザの流行が早い時期から広がった経緯はインフルエンザ2026年第40週、全国11.35人で注意報の目安超え 16都県が10人超・沖縄37.07人で伝えた。

46都道府県で減少、増えたのは島根県だけ

都道府県別では、前週より増えたのは島根県(1.15人→1.35人)だけで、残る46都道府県はいずれも減った。

最も多かったのは埼玉県の1.96人で、山梨県1.85人、長野県1.78人、島根県1.35人、北海道1.32人、千葉県1.26人、群馬県1.24人、神奈川県1.15人、茨城県1.13人、富山県1.04人が続いた。1人を超えたのはこの10道県で、静岡県はちょうど1.00人だった。埼玉、山梨、長野の3県は、第40週から第42週まで続けて全国平均を上回っている。

大都市圏では、東京都が前週の1.61人から0.99人、愛知県が1.21人から0.77人、大阪府が1.12人から0.67人に下がった。報告数では東京都の416人が最も多く、埼玉県343人、神奈川県279人、千葉県228人、北海道218人、大阪府190人だった。

少なかったのは宮崎県の0.11人、熊本県の0.20人、大分県の0.22人、鹿児島県の0.26人、鳥取県の0.31人などだ。九州の7県はいずれも0.5人を下回った。沖縄県は0.95人だった。

子どもの報告が4割を占める

年代別では、第42週の報告数3313人のうち10歳未満が927人、10〜14歳が459人で、合わせて1386人と全体の4割あまりを占めた。年代別の定点当たり報告数は、10歳未満が前週の0.43人から0.25人、10〜14歳が0.26人から0.12人に下がった。

9月中旬の第38週と比べると、10歳未満は1.01人から4分の1に、10〜14歳は0.55人から5分の1あまりになった。20歳以上の各年代は第38週の0.09〜0.15人から第42週の0.05〜0.08人へ、いずれも小幅に下がっている。

定点当たり報告数は、1週間に報告された患者数を定点医療機関の数で割った平均値だ。新型コロナは2023年5月8日に感染症法上の5類感染症へ移り、すべての患者を数える全数把握から、都道府県が指定した医療機関の報告で動きをつかむ定点把握に切り替わった。厚労省の資料は、2025年4月7日に急性呼吸器感染症(ARI)のサーベイランスが始まり、定点医療機関の設置基準が変わって定点の数も変わったとして、それより前の年と比べるときには解釈に注意が必要だと注記している。

入院は週225人、6割近くが70歳以上

全国約500か所の基幹定点医療機関から届け出があった新型コロナによる入院患者は、第42週に225人だった。第38週から順に321人、258人、255人、241人と、外来の報告数ほど大きくは動かず、緩やかに減っている。第40週の入院は、10月9日の公表時点では258人だったが、今回の資料では255人となっている。

第42週の225人を年代別に見ると、80歳以上が76人、70歳代が53人で、合わせて129人と6割近くを占めた。10歳未満は1歳未満15人、1〜4歳22人、5〜9歳10人の計47人だった。集中治療室(ICU)に入った人は6人、人工呼吸器を使った人は6人だった。

2025年12月29日以降に入院した人の届け出数の累計は1万5563人に上る。このうち80歳以上が6629人、70歳代が3642人で、合わせて1万271人と全体の3分の2を占める。月別では1月が3444人、2月が3503人と多く、5月の507人まで減ったあと、8月に1409人、9月に1110人と夏に再び増えた。10月は18日までで466人だった。

期間 入院患者の届け出数 うち70歳以上
第38週(9月14〜20日) 321人 172人
第39週(9月21〜27日) 258人 164人
第40週(9月28日〜10月4日) 255人 150人
第41週(10月5〜11日) 241人 151人
第42週(10月12〜18日) 225人 129人
基幹定点医療機関からの新型コロナによる入院患者の届け出数(週別)

出典: 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況」(10月23日公表)

定期接種は10月から、次回公表は30日

厚労省の「新型コロナワクチンについて」のページによると、新型コロナワクチンの定期接種は2026年10月から自治体が実施している。対象は65歳以上の人と、60〜64歳で心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害があり身の回りの生活が極度に制限される人、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能の障害で日常生活がほとんど不可能な人だ。費用は原則有料となっている。

厚労省は同じページで、令和7年度(2025年度)に新型コロナで亡くなった人は約2万1500人で、そのうち65歳以上が98%、80歳以上が81%を占めたと示している。高齢者は重症化リスクが高く、年齢が高いほど疾病負荷が高いとして、高齢者施設の入所者などへの定期接種の機会を確保することが重要だとの考えを示した。第42週の入院でも70歳以上が6割近くを占めており、外来の報告数が下がっても、入院の中心が高齢者である構図は変わっていない。

外来の報告数は4か月ぶりに1人を下回ったが、今年の入院の届け出は1月が3444人、2月が3503人と、いずれも9月の3倍を超えていた。厚労省は第43週(10月19〜25日)分を30日に公表する予定だ。