厚生労働省は23日、10月12日から18日までの第42週のインフルエンザ発生状況を公表した。全国の定点医療機関から報告された患者は3万3864人で、1医療機関あたり9.08人だった。前週の12.81人から下がり、注意報レベルの目安とされる10人を3週ぶりに下回った。昨年同じ週は3.26人で、なお約2.8倍の水準にある。

第41週の12.81人から下がる

今シーズンの集計は8月31日からの第36週に始まった。全国の定点当たり報告数は、第36週の3.29人から第37週5.54人、第38週8.48人と増えた。第39週に7.17人へいったん下がったあと、第40週11.35人、第41週12.81人と2週続けて10人を上回り、第41週が今シーズンで最も多かった。第42週の9.08人は、第40週の水準も下回る。

報告された患者数でみると、第41週の4万7746人から第42週は3万3864人に減った。昨年の同じ週は1万2576人だった。

インフルエンザの定点当たり報告数(全国)(人)

今季昨年同期

-50510153.2912.819.080.503.26第36週第38週第40週第42週
出典: 厚生労働省「インフルエンザの発生状況について」(第36週・第42週)
数値で見る(単位: 人)
項目今季昨年同期
第36週3.290.50
第37週5.540.72
第38週8.480.80
第39週7.171.04
第40週11.351.56
第41週12.812.36
第42週9.083.26

昨年は第36週の0.50人から第42週の3.26人まで、毎週少しずつ増えてきた。今年は立ち上がりが早く、週ごとの上下も大きい。

定点当たり報告数には目安がある。1.00人を上回ると流行期に入ったと考えられ、10人が注意報レベル、30人が警報レベルの開始基準値とされる。大阪府感染症情報センターなどが目安として公表している値で、同センターは、国が定点数の設計を変えた2025年4月7日より前のデータに基づくものなので目安として扱うよう求めている。

第42週には10月12日のスポーツの日が含まれる。いったん下がった第39週にも、9月21日の敬老の日、22日の休日、23日の秋分の日と休みが3日あった。厚労省の資料は、第42週に報告数が減った理由には触れていない。厚労省の総合ページは、日本でのインフルエンザの流行シーズンを「例年12月~3月」としている。9月上旬の立ち上がりはインフルエンザ、9月初旬で全国3.29人 昨年同期の6.6倍 沖縄は注意報の水準、学級閉鎖など167施設で伝えた。

10人超は12道県、沖縄は30人を割る

都道府県別で定点当たり10人を上回ったのは、第40週の16都県から第41週は29都道府県に広がり、第42週は12道県に減った。第41週に15.88人だった東京都は9.16人、21.60人だった神奈川県は10.92人、11.47人だった愛知県は7.83人になった。

最も多いのは沖縄県の19.68人だった。第39週の42.50人から37.07人、31.34人、19.68人と3週続けて下がり、警報レベルの開始基準値30人を第38週以来4週ぶりに下回った。

沖縄県に次いで多いのは、埼玉県15.39人、北海道12.32人、長崎県12.28人、千葉県12.20人、岩手県12.07人だった。神奈川県10.92人、石川県10.85人、富山県10.42人、熊本県10.27人、新潟県10.11人、兵庫県10.05人も10人を超えた。北海道は第41週の16.21人から下がったものの、第39週の4.52人からみると高い水準が続く。

一方で、前週より増えたのは5県あった。青森県は8.37人から9.58人、長野県は7.84人から8.28人、福井県は7.49人から7.85人、島根県は6.55人から7.30人、香川県は3.78人から4.04人になった。最も少なかったのは鳥取県の3.76人で、香川県4.04人、岡山県4.28人、和歌山県4.29人、広島県4.48人が続いた。第40週までの動きはインフルエンザ2026年第40週、全国11.35人で注意報の目安超え 16都県が10人超・沖縄37.07人で伝えた。

入院983人、80歳以上が3分の1

全国約500か所の基幹定点医療機関から届け出られたインフルエンザによる入院患者は、第42週に983人だった。第38週752人、第39週861人、第40週998人と増え、第41週は1133人で今シーズン最多だった。第42週は今シーズン初めて前週を下回った。数値は第42週の資料に載った値で、前週の資料で1123人だった第41週は1133人に改められている。8月31日以降の累計は5490人になった。

第42週の入院患者を年齢別にみると、80歳以上が339人で全体の約3分の1を占め、70〜79歳が167人、60〜69歳が70人で続いた。子どもでは5〜9歳が122人、1〜4歳が100人、10〜14歳が56人、1歳未満が38人だった。1歳未満の38人は、今シーズンの週ごとの数で最も多い。

入院時に集中治療室(ICU)に入ったのは38人、人工呼吸器を使ったのは21人だった。8月31日以降の累計では、ICU入室が236人、人工呼吸器の利用が140人に上る。ICU入室を年齢別にみると、5〜9歳37人、1〜4歳31人、10〜14歳14人、1歳未満2人で、14歳以下を合わせると84人と全体の3分の1を超える。80歳以上は42人、60〜69歳は41人、70〜79歳は36人だった。

頭部CT検査、頭部MRI検査、脳波検査のいずれかを実施した(予定を含む)入院患者は第42週に106人、累計で683人だった。これは検査を実施した人数で、急性脳症と診断された人数ではない。厚労省の総合ページは、インフルエンザについて「こどもではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している方は細菌による肺炎を伴う等、重症になることがある」と説明している。

学級閉鎖などは982施設、昨年同期の2.6倍

保育所や幼稚園、小学校、中学校、高校で休校や学年閉鎖、学級閉鎖をとった施設は、第42週に982施設だった。内訳は休校29、学年閉鎖195、学級閉鎖758。施設の種類別では小学校が627で最も多く、中学校244、高校50、幼稚園43、保育所12、その他6だった。措置をとる直前の時点で、これらの学校や学級にいた患者は1万3150人だった。

週ごとの施設数は、第40週の937から第41週は1703に増えて今シーズン最多となり、第42週は982に減った。8月31日以降の累計は5869施設。昨年の同じ週(2025年10月13日〜19日)は373施設、措置直前の患者は5750人で、今年は施設数で約2.6倍、患者数で約2.3倍にあたる。

都道府県別の施設数は東京都の101が最も多く、大阪府93、千葉県67、埼玉県64、兵庫県45が続いた。大阪府の定点当たり報告数は6.35人で、全国平均を下回っている。保育所に通う子どもの登園再開の扱いについては、こども家庭庁が改訂を進めるガイドライン案で、医師の意見書から保護者の登園届に切り替える見直しが示されている(保育所の感染症ガイドライン、8年ぶり改訂へ インフルとコロナの登園再開は医師の意見書から保護者の登園届に)。

第43週分は30日に公表

厚労省は、10月19日から25日までの第43週分を30日に公表する予定だ。第39週のように一度下がった後に再び増えた例が今シーズンにもあり、第42週の減少が続くかどうかは次の週以降の数字で確かめる必要がある。

厚労省は日常の予防策として、外出後の手洗い、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養、人混みや繁華街への外出を控えること、こまめな換気を挙げている。65歳以上の人と、60〜64歳で一定の基礎疾患がある人は、インフルエンザワクチンを定期の予防接種として毎年1回受けられる。