総務省は10月20日、2026年(令和8年)分の政党交付金の10月分として、11の政党に合計78億8412万9750円を交付した。1年分として4月8日に決まっていた交付額は315億3651万9000円で、4月と7月の2回でその半分の157億6825万9500円が交付済みだった。10月分はその残りの2分の1に当たる。

最も多かったのは自由民主党の38億4087万4000円で、11党の交付額の48.7%を占めた。最も少なかったのは社会民主党の5799万750円だった。9月に所属議員の大半が新党結成と公明党への復党で抜けた中道改革連合も、10月1日に請求書を提出し、5億8470万3000円を受け取っている。

自民が38億4087万円、社民が5799万円 党別の交付額

総務省が公表した資料によると、党別の10月分の交付額と、年間の交付決定額、請求書の提出日は次のとおりだった。記載順は年間の交付決定額の多い順である。

政党 10月20日の交付額 2026年分の交付決定額 請求書の提出日
自由民主党 38億4087万4000円 153億6349万6000円 10月1日
立憲民主党 7億7974万7500円 31億1899万円 10月2日
日本維新の会 7億393万6000円 28億1574万4000円 10月8日
国民民主党 6億7886万3500円 27億1545万4000円 10月6日
中道改革連合 5億8470万3000円 23億3881万2000円 10月1日
参政党 4億9726万7750円 19億8907万1000円 10月7日
公明党 3億4952万2500円 13億9809万円 10月2日
いのちの党 1億7536万4500円 7億145万8000円 10月13日
チームみらい 1億4207万4250円 5億6829万7000円 10月8日
日本保守党 7378万6000円 2億9514万4000円 10月8日
社会民主党 5799万750円 2億3196万3000円 10月6日
2026年分政党交付金の10月分交付額と年間の交付決定額出典: 総務省「令和8年分政党交付金の10月分の請求及び交付額」(2026年10月20日)

請求書の提出日は10月1日から13日まで分かれた。最も早かったのは自由民主党と中道改革連合の10月1日、最も遅かったのはいのちの党の10月13日である。いのちの党は、8月6日に「れいわ新選組」から名称を変更した。4月8日の交付決定の時点では「れいわ新選組」として7億145万8000円が決まっており、党名が変わっても交付決定額は引き継がれている。

年4回に分けて交付 10月分は「残りの2分の1」

政党交付金は年に1回まとめて渡されるのではない。政党助成法第11条は、交付の時期を4月、7月、10月、12月の4回と定め、各回に交付する額の計算方法まで条文で決めている。

4月分は、その年の交付決定額の4分の1である。7月分は、交付決定額から4月までに交付した額を差し引いた残額の3分の1。10月分は同じように計算した残額の2分の1で、12月分は最後に残った全額となる。

今回の数字をこの順に当てはめると、315億3651万9000円の4分の1が4月分の78億8412万9750円、残り236億5238万9250円の3分の1が7月分の78億8412万9750円となり、2回の合計が交付決定額のちょうど半分の157億6825万9500円になる。10月分は残った157億6825万9500円の2分の1で、78億8412万9750円。結果として4月から12月まで4回とも同じ額が交付される形になる。分数が回ごとに変わるのは、残額に対する割合で書いても毎回同じ額になるように条文が組まれているためだ。

この仕組みのため、年の途中で政党の事情が変わっても、その年の交付決定額そのものは動かない。交付決定額は基準日(通常は1月1日)現在の届出に基づいて算定され、総選挙があった年はその選挙基準日で再算定される。

総額の基準は人口に250円を掛けた額 2026年分は315億円

政党交付金の総額は、政党の側が決めるものではない。政党助成法第7条は、総額を「基準日における人口に250円を乗じて得た額を基準として予算で定める」と規定している。人口には、基準日の直近に官報で公示された国勢調査の結果による確定数を使う。

総務省の「政党助成制度のあらまし」は、2020年(令和2年)の国勢調査人口1億2614万6099人を使った計算例として「250円×1億2614万6099人=315億3652万5000円」を示している。2026年分の交付決定額の合計315億3651万9000円は、この水準にほぼ一致する。2025年(令和7年)分の交付額の合計は315億3652万2000円で、2026年分はこれを3000円下回った。総額がほぼ動かないのは、基準となる国勢調査人口が5年に1度しか更新されないためだ。

言い換えれば、政党交付金は国民1人当たり250円を基準に集められた税金である。政党助成法第4条2項は、政党交付金が「国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるもの」であることに留意し、組織と運営を民主的かつ公正なものとするよう政党に求めている。

議員数割と得票数割が半分ずつ 2月の総選挙で配分が組み替わった

総額の315億円を各党にどう割り振るかは、政党助成法第3条2項と第8条が定めている。政党交付金は「議員数割」と「得票数割」の2つで構成され、総額の2分の1を議員数割、残りの2分の1を得票数割として計算し、両者を足した額が各党への交付額になる。

議員数割は、議員数割の総額に、その党に所属する衆参両院の議員数を全届出政党の議員数の合計で割った割合を掛けて算出する。得票数割は、得票数割の総額を4等分し、衆院選の小選挙区、衆院選の比例代表、参院選の比例代表、参院選の選挙区という4つの選挙の得票割合をそれぞれ掛けて合計する。参院選の分は前回と前々回の平均を使う。

2026年分は、2月8日に第51回衆議院議員総選挙が執行されたことに伴い、選挙基準日の2月9日現在の届出に基づいて再算定された。その結果、2025年分の交付額と比べて党ごとの配分は大きく動いた。

政党交付金の交付額(2025年分)と交付決定額(2026年分)(億円)

2025年分2026年分

050100150200131.62153.63自民80.1731.19立憲31.6028.16維新22.3527.15国民9.1519.89参政25.0413.98公明
2026年2月の衆院総選挙を受けて再算定された額。交付決定額の多い6党を示した。いのちの党・チームみらい・日本保守党・社会民主党の額は本文に記した。中道改革連合は2025年分の交付がなく比較できない出典: 総務省「令和8年分政党交付金の交付決定」(2026年4月8日)
数値で見る(単位: 億円)
項目2025年分2026年分
自民131.62153.63
立憲80.1731.19
維新31.6028.16
国民22.3527.15
参政9.1519.89
公明25.0413.98

増えたのは自由民主党で、2025年分の131億6242万9000円から153億6349万6000円になった。参政党は9億1468万4000円から19億8907万1000円へ、チームみらいは4819万1000円から5億6829万7000円へ、国民民主党は22億3470万3000円から27億1545万4000円へ、日本保守党は2億4706万円から2億9514万4000円へ増えた。ただしチームみらいは2025年中に新たに政党要件を満たした政党で、総務省資料の注記によると2025年分の4819万1000円は、2025年9月12日の交付決定を受けて交付された10月分と12月分のみの実績額である。

減ったのは立憲民主党で、80億1709万3000円から31億1899万円になった。公明党は25億384万9000円から13億9809万円へ、いのちの党(当時はれいわ新選組)は9億6540万5000円から7億145万8000円へ、日本維新の会は31億6021万8000円から28億1574万4000円へ、社会民主党は2億8289万円から2億3196万3000円へ減っている。中道改革連合は2025年分の交付がなく、2026年分で23億3881万2000円が新たに決まった。

交付額が大きく減った政党は、党の運営そのものを組み替える必要に迫られる。立憲民主党は、立憲民主党、議員と県連への交付金を4割削減 党本部は9階のみに 政党交付金は80億円から31億円へで伝えたとおり、党内への配分の見直しに踏み込んだ。

請求書を出さなければ交付されない 中道改革連合は10月1日に提出

交付決定額が決まっていても、政党が黙っていれば金は動かない。政党助成法第11条2項は、政党交付金の交付を受けようとするときは総務大臣に請求書を提出しなければならないと定め、同条3項は請求書を提出しない政党には交付しないとしている。つまり各回の交付は、政党側の請求という能動的な行為を前提にしている。

この条文が実際に意味を持ったのが中道改革連合である。同党は9月、所属議員の大半が新党結成と公明党への復党に動き、党としての規模が大きく変わった。残る交付金を請求するかどうかが問われていた経緯は中道改革連合の政党交付金、残る11億円は請求するな 10月と12月分は請求書を出さなければ交付されないで伝えている。

今回の総務省の資料は、中道改革連合が10月1日に請求書を提出し、10月20日に5億8470万3000円の交付を受けたことを示している。提出日は11党のうち自由民主党と並んで最も早かった。同党の2026年分の交付決定額23億3881万2000円は、4月8日の交付決定のまま変わっていない。

なお政党助成法第23条は、政党の分割が行われた場合について、分割によって解散する政党に交付すべき交付金を、分割で設立された政治団体に対し、それぞれに移った所属議員数の比で按分して交付すると定めている。この規定が適用されるには、分割政党の設立日の翌日から15日以内の届出が必要になる。今回の資料で中道改革連合の名称と交付決定額がそのまま残っていることは、同党が解散していないことを示している。

残りの78億8412万円は12月に 使途は制限されない

10月分の交付を終えた時点で、2026年分の交付決定額315億3651万9000円のうち、交付済みは236億5238万9250円となった。残るのは78億8412万9750円で、政党助成法第11条の規定どおり12月の交付時期に全額が交付される。10月分と同額である。

交付された金の使い方について、政党助成法第4条1項は、国は政党の政治活動の自由を尊重し、交付に当たって条件を付けたり使途を制限したりしてはならないと定めている。代わりに置かれているのが事後の報告だ。各政党は12月31日現在で政党交付金の使途等報告書を作成して総務大臣に提出し、報告書はインターネットで公表される。総務省の「政党助成制度のあらまし」は、使途の適否は報告を通じて国民の前に明らかにし、国民の監視と批判にまつ仕組みだと説明している。

前年分の報告がどう出たかは、政党交付金の使い道、2025年分の支出は357億円 宣伝事業費が2.3倍の102億円に、支部は2割減で伝えた。2026年分の使途は、来年の報告書で明らかになる。

総務大臣は毎年12月31日現在で、その年に交付した政党交付金の総額と各党への交付額を告示することが政党助成法で義務付けられている。2026年分の最終的な交付額が確定するのは、12月分の交付を終えた後になる。