立憲民主党の田名部匡代幹事長は9月30日、両院議員総会や全国幹事長会議などを終えた後に党本部で記者会見を開き、厳しい党財政を受けた党改革案を明らかにした。国会議員に配る議員交付金と都道府県連への交付金を4割削減し、党本部は9階だけを残して退去する。田名部幹事長は「これまでと同じような支出はもう続けられない。思い切った改革が必要になった」と説明した。
議員交付金と都道府県連交付金を4割削減、党本部は1フロアに
党が公表した会見の内容によると、まず国会議員への議員交付金と都道府県連への交付金を4割カットする。削減の対象は党の公表文で「2025年交付分から」とされている。議員交付金は、政党が所属議員の活動費に充てるために党本部から配る資金で、各議員の事務所経費や政策活動の原資になる。都道府県連への交付金も、地方組織の人件費や事務所維持費を支えてきた。
固定費の削減では、党本部について「9階を残して退去する」とした。来年2月末までに1フロアへ集約することとし、田名部幹事長は「これが最善の方法だと執行部で確認した」と述べた。あわせて既定経費の節減を徹底する方針も示した。
一方、収入を確保する取り組みとして「党員・協力党員の党費はこのままでいいのかどうか、また、これまでパーティー自粛をしてきたけれども、収入につながる見込みを立ててやっていかなければならない」と語り、党費の見直しと政治資金パーティーの再開を検討していることを明らかにした。
政党交付金は80億円から31億円へ、48億9810万円の減
削減の理由は政党交付金の急減である。総務省が令和8年4月8日に交付決定した令和8年分の政党交付金のうち、立憲民主党の額は31億1899万円だった。令和7年分の80億1709万3000円から48億9810万3000円減り、減少率は61.10%にのぼる。全体に占める比率も25.42%から9.89%へ下がり、党別の順位は自民党(153億6349万6000円)に次ぐ2番目ながら、3番目の日本維新の会(28億1574万4000円)との差は3億円余りに縮まった。
政党交付金の総額そのものは、ほとんど動かない。政党交付金の使い道、2025年分の支出は357億7159万円で3.0%減 本部の政治活動費は23.4%増・支部は24.7%減 総額315億円は「人口×250円」でほぼ固定のとおり、政党助成法7条1項が総額を「人口に二百五十円を乗じて得た額を基準として予算で定める」と規定しているためで、令和8年分の交付決定額の合計は315億3651万9000円だった。総額が固定される一方で、党ごとの取り分は選挙と議員の移動で大きく入れ替わる。
半分は「議員数割」、衆院の会派一覧に立憲の名はない
配分の仕組みは総務省の「政党助成制度のあらまし」が説明している。政党交付金は議員数割と得票数割で構成され、総額の2分の1を所属する衆参両院の議員数に応じて、残る2分の1を直近の総選挙または参院通常選挙の得票数に応じて配る。算定の基礎になるのは、各政党が毎年1月1日(基準日)現在で総務大臣に出す届出である。
立憲民主党の場合、この議員数割が崩れた。衆議院が公表する会派名及び会派別所属議員数(令和8年9月28日現在)には、自民315人、中道47人、維新36人、国民28人、参政15人、みらい11人、共産4人、志士2人、無所属6人、欠員1人が並ぶが、立憲民主党の会派はない。参議院では会派「立憲民主・無所属」が39人で、自民の101人に次ぐ規模を保っている(令和8年10月2日現在)。衆参でこれだけ落差が開いた状況は、立憲・水岡代表「衆院、参院両方が存在をする党を目指していく」 時期は「来年の統一自治体選以降」 いま衆院に所属議員はおらず、参院は39人でも党の代表自身が課題として挙げていた。
減り方は令和9年分でさらに進む
田名部幹事長は、改革の背景に「多数の衆院議員が離党して新党で戦ったことにより、来年以降に受け取る政党交付金が現在の人数分に激減する」という財政事情があると説明した。これは算定のルールに沿った見通しである。総務省の説明によると、総選挙が行われた年は、1月1日現在の届出に基づく額の月割額に1月から選挙基準日の属する月までの月数を掛けた額と、選挙基準日現在の届出に基づく額の月割額に残りの月数を掛けた額を合計して交付額を決める。
2月8日に執行された第51回衆議院議員総選挙の選挙基準日は翌日の2月9日だったため、令和8年分は1月分と2月分の2か月が総選挙前の届出に基づく額で算定され、残る10か月が総選挙後の届出に基づく額で算定されている。令和9年分は12か月すべてが総選挙後の勢力を前提に算定されることになり、交付決定は令和9年の予算成立後になる。
交付は年4回で、4月に算定額の4分の1、7月に残額の3分の1、10月に残額の2分の1、12月に残りが支払われる。請求期限は原則として各月の10日で、交付日は20日である。10月と12月の交付をどうするかは、各党が請求書を出すかどうかで決まる。
田名部幹事長は、衆院議員が離党して結成した新党「民主改革の会」との連携について「これからどういう連携をしていくか、丁寧に話をしていかなければならない」と述べ、「民主改革の会、公明党のみならず、野党として結集できることがあれば、われわれはそのために汗を流したい」と語った。離党した議員から再び立憲民主党での活動を望む声が出ていることについては「立憲で戦いたいと言ってくれる仲間がいることは本当に心強い」とした上で、「どうすることが一番良い形での結集になるのか、協議していかなければならない」と述べた。
