財務省が10月1日に公表した令和8年度8月末の租税及び印紙収入によると、揮発油税の収入は8月末までの累計で2402億1500万円となり、前年同期の4906億4200万円に対して49.0%だった。8月の1か月分は822億8200万円で、前年8月の1599億2400万円の51.5%である。令和7年12月31日にガソリンの暫定税率が廃止され、税率が本則に戻ったことが税収の数字に表れた。

1リットルあたり25.1円の上乗せがなくなった

国税庁は、令和7年12月の租税特別措置法改正で揮発油税と地方揮発油税の特例税率が廃止され、同年12月31日から本則税率になったと説明している。1キロリットルあたりの税率は、揮発油税が4万8600円から2万4300円へ、地方揮発油税が5200円から4400円へ変わった。2つを合わせると5万3800円から2万8700円で、1リットルに置き換えると53.8円から28.7円へ25.1円下がった計算になる。沖縄県内の製造場から出る揮発油は軽減されており、4万6800円から2万4900円になった。

国の揮発油税は税率がほぼ半分になり、地方揮発油税は15.4%下がっただけである。この差がそのまま収入に出た。地方揮発油税の8月末累計は437億3300万円で、前年同期の524億9700万円の87.1%だった。揮発油税が半減した一方、地方の分は1割強しか減っていない。

予算の組み方にも差が出ている。揮発油税の令和8年度予算額は9720億円で、前年度決算額1兆8479億4800万円の52.6%にあたる。8月末までの収入は予算額に対して24.7%の進捗で、前年同期の26.6%をやや下回っている。

税収全体は13.5%増、法人税は133.1%

一般会計分の税収は8月末までの累計で19兆1901億500万円となり、前年同期の16兆9101億800万円に対して113.5%だった。予算額83兆7350億円に対する進捗割合は22.9%で、前年同期の20.1%を上回っている。

税目別では、法人税が2兆1295億400万円で前年同期の133.1%、消費税が4兆3431億500万円で114.4%、源泉所得税が9兆2781億5800万円で118.5%と伸びた。前年同期を下回ったのは、揮発油税のほかにたばこ税(80.4%)、石油石炭税(88.4%)、石油ガス税(92.4%)、電源開発促進税(96.9%)、印紙収入(96.0%)などである。

消費税の令和8年度予算額は26兆6880億円で、一般会計分の税収では最も大きい。この消費税のうち飲食料品の税率を引き下げる準備にいくら使うかについては、予備費1118億円の使用を9月29日に閣議決定 食料品の消費税1%引き下げの準備に781億円、就業者負担軽減支援金の準備に327億円 残額は7171億円で伝えた。

防衛財源の2税は実績がほぼゼロ

防衛費の財源にあてるために新たに作られた2つの税は、8月末時点でほとんど入っていない。

防衛特別法人税は予算額5760億円に対し、8月分が0円、8月末までの累計が400万円で、進捗割合は0.0%だった。財務省の資料によると、この税は法人税額に対する税率4%の付加税で、課税標準となる法人税額から500万円を控除する。適用されるのは令和8年4月1日以後に開始する事業年度からである。

防衛特別所得税は予算額380億円が計上されているが、8月分・累計とも実績欄は空欄のままだ。国税庁の説明では、源泉徴収義務者が所得税を徴収する際に、その1%相当額を防衛特別所得税として併せて徴収する仕組みで、令和9年1月1日以後に生ずる所得から適用される。同時に復興特別所得税の税率は2.1%から1.1%に下がり、課税期間は令和29年12月31日まで10年延長された。合計2.1%は変わらないため、源泉徴収額の計算方法は改正の前後で変わらない。

この2税が支える防衛費そのものの規模と国際比較は、日本の国防費は892億ドル、対GDP比1.28% 主要9か国で下から2番目 一人当たりは約7万円で米国の3分の1以下 令和8年版防衛白書で伝えた。2税のうち、家計が負担する防衛特別所得税の徴収が始まるのは令和9年1月1日からで、同じ日に復興特別所得税の税率が1.1%へ下がる。