内閣官房内閣人事局がまとめた資料「国家公務員の給与(令和8年版)」によると、2026年度予算に計上された国家公務員の人件費は5兆6691億円だった。2025年度の5兆4833億円より1857億円多い。地方公務員の人件費24.0兆円を足した公務員全体の人件費は29.7兆円で、2025年度の26.5兆円から3.2兆円増えた。

人数は国家公務員が58.7万人、地方公務員が234.0万人で、合わせて292万7000人。国家公務員は2025年度の58.5万人から0.2万人、地方公務員は232.7万人から1.4万人それぞれ増えた。

増えた1857億円の内訳と、この数字に入らないお金

国家公務員の人件費が1857億円増えた内訳は、職員の俸給が659億円、期末手当・勤勉手当(ボーナス)が395億円、退職手当が319億円、国家公務員共済組合負担金が149億円の増加だ。内閣人事局は、2025年11月11日に閣議決定した給与改定と、国家公務員の定年引き上げを反映したと説明している。

ここでいう「国家公務員の人件費」は一般会計と特別会計を足して重複を除いた金額で、国が払う人件費のすべてではない。国会議員の歳費や、公立小中学校の教職員給与を国が3分の1負担する義務教育費国庫負担金などは含まれていない。それらを加えた「国が負担する人件費」は9兆4758億円で、2025年度より3650億円多い。

5兆6691億円の中身は、給与そのものにあたる給与費が4兆2986億円、共済組合負担金などが9284億円、退職手当が3633億円、その他788億円である。

58.7万人の半分近くは自衛官 地方は会計年度任用職員の移し替えで24兆円に

国家公務員58.7万人(2026年度末定員)の内訳は、各省庁などの行政機関が30.8万人で3.3兆円、自衛官と特別機関などが27.9万人で2.4兆円。特別機関などの側は自衛官24.7万人、裁判所2.5万人、国会0.4万人などで構成され、人数では自衛官が国家公務員全体の4割強を占める。

地方公務員の人件費24.0兆円は、2025年度の21.0兆円から3.0兆円増えた。ただしこの増加分のうち2.0兆円は、1年以内の任期で自治体に雇われる「会計年度任用職員」の経費を別の費目から給与関係経費へ移し替えたことによるもので、新たに払う金額が増えたわけではない。国と地方を合わせた29.7兆円の3.2兆円増も、この移し替え分を含んだ数字である。

定員は2009年度以来の多さ 郵政と国立大学の法人化で大きく減った

行政機関の年度末定員は30万8197人で、2025年度の30万6090人より2107人多い。2009年度の30万9954人以来、17年ぶりの水準となる。この定員には都道府県警察の警視正以上にあたる地方警務官を含み、自衛官は含まない。

長い目で見ると、行政機関の定員は2000年度の84万903人から大きく減っている。2003年度に日本郵政公社が発足して28.6万人が外れ、2004年度には国立大学の法人化で13.3万人が減り、33万2843人になった。人件費予算も2000年度の10兆3467億円から2004年度の5兆4774億円へ半分近くに縮んだ。以降は5兆円台前半で推移し、2026年度の5兆6691億円は国立大学法人化後で最も多い。

この予算に今年8月の勧告分はまだ入っていない

2026年度予算が反映しているのは、2025年8月7日の人事院勧告を受けて同年11月11日に閣議決定された給与改定である。人事院は今年8月7日に新たな勧告を出しており、その分はまだ反映されていない。

今年の勧告は、民間企業の給与との差1万5056円(3.51%)を埋めるため、行政職俸給表(一)を平均3.3%引き上げる内容だ。1級が4.0%、5級から10級が3.0%と、役職の低い層ほど改定率が高い。初任給は一律9500円上げ、総合職の大卒が25万1500円、一般職の大卒が24万1500円、一般職の高卒が20万9800円になる。ボーナスは年間4.65か月分から4.70か月分へ0.05か月分引き上げ、6月期と12月期の期末手当・勤勉手当にそれぞれ0.025か月分ずつ配分する。

国家公務員は労働基本権が制約されている代わりに、人事院が民間給与を調べて勧告する仕組みになっている。勧告はそのまま給与になるわけではなく、政府が給与関係閣僚会議で協議して取り扱い方針を閣議決定し、給与法の改正案を国会に出して成立させる必要がある。昨年は8月7日の勧告に対し、11月11日に取り扱い方針を閣議決定、12月8日に法案を閣議決定して第219回臨時国会に提出し、12月16日に成立した。今年の勧告が法律になれば、その分の人件費は2026年度予算の5兆6691億円に上乗せされる。