総務省統計局が令和8年9月29日に公表した令和7年国勢調査の人口等基本集計で、富山市の人口が39万9197人だったことが確定した。令和2年の41万3938人から1万4741人減り、40万人を下回った。減少率は3.56%。減少数は富山県内15市町村で最も大きく、県全体の減少数5万2667人のうち28.0%を富山市が占める。

確定値は速報より2936人少なかった

富山県経営管理部統計調査課が令和8年4月28日に公表した「令和7年国勢調査人口速報(富山県分)」では、富山市の人口は40万2133人(男19万7015人、女20万5118人)、世帯数は17万7186世帯としていた。今回の確定値は人口が2936人、世帯数が1668世帯少ない。県の資料は「総務省統計局が公表する人口速報集計とは、数値が相違する場合がある」と注記していた。速報の段階では40万人台を保っていたが、確定値で40万の線を割った。

確定値の内訳は男19万5482人、女20万3715人。女性100人に対する男性の数を示す人口性比は95.96で、令和2年の95.57から上がった。面積は国土地理院「令和7年全国都道府県市区町村別面積調」による1241.70平方キロメートルで、人口密度は1平方キロメートルあたり321.5人。令和2年の333.4人から下がった。世帯の種類別では、ふつうの住居に住む一般世帯が17万5113、寮や病院などの施設等の世帯が405だった。

減少ペースは前回5年間の3.1倍

富山市の人口は平成27年(2015年)が41万8686人、令和2年が41万3938人で、この5年間の減少は4748人(1.13%)にとどまっていた。今回の1万4741人減は、減少数で3.1倍、減少率でも3.1倍に当たる。5年を1区切りにした国勢調査でみて、減り方がはっきり速まったことになる。

富山県全体は98万2147人で、令和2年の103万4814人から5万2667人(5.09%)減った。全国は1億2297万2528人で、317万3571人(2.52%)の減少だった。全国の数値は日本の人口は2026年9月時点で1億2265万人 1年間で54万人減 2025年国勢調査の実測は1億2297万2528人で、推計より24万6496人少なかったで報じた実測値と同じものだ。富山市の減少率3.56%は県全体の5.09%より小さく、県内で人口が最も多い自治体に人が集まる形は続いている。県人口のうち富山市に住む割合は40.6%だった。

県内で人口が増えたのは舟橋村だけで、3132人から3274人へ142人(4.53%)増えた。減少率が最も大きいのは朝日町の13.66%で、氷見市11.06%、入善町10.48%が続く。

市町村 2025年の人口(人) 2020年の人口(人) 増減数(人) 増減率(%)
富山市 399,197 413,938 -14,741 -3.56
高岡市 158,431 166,393 -7,962 -4.79
射水市 87,615 90,742 -3,127 -3.45
砺波市 45,783 48,154 -2,371 -4.92
南砺市 43,916 47,937 -4,021 -8.39
氷見市 39,087 43,950 -4,863 -11.06
黒部市 37,599 39,638 -2,039 -5.14
魚津市 37,456 40,535 -3,079 -7.60
滑川市 31,317 32,349 -1,032 -3.19
小矢部市 26,653 28,983 -2,330 -8.04
立山町 23,215 24,792 -1,577 -6.36
入善町 21,340 23,839 -2,499 -10.48
上市町 17,697 19,351 -1,654 -8.55
朝日町 9,567 11,081 -1,514 -13.66
舟橋村 3,274 3,132 142 4.53
令和7年国勢調査による富山県内15市町村の人口(確定値)と令和2年からの増減出典: 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計」第1-1表(原数値)

子どもが5695人減り、高齢者の数も2125人減った

年齢を3区分でみると、15歳未満は4万8478人から4万2783人へ5695人(11.75%)減った。15〜64歳は24万1448人から23万4527人へ6921人(2.87%)減、65歳以上は12万4012人から12万1887人へ2125人(1.76%)減。3区分の減少を足すと1万4741人で、人口全体の減少と一致する。

富山市の年齢3区分別人口(国勢調査)(人)

2020年2025年

0100,000200,000300,00048,47842,78315歳未満241,448234,52715〜64歳124,012121,88765歳以上
15歳未満は5695人減、15〜64歳は6921人減、65歳以上は2125人減だった出典: 総務省統計局「令和2年・令和7年国勢調査 都道府県・市区町村別の主な結果」(不詳補完値)
数値で見る(単位: 人)
項目2020年2025年
15歳未満48,47842,783
15〜64歳241,448234,527
65歳以上124,012121,887

高齢者の数が減っているのに、65歳以上の割合は29.96%から30.53%に上がった。15歳未満がそれより速く減ったためで、人口に占める15歳未満の割合は11.71%から10.72%に下がった。15〜64歳の割合は58.33%から58.75%へわずかに上がっている。割合の変化を「高齢化が進んだ」とだけ読むと、高齢者の実数が減り始めているという別の変化を見落とす。平均年齢は48.21歳から49.45歳、年齢の中位数は49.03歳から51.27歳になり、市民の半分が51歳以上という段階に入った。

富山市の65歳以上の割合30.53%は、全国の29.39%より高く、富山県全体の33.34%より低い。都道府県ごとの差は65歳以上の割合は秋田40.0%・東京22.8% 令和7年国勢調査の実測で全国29.4% 47都道府県すべてで15歳未満を上回るで整理している。なお年齢別の数値は、年齢「不詳」を按分して補った不詳補完値によるもので、統計局が時系列の比較用に公表している参考表の値である。

世帯は3601増えて17万5518 単独世帯が37.2%に

人口が減る一方で、世帯数は増えた。総世帯は17万1917から17万5518へ3601(2.09%)増え、一般世帯は17万1528から17万5113へ3585増えた。一人で暮らす単独世帯が5万8015から6万5142へ7127(12.28%)増えたことが主な要因で、一般世帯に占める割合は33.82%から37.20%になった。全国の41.43%にはまだ届かない。単独世帯のうち65歳以上の人の世帯は1万9338から2万2532へ3194増え、単独世帯の34.6%を占める。

家族の形も入れ替わっている。核家族世帯は9万3795から9万4873へ増えたが、中身をみると夫婦と子供から成る世帯は4万4264から4万3318へ946減り、夫婦のみの世帯が3万4333から3万5889へ1556増えた。女親と子供から成る世帯は1万3080から1万3430、男親と子供から成る世帯は2118から2236。3世代世帯は8544で、一般世帯の4.9%にとどまる。一般世帯の人員は38万7278人で、1世帯あたり2.21人だった。

国籍別では、日本人が40万6994人から39万20人へ1万6974人減り、外国人は6944人から9177人へ2233人(32.2%)増えた。人口の減少は日本人の側で起きており、外国人の増加がその一部を埋めている構図になる。

国勢調査の人口が決めるもの

国勢調査は統計法(平成19年法律第53号)第5条第2項と国勢調査令などに基づいて、国内に住むすべての人と世帯を対象に5年ごとに行う調査である。令和7年調査は令和7年10月1日現在で実施された。今回の人口等基本集計は、すべての調査票を使って市区町村別の人口・世帯・住居を集計したもので、速報集計と違って事後の変更がない確定値として扱われる。

この人口は行政の金額を動かす。総務省の説明によれば、普通交付税の基準財政需要額は「単位費用(法定)×測定単位(国調人口等)×補正係数」で算定され、測定単位には国勢調査の人口が使われる。市の人口が5年で1万4741人減ったという数字は、交付税の算定に入る基礎データそのものが変わったことを意味する。

その富山市では、令和7年調査の実施をめぐって富山市の国勢調査で人口水増しの疑い 総務省が市職員を統計法違反で告発 2025年(令和7年)調査の確定人口は39万9197人、世帯数は17万5518という問題も起きている。総務省が公表した資料は告発の事実と適用条文を示すにとどまり、水増しされた疑いのある世帯数や集計結果への影響には触れていない。今回の確定値と速報値の差について、統計局および富山県は理由を説明する資料を公表していない。

国勢調査の次の集計として、就業状態等基本集計が令和9年3月に公表される予定である。働いている人の数や産業別の構成が分かるため、人口が減った富山市で働き手の構成がどう変わったかは、その段階で読めるようになる。