総務省が9月29日に公表した令和7年国勢調査の人口等基本集計で、2025年10月1日現在の65歳以上人口は3614万1613人、総人口に占める割合は29.4%となった。2020年の前回調査の28.5%から上がっている。都道府県別では秋田県が40.0%と最も高く、最も低い東京都は22.8%で、両者には1.7倍以上の開きがある。47都道府県のすべてで、65歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を上回った。
65歳以上は17万人増、75歳以上は260万人増
全国の年齢3区分別の人口は、15歳未満が1334万9001人、15〜64歳が7348万843人、65歳以上が3614万1613人だった。総人口に占める割合は15歳未満が11.9%から10.9%へ下がり、15〜64歳は59.6%から59.8%へ、65歳以上は28.5%から29.4%へ上がっている。
割合だけを見ると15〜64歳が増えたように見えるが、実数は逆だ。15〜64歳は前回の7514万9323人から166万8480人減っている。総人口そのものが1億2614万6099人から1億2297万2528人へ317万3571人減ったため、分母の縮みが分子の縮みを上回り、割合では上昇に転じた。人口が減る局面では、割合と実数が逆の向きに動くことがある。
65歳以上の内訳の動きは、さらにはっきりしている。65歳以上の総数は5年で17万2745人しか増えていないのに、そのうち75歳以上は1856万9009人から2116万9152人へ260万143人増えた。85歳以上も613万3873人から683万4349人へ70万476人増えている。総人口に占める割合は75歳以上が14.7%から17.2%、85歳以上が4.9%から5.6%になった。
65歳以上の総数がほぼ横ばいで75歳以上だけが増えるという構図は、毎月の人口推計でも同じ方向が出ていた(75歳以上の人口2153万人、2026年4月時点で総人口の17.5% 65歳以上全体は1万9千人増で頭打ち 要介護認定率は65〜74歳4.3%に対し75歳以上31.0%)。5年に1度の全数調査でも、65〜74歳が減り75歳以上が増える入れ替わりが確認された形だ。
秋田40.0%、東京22.8% 上がり幅が大きいのは青森と福島
都道府県別に65歳以上人口の割合を見ると、秋田県が40.0%で最も高い。前回の37.5%から上がり、4割台に入った。次いで高知県が35.4%から36.9%、青森県が33.7%から36.3%、山形県が33.8%から36.1%、岩手県が33.6%から35.8%と続く。45道府県で25%以上になっている。
最も低いのは東京都の22.8%で、前回の22.8%から横ばいだった。次に低いのは沖縄県の24.5%、愛知県の25.8%。注意したいのは順位の入れ替わりだ。前回の調査では沖縄県の22.6%が全国で最も低く、東京都は46番目だった。沖縄県が24.5%へ上がり、東京都が動かなかったため、今回は東京都が最も低い都道府県になった。
2020年の割合と比べて上がり幅が大きかったのは青森県と福島県で、青森県は33.7%から36.3%、福島県は31.6%から34.1%になった。一方、下がったのは大阪府だけで、27.5%から27.4%になった。残る46都道府県はいずれも上昇している。
秋田県では75歳以上の割合も19.9%から22.9%、85歳以上が7.6%から8.4%に上がった。65歳以上が4割という水準は、県内の5人に2人が65歳以上であることを意味する。
平均年齢は48.8歳 市町村では群馬県南牧村が68.9%
全国の平均年齢は47.6歳から48.8歳になった。都道府県別では秋田県が54.5歳で最も高く、青森県と高知県が52.6歳で続く。最も低いのは沖縄県の44.9歳、次が東京都の46.1歳だった。
市町村別の差は都道府県別よりはるかに大きい。65歳以上人口の割合が最も高いのは群馬県南牧村の68.9%で、群馬県神流町64.9%、青森県今別町62.4%が続く。逆に最も低いのは福島県大熊町の14.0%、次が東京都小笠原村の14.7%だった。大熊町は15〜64歳の割合が79.5%で全国の市町村で最も高く、65歳以上の割合が最も高い南牧村の28.8%と対になっている。
なお、これらの割合は年齢が「不詳」だった人を按分して計算する「不詳補完値」による。実数の集計では、2025年に年齢不詳とされた人は1071人だった。
推計で描かれていた「29.4%」が全数調査でも出た
国勢調査は5年に1度、国内に住むすべての人を対象に行う全数調査である。毎月公表される人口推計は、この結果を基準に出生・死亡・出入国を加減して算出する仕組みで、国勢調査の確定値が出ると推計がどこまで実態に近かったかが分かる。今回の調査では、総人口の実測値が推計を24万6496人下回っていた(日本の人口は2026年9月時点で1億2265万人 1年間で54万人減 2025年国勢調査の実測は1億2297万2528人で、推計より24万6496人少なかった)。
一方、65歳以上の割合については推計と実測がそろった。政府が6月に閣議決定した令和8年版の高齢社会白書は、人口推計をもとに2025年10月時点の高齢化率を29.4%としていた(高齢化率29.4%で過去最高 令和8年版高齢社会白書、2070年には「2.6人に1人」が65歳以上)。全数調査の実測も同じ29.4%で、年齢構成に関しては推計が実態をとらえていたことになる。
国際的な位置も示された。概要は国連の世界人口推計(2024年改訂)の2025年中位推計と並べており、65歳以上の割合は日本の29.4%に対し、イタリア25.1%、ドイツ23.7%、フランス22.5%、カナダと韓国が20.3%、イギリス19.7%、アメリカ18.4%、中国14.9%となっている。主要7か国と中国・韓国の中で日本が最も高い。15歳未満の割合は日本が10.9%で、韓国の10.2%に次いで2番目に低かった。
人口等基本集計は、年齢・世帯・国籍などの基本的な属性をまとめた確定値である。同じ集計からは一人暮らし世帯が41.4%に達したことや、15歳以上の未婚率が31.2%に上がったことも公表されている。今回の年齢別人口は、介護保険の給付見込みや医療提供体制、自治体の計画づくりで基準として使われる数字になる。
