AIのニュース(4 / 6)
- AI
経産省、AI契約の「現場で困っている事例」を募集 10月30日まで 誤出力の責任やAIエージェントの取引も論点に
経済産業省は9月14日、AIの開発・提供・利用の現場で起きている契約上の法的論点や実務上の課題について、事例の募集を始めた。締め切りは10月30日午後5時。寄せられた事例は匿名化・一般化したうえで仮想のユースケースに整理し、事業者や法曹実務家らでつくる非公開の検討会で対応策を議論する。検討結果は報告書にまとめるほか、2019年12月の1.1版で止まっている「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」の改訂に向けた検討にも使う。募集する事例は、汎用的AIサービスの利用、カスタマイズ、新規開発、データ提供、AIエージェントの5類型。想定する論点には、AIの誤出力に対する責任の分担、AI生成物の権利の帰属、AIエージェントによる意図しない取引の民法上の扱いなどが並ぶ。
- AI
総務省、「地域共有型エッジAI」の実証2件を選定 ATRは案内アバター、ドコモは無線の使い分けを検証
総務省は9月7日、令和8年度「地域社会DX推進パッケージ事業」のうち「地域共有型エッジAI実証タイプ」で行う実証事業の選定結果を公表した。選ばれたのは株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)と株式会社NTTドコモの2件。ATRは施設案内を担うロボットやCGのアバターを題材に、AIの処理をクラウドに置く構成、利用者の近くの設備で完結させる構成、両者を組み合わせる構成の三つを比べ、処理をどこに置くかが応答の遅れや回答の質、利用者の感じる使い勝手にどう響くかを数値で確かめる。ドコモはローカル5Gやミリ波、Wi-Fiをまとめて用意した実証環境を作り、ウェアラブル端末のような簡素な機器のAI処理を手前のサーバーに肩代わりさせる。公募は7月1日から7月31日まで行われ、事務局は総務省の請負事業として株式会社サイバー創研が務めた。
- AI
企業の生成AI利用86.4%、1年前の55.2%から急伸し米独中に肉薄 ただし使い道は議事録・メールに偏る 情報通信白書
総務省が7月24日に公表した令和8年版情報通信白書によると、何らかの業務で生成AIを利用している企業の割合は日本で86.4%となり、前年度調査の55.2%から大きく伸びた。米国90.9%、ドイツ91.6%、中国98.1%との差は大きく縮まり、この1年でほぼ横並びに近づいた。一方で使い道は偏っている。白書が示した業務類型別の内訳を合算すると、活用している割合が最も高いのは「議事録・メール作成補助」の71.2%で、効果を実感していると答えた割合も72.3%と突出する。半面、「業務プロセスがAI中心に変更されている」と答えた割合はどの業務でも1割台にとどまり、最も高い社内ヘルプデスクでも11.9%だった。生成AIによる業務変革について「組織的な取組はない」と答えた企業は27.0%で、米独中に比べ顕著に高く、中小企業で特に高い。個人の利用経験率も58.8%と前年の26.7%から大きく伸びたが、米国・ドイツの75.6%、中国の93.6%には届いていない。
- AI
米政府の調達機関、ChatGPTの利用料を半額に 基本料ゼロの従量課金へ 州・地方政府も対象
米連邦政府一般調達局(GSA)は9月10日、対話AI「ChatGPT」を運営する米オープンAIと新たな調達契約を結んだと発表した。使った分だけ支払う従量課金の利用料を50%割り引く内容で、2026年10月1日に発効する見通し。期間は27か月で、基本利用料・最低発注量・支出額の約束はいずれも設けない。対象は連邦政府の行政・立法・司法の3府にとどまらず、州政府や地方政府、先住民の部族政府も同じ条件で調達できる。GSAは2025年8月に1機関あたり1ドルで1年間ChatGPT Enterpriseを使える契約を結んでおり、実質無償で配る段階から、日常業務で使われることを前提にした料金へ切り替える。
- AI
ビザ・マスターカードとアント、AIエージェントの身元確認で協業 代行して買うAIを見分ける共通ルールへ 2030年に最大5兆ドル取引の予測
米ビザ、米マスターカード、中国アリババ系のアント・インターナショナルの3社は10日、人に代わって買い物をするAIエージェントの身元を確認する仕組み「Know-Your-Agent(KYA)」で、互いの方式をつなぐ協業を始めると発表した。エージェントを運営する事業者をネットワークをまたいでたどれるようにすること、安全性の認証基準を共有すること、取引を継続的に監視することの3点を柱とする。3社はビザの「Trusted Agent Protocol」、マスターカードの「Verifiable Intent」、アントの「Agentic Mobile Protocol」と別々の仕組みを公開してきたが、共通の原則をそろえて重複した審査を減らす。発表資料は2030年までにAIエージェントが世界の消費者取引の3兆〜5兆ドルを差配するとの予測を挙げた。
- AI
アンソロピックのアモデイCEO、AI開発の「減速」提唱 第三者の評価者を社内に常駐させ従業員並みの権限 アルトマン氏「我々も同じことをする」
米AI開発大手アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者は12日、AIの能力向上の速度を業界全体で意図的に落とすべきだと訴えるエッセー「We Must Pace the Frontier」を自身のサイトで公開した。第一歩として同社は、第三者の評価者を社内に常駐させ、机とバッジと社用パソコンを渡して従業員並みの権限を与えると表明。理由には、AIが次世代のAIを作る「再帰的自己改善」の加速と、AIエージェントの集団が指示外の標的にサイバー攻撃を仕掛けた事案を挙げた。米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者は日本時間13日未明、Xで「我々も同じことをする」と応じ、イーロン・マスク氏も「ダリオは正しい」と投稿した。
- AI
AI作曲のSuno、レコード大手と共同開発した初の新モデル「v6」公開 歌詞を1語だけ差し替え可能に
音楽生成AIを手がける米Sunoは9日、新世代の音楽モデル「v6」を公開した。ワーナーミュージック・グループ、BMG、Believeといったレコード業界のパートナーと共同で開発した初のモデルだと位置づけている。旗艦の「v6」、意外性を狙う「v6-wild」、全ユーザーが使える軽量版「v6-mini」の3種類で、いずれも最長8分の曲を生成できる。曲全体を作り直さずに歌詞を1語だけ差し替えたり、複数の曲から一度にマッシュアップを作ったりする編集機能を備えた。Sunoは2025年11月以降、レコード大手との提携を相次いで発表しており、権利者と合意した形でのAI音楽の流通を進めている。
- AI
サカナAI、複数AIを束ねる新モデル2種公開 最上位の商用AIを使わずに図表読解などで上回ったと発表
東京のAI企業サカナAIは9月11日、複数の生成AIを束ねて使う自社基盤「Sakana Fugu」の新モデル2種、「Fugu Max」と「Fugu Ultra v2」を公開したと発表した。性能を最優先するUltra v2は、図表を読み解く指標で48.3を記録し、同社の比較では米アンソロピックの「Opus 5」の27.3、「Fable 5」の29.5を大きく上回った。同社は、この成績を最上位の商用モデルであるFable 5、Fable 5.1、GPT-6 Astraを内部で使わずに出したと明記している。費用を絞ったFugu Maxの価格は入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり6ドルで、他社の同格モデルより出力が40〜60%安いとした。両モデルは発表と同日からOpenAI互換のAPIで提供している。
- AI
Anthropic(アンソロピック)、Claude悪用の遮断事例を公表 ロシア諜報が20超の組織に侵入 中国側の実行役は湖南省の大学生2人 侵害は2〜3時間で完了
米AI企業アンソロピック(Anthropic)は9月10日、自社の生成AI「Claude(クロード)」が悪用された事例と遮断の経緯をまとめた報告書を公表した。2025年12月から2026年8月までの8か月間に確認したもので、サイバー攻撃、世論工作、監視、詐欺、生物学的悪用、通常兵器の開発、無断の「蒸留」という7分野にわたる。ロシアの国家的な諜報活動とみられるグループは20を超える組織に侵入し、数百ギガバイトのデータを盗み出した。中国語話者のグループでは、実行役2人が湖南省の大学の学部生で、1つの作業手順が1か月で12件以上の未知の欠陥候補を見つけていた。同社は、手口そのものは盗んだ認証情報や未修正の機器といった既知のものばかりで、変わったのは攻撃の採算だと分析する。偵察から侵入、データの抜き取りまでをAIに任せられるようになり、企業への侵入が2〜3時間で終わり、1人の攻撃者が数十の被害者を同時に扱った事例が出ている。ただし同社は、標的の選定や盗んだ情報の収益化、結果の確認といった判断は依然として人間が握っていると注記した。最も深刻な侵害のいくつかは、人が全工程を指示した作戦から出ているという。同社は関係アカウントを停止し、当局や業界と情報を共有したうえで、攻撃の痕跡を示すデータを公開した。
- AI
メタ、画像生成AI「Muse Image」公開 公開インスタ写真が他人にAI加工される機能に懸念 拒否設定も
米メタは7月7日、画像生成AI「Muse Image」を公開したと発表した。文章で指示すると画像を新規生成・編集できるツールで、Meta AIアプリのほかインスタグラムやワッツアップでも使える。焦点となっているのは、利用者が他人の公開インスタグラムアカウントを「@」で指定すると、その人の公開写真を素材にAI画像を作れる機能だ。対象が公開アカウントであれば本人への通知はなく、拒否したい場合は設定で自分から解除する「オプトアウト」方式のため、米俳優らの労働組合SAG-AFTRAなどが会員に設定変更を呼びかけるなど懸念が広がっている。非公開アカウントと18歳未満は自動的に除外される。設定はプロフィールのメニューから「共有と再利用」を開き、投稿とリールの再利用を無効にすることで解除できる。ただし解除は今後の生成を止めるだけで、既に作られた画像は消えない。