国家公務員が事業者などから贈与や接待を受けた際に提出する贈与等報告書は、令和7年度に2万6556件だった。前年度の2万5076件から1480件増えた。倫理法違反で懲戒処分を受けたのは3件3名で、前年度の6件6名から減った。「令和7年度 国家公務員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告」に記された。国家公務員倫理法第4条に基づき国会へ提出する報告で、政府は2026年9月15日の閣議で決定した。

報告書は3種類 課長補佐級以上に提出義務

倫理法は、国民の疑惑や不信を招く行為を防ぐ観点から、職員に3種類の報告を義務づけている。贈与等報告書は本省課長補佐級以上の職員が対象で、事業者等から贈与等を受けたときなどに四半期ごとに提出する。株取引等報告書と所得等報告書は本省審議官級以上が対象で、いずれも毎年提出する。

このうち贈与等報告書は、1件につき2万円を超える部分に限り、誰でも閲覧を請求できる。令和7年度の2万6556件のうち、閲覧を請求できるのは3415件だった。前年度は3355件である。局長や事務次官などの指定職以上の職員にかかる分は4696件で、前年度の4455件から241件増えた。

株取引等報告書は令和7年が162件で、前年の136件から増えた。所得等報告書は1585件で、前年の1568件とほぼ同じだった。

86.3%が飲食の提供 国土交通省が7316件で最多

贈与等報告書2万6556件の内訳は、飲食の提供等が2万2929件で86.3%を占めた。金銭、物品等の供与は540件で2.0%、講演や原稿執筆などの報酬は3087件で11.6%である。前年度は飲食の提供等が2万979件(83.7%)、金銭・物品等の供与が558件(2.2%)、報酬が3539件(14.1%)だった。飲食の提供等が1950件増え、報酬は452件減った形だ。

府省等別に見ると、国土交通省が7316件で最も多かった。前年度の6631件から685件増えている。次いで厚生労働省が3243件、国税庁が2749件、経済産業省が2449件、農林水産省が1915件、財務省が1127件、法務省が1043件と続く。法務省は1043件のうち639件が報酬関係で、件数の内訳が他省庁と異なる。一方、防衛省、公害等調整委員会、公安審査委員会は0件だった。独立行政法人国立公文書館など行政執行法人7法人の合計は39件である。

懲戒処分は3件3名 最も重いのは停職10月

令和7年度に倫理法違反行為に対して任命権者が懲戒処分を行った事案は3件3名で、停職1名、減給1名、戒告1名だった。前年度は6件6名で、免職1名、停職2名、減給3名である。国家公務員倫理審査会が自ら懲戒処分を行った事案は、両年度ともなかった。

最も重い停職10月は、法務省の地方機関の職員1名に対する処分である。利害関係がない事業者から社会通念上相当と認められる程度を超えて飲食の供応接待を複数回受け、贈与等報告書も提出していなかった。他の国家公務員法違反行為も併せて処分された。国税庁の地方支分部局の職員1名は、利害関係がある事業者と利害関係がない事業者の双方から供応接待を受け、贈与等報告書を提出しなかったとして減給3月(俸給の月額の10分の1)となった。減額の基礎になる俸給については、国家公務員の平均給与月額43万9356円 前年の42万4979円から1万4377円増 うち8万3099円は手当で、最も大きいのは地域手当の4万5518円で伝えた。

戒告となったのは国土交通省の地方支分部局の職員1名で、行為の時点では他府省の職員だった。利害関係がある複数の事業者が用意した自動車に同乗するなど無償の役務の提供を受け、供応接待も複数回受けたほか、届け出ずに1万円を超える自己負担で事業者と飲食していた。3件はいずれも処分の概要が公表された。

懲戒処分に至らない内規上の措置は増えている。各府省等の内規による訓告、厳重注意などの処分が行われた事案は11件11名で、前年度の5件5名から倍以上になった。

1万円超の自己負担飲食の届出は1681件

倫理規程は、職員が利害関係者と飲食する際、自分の分の費用を自分で払う場合であっても、その額が1万円を超えるときは事前に各府省の倫理監督官へ届け出るよう求めている。令和7年度の届出は1681件で、前年度の1364件から317件増えた。利害関係者から依頼されて報酬を受けて講演などをする場合に必要な倫理監督官の承認は、申請79件すべてが承認された。前年度の申請は37件である。

倫理規程そのものも改正された。令和8年3月31日に公布され4月1日に施行された「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」(令和8年政令第92号)により、倫理規程第6条第1項第1号の「国の機関」にサイバー通信情報監理委員会が加わった。同委員会は令和8年4月1日に設置された組織で、報告が集計対象とした令和7年度には贈与等報告書が2件計上されている。