情報処理推進機構(IPA)は10月1日、国家資格「情報処理安全確保支援士」の2026年10月1日付の新規登録者が756人、登録者総数が2万6424人になったと公表した。総数は半年前の2026年4月1日時点の2万6453人から29人減っている。IPAが現行のウェブサイトで半年ごとに公開している2023年4月1日以降の推移では、総数が減ったのは今回が初めてである。
新規登録は前回の半分以下、総数は29人減
IPAは毎年4月1日付と10月1日付で登録を行い、その都度、新規登録者数と登録者総数を公表している。登録者総数は、2023年4月1日の2万1633人から、2023年10月1日2万1727人、2024年4月1日2万2692人、2024年10月1日2万2845人、2025年4月1日2万3751人、2025年10月1日2万4937人、2026年4月1日2万6453人と半年ごとに増え続けてきた。今回の2万6424人で、その流れが止まった。
同じ時点の新規登録者数は、2023年4月1日1152人、2023年10月1日1086人、2024年4月1日1345人、2024年10月1日1294人、2025年4月1日1173人、2025年10月1日1525人、2026年4月1日1859人である。今回の756人は、この推移のなかで最も少ない。直前の2026年4月1日付の1859人と比べると半分以下である。半年前の総数2万6453人に新規の756人を足すと2万7209人になる計算で、実際の総数2万6424人との差は785人。それだけの人数が、この半年の間に登録から外れたことになる。IPAは10月1日付の新規登録者の内訳をまだ公表しておらず、年代や業種の構成、登録を外れた人の事情については確認できていない。
3年で期限が切れ、毎年の講習4回が必要
この資格は、情報処理の促進に関する法律にもとづく国家資格で、名乗るにはIPAの登録簿に登録される必要がある。登録には更新制が導入されており、有効期限は登録日または更新日から3年である。更新申請は期限の60日前までに行わなければならず、申請するには毎年の受講が義務づけられた講習を計4回(オンライン講習3回、IPAまたは民間事業者等が行う実践講習1回)すべて修了していることが条件になる。更新手数料はかからない。
更新しなければ資格は失効し、失効後に古い登録証を使って資格名称を名乗った場合は同法第78条の罰則の対象になる。IPAは9月24日に更新の案内を改め、2024年4月1日・2021年4月1日・2018年4月1日に登録した人は2027年1月30日までに、2024年10月1日・2021年10月1日・2018年10月1日に登録した人は2027年8月1日までに更新申請をするよう求めている。つまり半年ごとの登録のたびに、3年前・6年前・9年前の登録者が更新の期限を迎える仕組みで、新規登録と失効が同時に進む。
登録者は40代が最多、関東に7割が集中
内訳が公表されている直近の時点は2026年4月1日である。総数2万6453人の平均年齢は44.3歳で、年代別では40代が9398人(35.5%)と最も多く、50代6895人(26.1%)、30代6281人(23.7%)、20代2227人(8.4%)、60代1588人(6.0%)と続く。地域別では関東が1万8279人(69.1%)で、近畿3013人(11.4%)、中部・東海2343人(8.9%)を大きく上回る。
勤務先の業種別では、情報処理・提供サービス業が8324人(36.2%)、ソフトウェア業が5208人(22.7%)で、この2つで約6割を占める。製造業2123人(9.2%)、運輸・通信業1594人(6.9%)、官公庁・公益団体1099人(4.8%)が続く。IPAが中小企業向けの支援に力を入れている一方で、資格保有者はIT関連の事業者に偏っている。中小企業の守りについては、中小企業のサイバー対策、15事業者が1年間無償で伴走 IPAが10月から実証 ランサム被害226件の約6割が中小企業のように、外部の事業者が支える形の実証も始まっている。
資格の出自をみると、情報処理安全確保支援士試験の合格者が1万5962人(60.3%)、前身の情報セキュリティスペシャリスト試験の合格者が9131人(34.5%)、さらに前のテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験の合格者が806人(3.0%)。これとは別に、試験に合格した人と同等以上の能力があると認められた試験免除の対象者が554人いる。サイバーセキュリティの人材をどれだけ確保できているかは国の政策課題としても扱われており、IPAが9月30日に公開した「情報セキュリティ白書2026」、IPAがPDF版を先行公開 全208ページ 副題は「サイバー防御新時代:諸刃の進化に備えよ」 印刷版は10月19日発行でも防御側の体制づくりが主題になっている。この資格の登録者数は、その担い手を数える物差しの1つにあたる。
2026年度の試験はCBT方式に、実施は10月17日から
新規登録が大きく減った背景には、試験日程の移り変わりがある。従来の支援士試験は春と秋の年2回、会場で紙の答案を書く方式で行われてきた。2026年4月1日付の新規登録者1859人のうち1395人が2025年度秋の試験の合格者で、直前の試験で受かった人がまとまって登録する流れになっていた。
これに対し2026年度は、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験がCBT方式(コンピュータを使う試験)に移った。令和8年度前期試験の支援士試験は、申込受付が10月6日10時から10月24日17時まで、科目A-1・A-2試験の実施期間が10月17日から10月27日まで、科目B試験が11月11日から11月23日までである。受験手数料は7500円(支援士試験は非課税)で、官報公示は令和8年6月12日付の第1725号。2026年度の試験はまだ終わっておらず、10月1日付の新規登録の母数となる新しい合格者が出ていない状態だった。
次の節目は、CBT方式で行われる2026年度の試験の結果と、そこから生まれる合格者が登録に進む2027年4月1日付の集計になる。そこでは、新たな合格者がどれだけ登録に進むかと、2027年1月30日に更新期限を迎える人たちの手続きの結果が、同じ数字に表れることになる。
