総務省は10月20日を基準日として、令和8年社会生活基本調査を実施する。1日の生活時間をどう使っているかと、過去1年間にスポーツや趣味・娯楽、ボランティア、旅行・行楽をどれだけ行ったかを調べるもので、統計法に基づく基幹統計調査にあたる。全国約8000調査区から無作為に選んだ約9万5000世帯の10歳以上の世帯員、約19万4000人が対象となる。調査票は10月上旬から中旬に調査員が配り、10月下旬に回収する。回答はインターネットでもできる。

昭和51年から5年ごと、今回が11回目

この調査は昭和51年(1976年)に始まり、5年ごとに続けられてきた。令和8年調査は開始から50年の節目で、11回目にあたる。総務省統計局は9月17日付の「統計Today」で、少子高齢化対策や仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進など、各種行政施策の基礎資料を得るのが目的だと説明している。

同じ統計局が毎月行う労働力調査や、5年ごとの就業構造基本調査が「働いているかどうか」を把握するのに対し、社会生活基本調査は賃金の伴わない家事・育児・介護といった無償の労働も含めて時間の使い方を捉える。統計局はこの性質から、男女の役割分担を数字で示すジェンダー統計と深く関わる調査だと位置づけている。同種の調査は「Time Use Survey」として各国でも実施されている。

15分刻みで20の行動類型 スマホの欄が加わる

調査票にはAとBの2種類がある。調査票Aは約9万世帯・約18万3000人が対象で、1日の行動を20の類型に分け、15分単位で記入する。今回はこれとは別に、スマートフォンやパソコンなどを使ったかどうかを記入する専用の欄が設けられた。統計局は例として、通勤・通学の電車内でスマートフォンを見ていた場合、行動類型は「通勤・通学」を選びつつ、別欄で「使用した」を選ぶ形になると説明している。

調査票Bは約5400世帯・約1万1000人が対象で、15分単位という点は同じだが、行動は自由記入とする。欧州連合の統計部門ユーロスタットがまとめる国際的な生活時間の行動分類に対応させるためで、記入内容から統計センターが分類を割り当てる。分類が細かいため規模は小さいが、国際比較にはこちらが使われる。

15歳以上の世帯員には、年次有給休暇の取得日数、ふだんの1週間の就業時間、希望する1週間の就業時間、仕事からの年間収入なども尋ねる。実際に働いている時間と、本人が望む時間との差が分かる作りになっている。

基準日が10月20日である理由

生活時間の記入は基準日当日ではなく、10月17日から25日までの9日間のうち、調査区ごとに指定された連続する2日間について行う。人の行動は曜日に左右されるため、対象世帯をグループに分けて別々の曜日を割り当て、全体として曜日の偏りが出ないようにしている。

10月20日という見慣れない日付が基準日に選ばれているのも、台風の影響が少なく気候が安定し、祝日や大きな行事の影響も受けにくいためだと統計局は説明する。できる限り特別な日ではない「日常」を捉えるための設計だという。記入の負担が軽くない調査であることから、令和8年調査ではスマートフォンで記録を付けやすいよう、インターネット回答での端末間のデータ同期や、二次元コードによるログインの簡略化も導入された。

前回は睡眠が14分延び、くつろぎは1時間37分から1時間57分に

前回の令和3年調査(週全体・10歳以上)では、睡眠が1日平均7時間54分で、2016年の7時間40分から延びた。休養・くつろぎは1時間37分から1時間57分に増えた一方、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌は2時間15分から2時間8分へ、交際・付き合いは17分から10分へ減っている。仕事等は4時間49分から4時間37分に短くなった。ただしこの調査は新型コロナウイルスの緊急事態宣言が全地域で解除された直後に行われており、数字はその時期の事情を含んでいる。

家事関連の男女差も縮まってきた。6歳未満の子どもがいる夫婦と子どもの世帯でみると、夫の家事関連時間は2016年の1時間23分から2021年は1時間54分になった。内訳は家事が17分から30分、育児が49分から1時間5分である。一方の妻は7時間34分から7時間28分で、差は依然として大きい。家計の支出を追う5月の家計支出0.4%減 6か月連続マイナス 自動車関連が最大の重し 食料は4か月ぶりプラスのような毎月の統計がお金の動きを示すのに対し、この調査は時間の配分そのものを5年に1度撮る定点写真にあたる。100歳以上の高齢者が初めて10万人を超える 10万7677人、前年から7914人増 女性が87.6%で示されたような人口構成の変化が、介護や余暇の時間にどう表れるかも読み取りどころとなる。

結果は集計が終わったものから順に公表される。前回は生活時間と生活行動に関する結果が調査の翌年8月31日、詳細な行動分類による結果が同年12月に公表された。