11月5日の米国株式市場で、主要な株価指数がそろって大きく下げた。代表的な指数のS&P500は終値が7353.73となり、前日の7688.62から4.36%下がった。ダウ平均は1833.06ドル安の5万1523.06ドルで、下落率は3.44%だった。ナスダック市場に上場する金融以外の大手100社で構成するナスダック100は6.36%下げた。取引が終わったのは日本時間の6日午前6時で、S&P500の下落率は2025年4月4日以来の大きさとなった。

主要な指数がそろって下げた

5日の下げは特定の指数に限らなかった。ダウ平均とS&P500に加え、ナスダック100とラッセル2000もそろって下げた。下落率が最も大きかったのはナスダック100で、前日の2万8437.20から2万6629.81に下がった。

指数 4日の終値 5日の終値 下落率
ダウ平均(ドル) 53,356.12 51,523.06 3.44%
S&P500 7,688.62 7,353.73 4.36%
ナスダック100 28,437.20 26,629.81 6.36%
ラッセル2000 2,856.95 2,729.89 4.45%
米国の主要な株価指数の終値(2026年11月4日と5日)

出典: セントルイス連邦準備銀行(FRED)、Cboe Global Markets

S&P500の5日の高値は7681.29で、前日の終値7688.62を下回った。安値は7350.35で、終値の7353.73はこの日の安値に近い水準である。

ダウ平均は前日の4日に5万1786.72ドルから5万3356.12ドルへ上がったばかりで、5日の終値はその上昇の前の水準も下回った。過去10年の日次の系列で見ると、ダウ平均の最も高い終値は8月5日の5万4349.12ドルで、5日はそこから5.20%低い。S&P500の最も高い終値は10月6日の7818.93で、5日はそこから5.95%低い。

S&P500の終値

7,2007,4007,6007,8007,7207,35410/2911/211/411/5
小数点以下を四捨五入出典: セントルイス連邦準備銀行(FRED)、Cboe Global Markets
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項目値
10/297,720
10/307,580
11/27,541
11/37,569
11/47,689
11/57,354

下落率を過去と比べると、S&P500が4.36%以上下げた日は2025年4月4日の5.97%安までさかのぼる。ダウ平均も、3.44%以上の下落は同じ4月4日の5.50%安以来である。

VIX指数は28.18に、米国債の利回りは低下

米国の相場の値動きの大きさを示すVIX指数は、5日の終値が28.18となり、4日の16.61から上がった。VIX指数は、S&P500のオプション取引の価格を基に、近い将来の値動きの大きさについて市場が見込む水準を示す指標で、Cboe(シカゴ・オプション取引所を運営する企業)が算出している。数値が高いほど、投資家が大きな値動きを見込んでいることになる。終値が28.18以上だったのは、3月30日の30.61以来である。

債券市場では米国債の利回りが下がった。米財務省の公表値によると、10年債の利回りは4日の4.90%から5日は4.84%に、2年債は4.58%から4.46%になった。満期までの期間が短い国債でも同じ方向で、3か月物は4.21%から4.17%に、1年物は4.39%から4.28%になった。30年債は5.28%から5.25%だった。債券は買われて価格が上がると利回りが下がる。5日は株価が大きく下げた一方で、3か月物から30年債までの国債の利回りがそろって低下した。

東京市場、5日は日経平均とTOPIXが逆の動き

米国の急落より前の5日の東京市場では、指数によって方向が分かれていた。日経平均株価の終値は6万1077.90円で、4日の6万2188.63円から1.79%下がった。一方で東証株価指数(TOPIX)は3940.39で、前日より45.01(1.16%)上がった。日経平均は6月25日の7万2366.34円が過去の系列で最も高い終値で、5日はそこから15.6%低い。

東証が公表する33業種の指数を見ると、5日は下げた業種と上げた業種の差が大きかった。下落率が大きかったのは非鉄金属の7.50%、鉱業の7.28%、海運業の6.94%、電気機器の5.24%である。上昇率が大きかったのは輸送用機器の11.81%、不動産業の7.17%、ゴム製品の6.63%だった。TOPIXの派生指数では、TOPIXグロースが0.64%下げ、TOPIXバリューが2.91%上げた。

6日の東京市場は下げて始まった。日本取引所グループの公表値によると、TOPIXの始値は3879.12で、5日の終値3940.39を下回った。午前9時9分時点では3755.65で、前日より184.74(4.69%)低い。同じ時点で33業種の指数はすべて下げており、下落率が大きいのは非鉄金属の8.15%、銀行業の6.85%、証券・商品先物取引業の6.58%だった。この数値は取引開始直後のもので、6日の終値ではない。

サーキットブレーカーの発動は確認できず

サーキットブレーカーは、相場の急変時に取引を一時止める仕組みである。今回確かめた公表資料からは、発動の事実は確認できていない。

日本取引所グループのサーキット・ブレーカー発動情報は6日午前9時9分に更新された。載っている最新の発動は3月30日の東証グロース市場250指数の先物で、5日から6日朝にかけての記録は無い。大阪取引所の制度では、先物の中心限月の取引で制限値幅の上限か下限に注文が提示されると、取引を10分間以上中断し、値幅を広げて再開する。日経225先物の場合、通常の制限値幅は基準値段の上下8%で、発動のたびに12%、16%に広がる。

過去の履歴では、2024年8月5日に日経平均株価の先物で下限の発動があった。大阪取引所に上場するNYダウ先物では、2026年3月24日午前1時11分に下限の発動があった。

米国にも同じ趣旨の仕組みがある。ニューヨーク証券取引所によると、S&P500が前日終値から7%、13%、20%下げると、3段階で市場全体の取引停止などの措置が取られる。5日のS&P500は安値の7350.35でも前日終値から4.40%の下げで、最初の基準の7%には届いていない。

原因は未確認、6日夜に米雇用統計

5日の急落の原因は、今回確かめた公表資料では確認できていない。米国の指数を算出する機関や取引所の公表値は値動きを示すが、下げた理由は示していない。財務省の大臣記者会見のページは6日午前の時点で11月2日分までの掲載で、片山さつき財務相の6日の閣議後会見の内容は確認できていない。

米国では6日に雇用統計の公表を控える。米労働省労働統計局の予定では、10月分の雇用統計は11月6日午前8時30分(米東部時間)に公表される。日本時間では6日午後10時30分にあたる。

米国株の値動きは日本の家計の資産にも関わる。金融庁によると、NISA口座の数は2026年6月末時点で3048万850口座に達した。詳しくは「NISA口座は2026年6月末で3048万 半年で227万増 買付額の累計85兆円は政府目標56兆円の1.5倍 50歳代の599万口座が最多」で伝えている。米国株に投資する投資信託の値動きは、指数の変化に加えて円相場の動きでも変わるため、保有する商品の基準価額は運用会社の公表値で確かめられる。