金融庁は10月2日、NISA口座の利用状況に関する調査結果を公表した。2026年6月末時点の口座数は3048万850口座で、2025年12月末の2820万6434口座から半年で227万4416口座増えた。伸び率は8.0%だった。調査はNISAを取り扱う全金融機関を対象にしており、成長投資枠が702社、つみたて投資枠が678社から回答を得ている。

政府目標の3400万口座まで352万

政府は2022年11月28日に新しい資本主義実現会議で決めた「資産所得倍増プラン」で、5年間でNISAの総口座数を当時の1700万から3400万へ倍増させ、買付額を28兆円から56兆円へ倍増させる目標を掲げた。プランの決定から5年後は2027年にあたる。

今回の3048万850口座は、口座数の目標まで351万9150口座を残す。半年で227万増えたペースが続けば、残り1年半ほどで到達する計算になる。口座数は2024年12月末が2558万6460口座、2025年12月末が2820万6434口座で、年に250万〜260万口座のペースで積み上がってきた。

買付額の累計は85兆円、目標の1.5倍

一方、買付額は目標を大きく追い越している。2014年の制度開始から2026年6月末までの買付額の累計は85兆2060億円で、目標の56兆円の約1.5倍にあたる。2024年12月末は52兆6359億円、2025年12月末は71兆3846億円で、すでに2025年のうちに56兆円を超えていた。

ただしこの数字は、口座で買った時の時価をそのまま足し上げた累計額であり、売却した分は差し引かれていない。いま非課税枠の中にいくら残っているかを示すものではない点に注意が必要だ。金融庁が別に集計しているNISA(現行制度)の残高は、2025年12月末時点で36兆7758億円となっている。投資信託を持つ人の85.5%が運用損益プラス 1年前の71.5%から上昇 金融庁が244社分を集計という調査もあり、買付額と残高、評価損益はそれぞれ別の指標として読む必要がある。

50歳代が599万口座で最多、10歳代は3.6倍

年代別の口座数は、50歳代が599万9082口座で最も多く、40歳代572万2939口座、30歳代530万7976口座が続いた。60歳代は435万5591口座、20歳代は376万5430口座、70歳代は320万4618口座、80歳代以上は163万4484口座、10歳代は49万730口座となっている。全体の19.7%を50歳代が占め、40歳代の18.8%、30歳代の17.4%と合わせると、30歳代から50歳代の3世代で全体の55.9%を占める。

半年間の伸び率を年代別に見ると、10歳代が13万4413口座から49万730口座へと3.6倍になり、他の年代と比べて際立って高い。次に高いのが20歳代の11.8%増で、50歳代8.4%増、30歳代7.3%増、40歳代6.3%増、60歳代4.3%増、70歳代4.1%増、80歳代以上2.8%増と続く。NISAの対象年齢は18歳以上で、0〜17歳を対象とするつみたて投資枠は令和8年度の税制改正大綱に盛り込まれたものの、適用は令和9年(2027年)からとされている。したがって10歳代の口座は18歳・19歳が中心となるが、半年で3.6倍に増えた理由について、金融庁の公表資料に説明はない。

2026年分の買付は13兆8213億円、6割が投資信託

2026年の非課税枠で買い付けられた額は13兆8213億円だった。内訳は成長投資枠が10兆1577億円、つみたて投資枠が3兆6636億円である。

商品別では投資信託が8兆5602億円で61.9%を占め、上場株式が4兆7623億円で34.5%、ETF(上場投資信託)が4571億円で3.3%、REIT(不動産投資信託)が415億円で0.3%だった。つみたて投資枠に限ると3兆6450億円が投資信託で、そのうち3兆2288億円は日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数に連動する「指定インデックス投資信託」だった。つみたて投資枠全体の88.1%がインデックス型で、運用者が銘柄を選ぶアクティブ運用の投信等は1792億円の4.9%にとどまる。

年代別の買付額は50歳代が23.0%で最も多く、40歳代20.5%、60歳代18.4%、30歳代16.5%、70歳代11.2%、20歳代6.6%、80歳代以上3.4%、10歳代0.3%という順になった。口座数では30歳代が20歳代を上回る程度の差だが、買付額では30歳代が20歳代の2.5倍を投じており、年齢が上がるほど1口座あたりの金額が大きくなる傾向が表れている。家計の資産形成をめぐっては、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が家計管理で見るべき情報は74項目 金融庁系のJ-FLECが2026年9月に一覧を公表 預貯金は取得が簡単、不動産の価値と相続税の見込み額は「難度が高い」のような整理も進めている。