厚生労働省が7月31日に公表した令和7年度雇用均等基本調査で、課長相当職以上の管理職(役員を含む)に占める女性の割合は13.8%となった。前回の令和6年度の13.1%から上がったものの、管理職100人のうち女性は14人に満たない。企業規模別では5,000人以上が9.3%にとどまり、10〜29人の22.2%を大きく下回る。調査は令和7年10月1日時点で、101人以上の企業に女性管理職比率の公表を義務付けた改正女性活躍推進法の施行前の姿を示している。
部長9.2%、課長13.2% 係長と役員はわずかに低下
雇用均等基本調査は、男女の均等な取り扱いや、仕事と家庭の両立に関する雇用管理の実態をつかむための統計だ。今回の企業調査は常用労働者10人以上の6,000企業を対象とし、3,077企業が回答した。有効回答率は51.3%である。
役職別にみると、部長相当職は前回の8.7%から9.2%へ、課長相当職は12.3%から13.2%へ上がった。一方、係長相当職は21.1%から20.9%へ、役員は21.1%から21.0%へ、それぞれわずかに下がっている。
| 役職 | 令和6年度 | 令和7年度 |
|---|---|---|
| 役員 | 21.1% | 21.0% |
| 部長相当職 | 8.7% | 9.2% |
| 課長相当職 | 12.3% | 13.2% |
| 係長相当職 | 21.1% | 20.9% |
| 課長相当職以上(役員を含む) | 13.1% | 13.8% |
| 係長相当職以上(役員を含む) | 15.8% | 16.2% |
出典: 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」
女性の管理職がいる企業の割合は、役職によって動きが分かれた。課長相当職以上の女性管理職がいる企業は54.1%で、前回の54.9%から下がった。係長相当職以上でも64.4%から61.7%へ低下している。役職別では、女性の部長相当職がいる企業が14.7%(前回14.6%)、課長相当職がいる企業が23.0%(同22.5%)だった。
30人以上の企業では、部長の割合が16年で3.1%から7.3%に
長い期間の変化は、企業規模30人以上の数字で比べられる。厚労省は平成21年度に調査の対象を30人以上から10人以上へ広げており、結果概要には30人以上に絞った推移も載せている。
30人以上の企業で、部長相当職に占める女性は平成21年度の3.1%から令和7年度は7.3%に、課長相当職は5.0%から12.5%になった。係長相当職も11.1%から20.4%へ上がっている。課長相当職以上(役員を含む)では6.3%から11.5%である。
部長・課長に占める女性の割合の推移(企業規模30人以上)(%)
部長相当職課長相当職
数値で見る(単位: %)
| 項目 | 部長相当職 | 課長相当職 |
|---|---|---|
| 平成21 | 3.1 | 5.0 |
| 平成25 | 3.6 | 6.0 |
| 平成29 | 5.4 | 8.6 |
| 令和3 | 6.1 | 9.5 |
| 令和7 | 7.3 | 12.5 |
上がり方は一本調子ではない。課長相当職は令和元年度に10.3%へ達したあと、令和3年度に9.5%へ下がり、令和4年度に10.5%へ戻した。役員に占める女性はこの間13.1〜16.5%の範囲で上下し、令和7年度は15.1%と、前回の16.5%から下がっている。
大企業の部長は4.8%、医療・福祉は53.6%
企業規模で分けると、小さな企業ほど割合が高い。課長相当職以上は10〜29人が22.2%、30〜99人が15.1%なのに対し、100人以上の各区分は9〜10%台に並ぶ。部長相当職では5,000人以上が4.8%で、10〜29人の16.7%と3倍以上の開きがある。
| 企業規模 | 課長相当職以上 | 部長相当職 | 課長相当職 | 役員 |
|---|---|---|---|---|
| 5,000人以上 | 9.3% | 4.8% | 10.5% | 6.6% |
| 1,000〜4,999人 | 10.4% | 6.3% | 12.1% | 6.8% |
| 300〜999人 | 9.8% | 5.4% | 12.0% | 5.7% |
| 100〜299人 | 10.5% | 6.3% | 12.2% | 11.2% |
| 30〜99人 | 15.1% | 10.7% | 15.2% | 19.2% |
| 10〜29人 | 22.2% | 16.7% | 18.9% | 26.9% |
出典: 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」付属統計表第9表
ただし、女性の管理職が「いる企業」の割合は逆の形になる。5,000人以上の企業のうち、女性の部長相当職がいる企業は76.2%、課長相当職がいる企業は94.8%に上る。大企業の多くに女性の管理職はいるが、管理職全体の人数に占める比率は低いということになる。
産業別の差はさらに大きい。課長相当職以上の割合は「医療、福祉」が53.6%で突出し、「教育、学習支援業」の21.3%、「生活関連サービス業、娯楽業」の20.1%が続く。低い側には「電気・ガス・熱供給・水道業」の5.6%、「鉱業、採石業、砂利採取業」の8.7%、「建設業」の9.1%、「運輸業、郵便業」の9.4%、「製造業」の9.7%が並ぶ。
役職が上がるほど女性が減る産業もある。「金融業、保険業」は係長相当職の33.2%に対し、課長相当職は17.3%、部長相当職は7.8%だった。正社員に占める女性の比率との関係も明確で、女性比率が10%未満の企業では課長相当職以上の女性は5.1%、90%以上の企業では66.1%となっている。
新たに昇進した人の女性比率は上昇、総合職が一般職を初めて上回る
いま在職している管理職より、新たに就いた人の方が女性の比率は高い。令和6年10月から令和7年9月までの1年間に昇進した人に占める女性は、部長相当職で11.5%、課長相当職で17.7%、係長相当職で27.4%だった。この項目の前回調査である令和5年度は、それぞれ9.5%、15.8%、25.7%である。
課長相当職以上への女性の昇進者がいた企業は10.6%で、前回の8.6%から上がった。昇進者に占める女性の割合を規模別にみると、5,000人以上は14.5%、1,000〜4,999人は15.1%で、10〜29人の23.5%とはなお差がある。
管理職の候補になる層にも変化が出ている。正社員・正職員に占める女性は28.6%で、前回の27.6%から上がった。女性の正社員・正職員のうち総合職は41.0%(前回37.5%)で、一般職の40.1%(同40.0%)を上回っている。平成28年度に調査項目へ加えて以降、総合職が一般職を上回ったのは今回が初めてだ。
政府は2030年に部長15%を目標に 101人以上に公表義務
政府は令和8年3月13日に閣議決定した第6次男女共同参画基本計画で、民間企業の雇用者の各役職に占める女性の割合の目標を、2030年に係長相当職33%、課長相当職24%、部長相当職15%と定めた。現状の値は2024年で、それぞれ24.4%、15.9%、9.8%である。第5次計画(令和5年12月一部変更の成果目標一覧)の目標は、2025年に30%、18%、12%だった。
計画の現状の値は、今回の調査の令和6年度の値(係長21.1%、課長12.3%、部長8.7%)と一致しない。成果目標一覧に算定元の統計の記載は無く、本紙は同じ統計かどうかを確認できていない。今回の調査の数字を目標と単純に比べることはできない。
東証プライム市場上場企業の役員に占める女性については、2025年の17.7%を2030年に30%とする目標がある。計画本文は女性役員の登用について「進捗には差異が見られる」と記している。
企業の情報公表の仕組みも変わった。令和7年6月11日に公布された改正女性活躍推進法は法律の期限を10年延ばし、令和8年4月1日から、常時雇用する労働者が101人以上の企業に、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表を義務付けた。これまで男女間賃金差異の公表義務は301人以上が対象で、女性管理職比率は今回新たに義務の項目へ加わった。100人以下の企業は努力義務である。
初回の公表は、施行後に最初に終わる事業年度の実績を、次の事業年度が始まっておおむね3か月以内に出す。12月末に事業年度が終わる企業はおおむね令和9年3月末まで、令和9年3月末に終わる企業はおおむね同年6月末までが期限となる。第6次計画は、各社がこの数字を国の「女性の活躍推進企業データベース」で公表するよう登録を勧め、学生など求職者が企業選びに使えるよう周知する取り組みを掲げている。
