立憲民主党の水岡俊一代表は9月28日、国会内で開いた定例記者会見で、党の今後のあり方について「衆院、参院両方が存在をする党を目指していく」と述べた。同党はいま参議院にしか所属議員がおらず、衆議院の会派一覧に党名はない。時期については「来年の統一自治体選以降、然るべき時期がやってくるのではないか」との考えを示した。党の公式サイトが同日、会見の内容を公表した。

参院に39人、衆院には名前がない

参議院が9月27日現在で公表している会派別所属議員数によると、「立憲民主・無所属」は39人で、自由民主党・無所属の会の101人に次ぐ規模である。参議院の総定数248に対し、現員は247人(欠員1)となっている。

これに対し、衆議院が9月24日現在で公表している会派名及び会派別所属議員数の表に、立憲民主党の名前はない。465の議席は自由民主党・無所属の会315人、中道47人、日本維新の会36人、国民民主党・無所属クラブ28人、参政党15人、チームみらい11人、日本共産党4人、無所属8人、欠員1で埋まっている。

つまり立憲民主党は、参議院では野党第1会派でありながら、衆議院では議席を1つも持たない状態にある。予算案や法案の議決は衆議院の優越が働くため、衆議院に議員がいないことは、国会審議での影響力を大きく制約する。

こうした状態に至った経緯は、立憲・水岡代表「総理の国会出席を短くすることは認められない」 党は比例709万票減・政党交付金61%減で衆院に議席なし 自ら送り出した勢力の解体は「応援したい」で詳しく取り上げている。同党は今年2月8日の衆院選に党名で臨まず、衆院議員が公明党とともに「中道改革連合」へ合流して戦った。その中道改革連合が9月に事実上解体し、立憲民主党出身の衆院議員は「民主改革の会」という別の新党へ移っている。送り出した議員が戻ってこないまま、党だけが参議院に残った形である。

「合流ということも含めて」 手段は絞らず

水岡氏は会見で、会派人事を実施した狙いについて、党と会派の役割をそろえてより効率的に活動することなどにあると説明した。そのうえで、現在は参院議員のみの党であることから、衆院に向けた影響力も期待していると述べた。

衆院進出の手段については、民主改革の会などとの関係はまだ具体的な協議には至っていないとしたうえで、個別に進める場合と、党として進める場合の双方を並行して考えていくべきだと説明した。「衆院の仲間と一緒に戦える、そういったかたまりを目指していくべきだ」とも述べている。

さらに「私たちの主義主張だけを主張して進んでいくことで道が開けるとも、なかなか思えない。仲間と一緒にやれるのかどうなのか、党として合流ということも含めて、いろいろと検討していきたい」と語った。新たな候補者を立てて衆院選で議席を取りに行く方法に限らず、他党との合流も選択肢に入れていることになる。

示された時期の「来年の統一自治体選以降」という言い方は、地方組織の立て直しを先に置く考え方を示している。統一地方選挙は、任期満了の時期が重なる知事・市区町村長と地方議員の選挙を、法律で期日をそろえて一斉に行うものである。地方議員は国政選挙で候補者を支える実動部隊にあたるため、ここを固めてから国政に向かうという順番になる。

民主党結成から30年の日に

会見のあった9月28日は、1996年の民主党結成からちょうど30年にあたる。水岡氏は立憲民主党がその流れを受け継いでいることを強調し、「与党にきっちり対峙(たいじ)していく政党をしっかりと作っていきたい」と述べ、党改革と党の足腰の強化を進めて政権交代を目指す体制をつくる考えを示した。

節目の日に衆院議席ゼロという現実を前にした発言であり、「作っていきたい」という言い方そのものが、現状をつくり直しの出発点と見ていることを表している。

臨時国会では消費税と政治資金

会見では臨時国会への対応にも触れた。与党から野党への連絡が遅れたことを指摘し「国会を円滑にスタートさせるためには、野党にもっと早く連絡をすべきではないか」と述べた。特別国会での予算審議や高市総理の説明については「極めて不十分」とし、政治資金収支報告書の不記載をめぐる問題なども含め、臨時国会で十分な説明と充実した審議を行うよう求めた。

食料品の消費税については、減税と支援金の問題は関連するとしたうえで「できるだけ早く年内にも支援金の支給ができる方法を考えるべきだ」と述べた。公明党との連携については、これまで3党協議という形で進めてきた連携を今後どうしていくか協議中だと説明し、衆院では民主改革の会や公明党の議員も含め「衆参連携野党としてしっかりと取り組んでいきたい」と述べた。

衆院に議員を持たない党が、衆院での審議に関わるには他党との連携に頼るしかない。「衆参連携野党」という言い方は、いまの制約をそのまま映している。

冒頭では、台風25号による記録的な大雨で千葉県、神奈川県の13人が犠牲となったことに哀悼の意を表し、停電や断水が続く地域の被災者に見舞いを述べた。熊本地震から2か月となることにも触れ、「見えない避難者」も含めて避難の現状を的確に把握し、必要な支援を行うとともに、対応にあたる自治体を国として支援する必要があると述べた。