木原稔官房長官は9月18日午後の記者会見で、高市早苗首相が「諸般の事情が許せば」9月21日から24日まで米国・ニューヨークを訪問し、第81回国連総会に出席して一般討論演説を行うと発表した。二国間会談については「トランプ大統領との日米首脳会談を行う方向で最終調整中であるほか、その他各国との首脳会談を調整しています」と述べた。
一般討論演説は、各国の首脳や外相が年に一度、国際社会に向けて自国の立場を表明する場だ。国連の暫定日程によると、第81回総会の一般討論は9月22日から26日までと28日に行われる。首相の滞在は24日までとされており、この期間内に登壇することになる。
「国連加盟70周年」を前面に
木原長官は訪問の意義について、「本年は、日本の国連加盟70周年の節目の年です」と切り出した。日本が国連に加盟したのは1956年12月18日で、今年の12月で70年になる。
そのうえで、今回の出席は「国連を中心とする多国間主義に対する日本のコミットメントを改めて世界に発信する」機会であり、「国際情勢が緊迫化する中、国際社会が直面する課題への日本の立場や貢献を説明し、地球規模課題や国連改革に対する日本の取組や今後の方針を表明する有意義な機会となります」と説明した。
国連改革に言及した点は、日本政府が長年掲げてきた安全保障理事会の改革と常任理事国入りを念頭に置いたものとみられる。安保理は拒否権を持つ常任理事国5カ国の対立で機能不全が指摘されており、加盟70年の節目に、どこまで踏み込んだ表現を演説に盛り込むかが焦点となる。
改造から4日での外遊、日米首脳会談は詰めの段階
高市首相は9月17日に第2次改造内閣を発足させたばかりで、改造からわずか4日で外遊に出る日程となる。18日には副大臣と大臣政務官の人事を閣議決定し、同日夜に初の副大臣会議、続けて初の大臣政務官会合を開いたばかりだ。新体制の骨格を固めたその足で、首相自身は外交日程に移る形になる。
日米首脳会談は「最終調整中」の段階にとどまる。高市首相は改造内閣の発足を受けた17日の記者会見では、トランプ大統領との会談の日程を問われ「未定でございます」と答えていた。翌18日の官房長官会見で「最終調整中」に進んだ形だ。会期中の国連総会は各国首脳が一堂に会するため二国間会談の日程調整が立て込みやすく、直前まで確定しないことは珍しくない。
出発日に台風が接近
もう一つの不確定要素が天候だ。気象庁によると、台風25号(ドゥージェン)は19日午後6時現在、北緯27.5度・東経138.7度にあり、中心気圧は975ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートル。21日午後3時には中心気圧960ヘクトパスカル、最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートルに発達する見込みで、東日本に接近する。
出発が予定される21日は首都圏の交通機関が乱れる可能性がある。木原長官が発表の冒頭に「諸般の事情が許せば」と付け加えたのは政府発表の定型表現だが、今回はその但し書きが実際に効いてくる場面もあり得る。政府専用機の運用を含め、日程が動く余地は残る。
