厚生労働省は、病気になるリスクを下げる食事の内容と適切な量を分かりやすく示す「日本人のための食事ガイド(仮称)」を2026年度内に作成・公表する方針で、専門家による検討を進めている。9月24日には、第2回のワーキンググループを9月30日午前9時から11時までオンラインで開くと公表した。国のこれまでの食事の手引きは健康な人に向けた内容が中心だったが、新しいガイドは生活習慣病などの発症リスクを下げることに軸を置く。

「食事バランスガイド」は2005年、健康な人向けが中心だった

国の代表的な食事の手引きは、厚労省と農林水産省が共同で2005年6月に策定した「食事バランスガイド」だ。1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安をコマのイラストで示したもので、望ましい食生活のメッセージである「食生活指針」を、具体的な行動に結びつける位置づけだった。

ワーキンググループの開催要綱は、国のこれまでの取り組みについて「従来、『食生活指針』に代表されるような健康な者に対するアプローチが中心であった」と振り返っている。そのうえで、栄養や食生活は生活習慣病の発症との関連も深いのに「疾病リスク低減に資する適切な取り組みは十分とはいえず、国民のリテラシーの向上を図ることが求められている」と記した。新しいガイドは、病気との関連に着目し、リスクの低減に役立つ食事の内容と適切な摂取量を示すものになる。

食塩は目標7gに対し9.6g、野菜は350gに対し258.7g

厚労省が2025年12月に公表した令和6年国民健康・栄養調査(2024年10〜11月実施)では、20歳以上の食塩摂取量の平均は1日9.6gだった。男性10.5g、女性8.9gで、国民の健康づくり計画「健康日本21(第三次)」が掲げる目標の7gに届いていない。

野菜摂取量の平均は258.7gで、男性268.6g、女性250.3g。目標の350gまで、1日あたり約90g足りない。年齢別では、年齢が高い層のほうが多く食べていた。

一方で、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上とる日がほぼ毎日ある人の割合は52.8%(男性52.3%、女性53.2%)で、目標の50%は上回った。ただし年齢別では男女とも20歳代が最も低い。医療保険の負担をみると、国民健康保険料、2024年度は1人あたり10万7856円 前年度から6.8%上昇 加入者の所得は2.1%減、滞納は185万世帯 というように、加入者の所得が減る一方で保険料は上がっている。

「攻めの予防医療」の重点領域の一つ

食事ガイドは、政府が掲げる「攻めの予防医療」の具体策の一つにあたる。厚労省は重点領域の一つに「栄養・食生活」を位置づけ、疾病リスクの低減に役立つ健康的な食事の内容や適切な摂取量を効果的に発信するとしている。自治体や保険者、産業界、学術団体とも広く連携し、情報の周知と活用を進める方針だ。

開催要綱は、政府が国民のウェルビーイングの向上と健康寿命の延伸を図ることで「誰もが社会の担い手として活躍できる日本の実現」を目指しているとしている。介護の現場では、老老介護、75歳以上同士が37.1%で2001年以降で最高 2025年国民生活基礎調査 終日介護する人の64.6%は配偶者 という状況が報告されている。

検討課題は内容と「普及啓発の方策」

開催要綱が挙げるワーキンググループの検討課題は、ガイドを構成する内容と、国民への具体的な普及啓発の方策の2点だ。ガイドの中身と同時に、それをどう国民に伝えるかも検討の対象に入っている。

構成員は、栄養学や予防医学、がん、循環器の研究者と、日本栄養士会、日本医師会の関係者ら11人。任期は2026年7月23日から2027年3月31日までで、年度内の公表を見込んだ設定になっている。第1回は7月23日に開かれた。事務局は健康・生活衛生局健康課栄養指導室が務める。