11月6日午後7時39分ごろ、関東東方沖を震源とする地震があり、宮城、福島、茨城の3県で最大震度3を観測した。気象庁によると、震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.1と推定される。気象庁は午後7時53分、千葉県九十九里・外房に津波予報(若干の海面変動)を発表した。JR東日本は午後9時52分時点で、東北、上越、北陸の3新幹線の下り線の一部列車に「地震発生による停電の影響」で遅れが出ていると案内している。

震度3は3県の26市町村、東京23区は震度2

震央は北緯35.0度、東経142.2度で、気象庁の津波予報は位置を「犬吠埼の東南東140km付近」と示している。陸地から離れた海域の地震だが、揺れは広い範囲に及んだ。

午後7時56分に更新された震源・震度情報によると、震度3を観測したのは宮城県の石巻市、名取市など6市町、福島県の福島市、郡山市、いわき市など16市町村、茨城県の日立市、ひたちなか市など4市町村の計26市町村である。観測点の数では33地点になる。

震度2は226市区町村で、東京23区、神奈川県東部、千葉県北西部など首都圏の地域も含まれる。震度1以上の観測は北海道から静岡県、長野県までの18都道県に広がり、観測点は計1018地点に上る。

気象庁の震度階級関連解説表は、震度3を「屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる」程度とし、棚の食器類が音を立てることがあると説明している。被害の有無について、この記事の執筆時点で公的機関の発表は確認できていない。

発表時刻 情報 内容
午後7時41分 震度速報 最大震度3
午後7時43分 震源に関する情報 関東東方沖、M6.1。若干の海面変動の可能性
午後7時45分 震源・震度情報 最大震度3
午後7時53分 津波予報 千葉県九十九里・外房に若干の海面変動
午後7時56分 震源・震度情報(更新) 最大震度3、M6.1
11月6日の地震で気象庁が出した情報の順序出典: 気象庁 地震情報一覧・津波情報一覧

津波予報は0.2メートル未満、「被害の心配はありません」

気象庁は地震から4分後の午後7時43分の情報で「日本の沿岸では若干の海面変動があるかもしれませんが、被害の心配はありません」と伝えた。続く午後7時53分の津波予報で、対象を千葉県九十九里・外房の1区域と示し、予想される高さを0.2メートル未満とした。同じ予報は、この沿岸で今後2〜3時間程度は若干の海面変動が続く可能性が高いとしている。

津波予報は、津波警報や津波注意報とは別の情報である。気象庁の解説によると、津波による災害のおそれがないときに出すもので、0.2メートル未満の海面変動が予想される場合は、被害の心配がなく、特段の防災対応は必要ないことを伝える。全国66区域の津波予報区のうち、今回の対象は1区域だった。

気象庁の津波情報一覧には、午後9時47分の時点で、この予報の後に続報は載っていない。一覧でこの前に並ぶ津波予報は10月10日に発表されたもので、パナマ付近のM8.0の地震を受け、北海道から沖縄までの28区域が対象だった。

関東周辺の地震では、10月29日に「千葉県北東部でM5.5の地震、横芝光町で震度5弱 深さ約50キロ、津波なし」があった。今回の規模はM6.1で、最大震度は3だった。

3新幹線の下り線で遅れ、JR東日本は「停電の影響」

JR東日本の運行情報によると、午後9時52分時点で遅れが出ているのは、東北新幹線の東京〜盛岡間、上越新幹線の東京〜高崎間、北陸新幹線の東京〜長野間で、いずれも下り線の一部列車である。3路線とも「遅延」と表示されている。同社の案内では、30分以上の遅れが発生または見込まれる場合に「遅延」と示す。秋田新幹線は平常運転と表示された。

同社の案内の文面は「地震発生による停電の影響」で、地震名は入っていない。関東東方沖の地震との関係は発生時刻からの推定にとどまる。午後9時44分時点の関東エリアの在来線の運行情報には、地震や停電を理由とする案内は見当たらなかった。

次の点は、この記事の執筆時点で確認できていない。

  • 停電が起きた場所、時刻、設備
  • 運転見合わせの有無、遅れの最大時間、影響を受けた本数と人数
  • 東海道新幹線とJR西日本管内への影響
  • 東京電力パワーグリッドの管内で停電があったかどうか

JR東日本のプレス発表の一覧と東京電力パワーグリッドの停電情報は、取得できず読めていない。

なお、JR東日本は地震とは別に、7日の山形新幹線の山形〜新庄間で強風が見込まれるとして、午前9時ごろから午後6時ごろまで遅れや運休の可能性があると案内している。

地震計が送電を止める仕組み、今回の作動は未確認

新幹線には、地震を検知すると変電所からの送電を止めて列車を緊急停止させる「新幹線早期地震検知システム」がある。JR東日本と鉄道総合技術研究所の2023年12月の発表によると、各地震計で観測した揺れに基づいて送電を止める。先に届く初期微動(P波)から規模と震央を推定し、大きな揺れ(S波)が届く前に、規模に応じた範囲の列車を止める方式で、S波の振幅でも止める。P波とS波の両方を使うことで、緊急停止の早期化と多重化を図っている。防災科学技術研究所の海底地震計や気象庁の緊急地震速報も活用している。

発表時点で地震計は計135台あり、JR東日本はこれらを改修して2024年3月から使用を始める予定としていた。

国土交通省の平成22年度の白書によると、システムは2004年の新潟県中越地震で上越新幹線で運行中の列車が脱線したことも踏まえて強化された。東日本大震災の発生時には27本の列車が運転中(うち8本は駅に停車中)で、作動によりすべての営業列車が安全に停止し、乗客乗員に負傷者は出なかった。

ただし、今回の案内にある「停電」がこのシステムによる送電停止を指すのかどうかを、JR東日本は運行情報で説明していない。別の原因による停電の可能性も排除できず、本紙は作動の有無を確認できていない。