令和8年熊本地震で住まいに被害を受けた人が各種の支援策を受けるのに必要な罹災(りさい)証明書について、熊本県の菊池市・大津町・菊陽町・芦北町の4市町が、申請の受け付けを11月30日で締め切る。熊本市は電子申請・窓口とも2027年3月31日まで受け付けるなど、期限は市町村ごとに異なる。デジタル庁は11月4日、マイナポータルや自治体のシステムを使ってオンラインで申請できる自治体の一覧を更新し、11月2日時点で県内の14市町を挙げた。

地震は7月28日16時27分に熊本県熊本地方で起き、気象庁によると規模はマグニチュード7.1、最大震度は7だった。同日夕から8月1日にかけて、最大震度5弱以上の揺れを計6回観測している。発生から3か月余りがたち、受け付けを終える自治体が出始めた。

4市町が11月30日で締め切り

菊池市は、罹災証明書と罹災届出証明書の申請期限を11月30日(月)とした。菊陽町は10月13日更新の案内で、罹災証明書と被災証明書の申請と住家被害の1次調査の期限を11月30日までとした。芦北町も10月27日更新の案内で申請期限は11月30日までだとし、住家に被害があってまだ申請していない人に早めの申請を呼びかけた。

大津町は10月22日更新の案内で、受け付けを11月30日で終えると知らせた。町は、けがや病気による長期入院、遠方への避難などやむを得ない事情で期限までに申請できない人については、個別に相談を受け付けるとしている。

一方、熊本市は、マイナポータルを使う電子申請を7月28日から、窓口申請を7月30日から受け付けており、どちらも2027年3月31日まで受け付ける(窓口は同日午後4時まで)。八代市、宇土市、上天草市、天草市、宇城市の申請案内のページには、11月8日時点で申請期限の記載が無い。水俣市の申請手続きのページは、災害全般の決まりとして、やむを得ない事情がある場合を除き「罹災から6か月以内」を申請期限に掲げている。

期限の有無と時期は自治体の判断で決まる。罹災証明書の交付を定める災害対策基本法第90条の2は、被災者から申請があれば市町村長が遅滞なく被害の状況を調べ、証明書を交付しなければならないと定めるが、申請の期限は定めていない。

オンラインで申請できる14市町

デジタル庁の一覧は、令和8年熊本地震で災害救助法が適用された自治体のうち、罹災証明書をオンラインで申請できる自治体を並べたものだ。7月30日に公開し、8月20日と11月4日に更新した。掲載の無い自治体については対応状況を確認中で、情報が確認でき次第、順次更新するとしている。

申請の経路は2通りある。1つはマイナポータルで、マイナンバーカードを使って申請する。熊本市、水俣市、宇土市、上天草市、天草市、合志市、大津町、菊陽町、芦北町、津奈木町の10市町がこの方法を案内している。もう1つは自治体が独自に用意した申請フォームで、八代市、菊池市、宇城市、甲佐町がこちらを使う。デジタル庁は、マイナポータルで申請できるかどうかは自治体によって異なると注意を促している。

市町 オンライン申請の方法 申請期限(各市町の案内)
熊本市 マイナポータル 2027年3月31日
八代市 市の申請フォーム 記載なし
水俣市 マイナポータル 原則、罹災から6か月以内
菊池市 市の受付フォーム 11月30日
宇土市 マイナポータル 記載なし
上天草市 マイナポータル 記載なし
宇城市 市の申請フォーム(自己判定方式のみ) 記載なし
天草市 マイナポータル 記載なし
合志市 マイナポータル 未確認(一覧に市の案内ページの掲載なし)
大津町 マイナポータル 11月30日
菊陽町 マイナポータル 11月30日
甲佐町 町の申請フォーム 記載なし
芦北町 マイナポータル 11月30日
津奈木町 マイナポータル 未確認(一覧に町の案内ページの掲載なし)
罹災証明書をオンラインで申請できる熊本県内の14市町(11月2日時点)と申請期限出典: デジタル庁「令和8年熊本地震罹災証明書(り災証明書)のオンライン申請について」、各市町の申請案内(11月8日閲覧)

一覧の注記によると、氷川町は全戸調査を予定しており、現時点では罹災証明書の発行申請は要らない。デジタル庁と被災自治体の災害対応は、政府の生成AI「源内」、熊本地震の自治体向け緊急提供を9月30日で終了 64日間で148機関・団体の325アカウントが使い実行1,305回 一部自治体は年度末まで延長でも伝えた。

罹災証明書とは何か

罹災証明書は、災害で住家に被害を受けた人の申請を受け、市町村長が被害の程度を証明する書面だ。デジタル庁の案内は、被災者生活再建支援金の給付や、税・保険料・公共料金の減免・猶予など、被災者向けの支援策を申請する際に必要になると説明している。

被害の程度は、熊本市の案内によると「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」「準半壊に至らない(一部損壊)」の6段階で、調査の結果「被害なし」となることもある。菊池市は、証明書は被害の程度を証明するもので、被害額を証明するものではないと付け加えている。手数料は菊池市の場合、無料だ。

証明書の種類は自治体によって呼び方が分かれる。菊池市や水俣市は、住家以外の家財や車など、市が被害を確認できないものについて、届け出があった事実を証明する「罹災届出証明書」を出している。宇城市は、事務所や店舗、空き家など住家以外の建物には「被災証明書」を、ブロック塀やカーポート、家財などには罹災届出証明書を充てている。

熊本市は、罹災証明書の対象にならない建物や家財の「被災届出証明書」について、原則として被災後1か月以内の申請を求めている。熊本地震が原因の場合は10月30日まで遅れた理由を書く申出書を省けたが、この扱いは同日で終わっており、いまは申出書を添えて申請することになる。

窓口の縮小と発行の進み具合

窓口の体制も縮まりつつある。宇城市は休日を含めて受け付けてきたが、11月からは平日と土曜日だけに変えた。八代市は9月27日(日)で休日の申請窓口を閉じ、平日の窓口とオンラインの受け付けは続けている。熊本市は当初、交付の準備ができた人に連絡して窓口で渡していたが、8月28日以降に発行する分は郵送に切り替えた。

宇城市は発行の状況を公表している。10月17日現在で申請は2万98件、発行は1万7501件で、発行率は87.1%だった。市は、1次・2次の被害認定調査は計画どおりに進んでいる一方、被害の程度を判定するための検収作業などに時間がかかっていると説明している。いつ調査に行くか、いつ発行できるかは、窓口でも電話でも答えられないとしている。

罹災証明書の発行には、原則として市町村の調査員による現地の調査が要る。菊池市は、現地調査が必要な場合は通常2〜3週間かかるとしている。上天草市と天草市も、受け付けから発行まで数日から数週間かかる場合があると案内している。

写真による判定と2次調査

被害が軽い場合は、現地調査を省いて写真で判定する方法がある。宇土市は「自己判定方式」として、住家の損害の割合が明らかに10%未満で、申請者が「準半壊に至らない(一部損壊)」という結果に同意する場合、写真で被害を認定する。被害状況の写真を窓口に出せば、確認のうえ即日交付するとしている。菊池市も、写真を窓口に持参するか電子申請に添付すれば「一部損壊」の証明書を速やかに交付する。

宇城市のオンライン申請も、使えるのは住家の自己判定方式だけだ。被災証明書と罹災届出証明書の申請フォームは、11月8日に閲覧した時点でメンテナンスのため止まっており、急ぐ人には会場での申請を求めている。宇城市は写真の撮り方として、表札と建物の全景をなるべく4方向から撮り、被害箇所は遠景と近景を2枚1組で撮るよう案内している。

1次調査の結果に納得できない人は、2次調査(再調査)を申し込める。宇城市の2次調査は外観に加えて室内にも立ち入って調べ、改めて証明書を出す。罹災証明書の2次調査は8月26日から当面の間受け付けているが、オンラインでは申請できない。会場には証明書の原本と本人確認書類を持参する。熊本市と宇土市、菊池市も、1次調査の結果に不服がある場合や修正を求める場合に再調査を申請できると案内している。

申請がまだの人は、住んでいる市町村のページで期限と方法を確かめる必要がある。マイナポータルで申請する場合は、マイナンバーカードが要る。