外国人の在留手続にかかる手数料が2026年10月1日に改定された。出入国在留管理庁の公表によると、永住許可の手数料は窓口申請で1万円から20万円になり、20倍に上がった。在留資格の変更の許可と在留期間の更新の許可は、これまで窓口申請で一律6000円だったものが、許可される在留期間に応じて1万円から7万5000円までの7段階に分かれた。

改定は「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令」の施行に伴うものだ。手数料を減額・免除できる仕組みの根拠は、令和8年法律第32号による改正後の入管法第67条第3項に置かれている。

在留期間の区分ごとに7段階

同庁が配布しているリーフレットによると、在留資格の変更の許可と在留期間の更新の許可の新しい手数料は、窓口申請で3月以下が1万円、3月を超えて6月以下が1万8000円、6月を超えて1年未満が2万5000円、1年が3万3000円、1年を超えて3年未満が4万8000円、3年以上5年未満が6万4000円、5年以上が7万5000円となっている。

オンライン申請はこれより低く、順に1万円、1万5000円、2万1000円、2万7000円、4万2000円、5万6000円、6万5000円だ。改定前はオンライン申請が一律5500円、窓口申請が一律6000円で、在留期間による差はなかった。

同庁はQ&Aで、在留期間ごとに金額を変えた理由を、出入国と在留の公正な管理に関する施策による「受益の程度は、在留期間によって異なると考えられる」ためだと説明している。窓口とオンラインで差を付けたのは「申請をする方の利便性の向上や、窓口の混雑緩和のため、更なるオンライン申請の促進を図ることを目的として」だとしている。

1年当たりに直すと、長い在留期間を認められた人のほうが負担は軽くなる。窓口申請で5年以上の許可を受けた場合の7万5000円は5年で割ると年1万5000円で、1年の許可を毎年更新して3万3000円を払い続ける場合より少ない。同庁は「長期間の在留期間が決定される者は一般的に在留状況が良好であり」、受益の程度も在留期間によって異なることから、1年当たりの負担額が低くなるように定めたとしている。

永住許可は20万円

永住許可の手数料は窓口申請の1万円から20万円になった。在留資格の変更や在留期間の更新と違い、在留期間による区分はない。

自民党はメールマガジンVol.1235で「外国人の在留手数料大幅引き上げ」と題し、「政府は10月1日、外国人の在留手続きに関する手数料を改定しました」「審査に要する実費や外国人の出入国や在留に要する費用、諸外国における同種の手数料等を勘案して、大幅に上限額を引き上げました」と説明した。変更許可と更新許可については「最大約12倍引き上げられました」とし、「政府与党は引き続き国民の安全と安心を守るため、外国人の在留等を適正に管理する政策を実施していきます」と記している。

同庁はQ&Aで、上限額を引き上げた理由を、出入国と在留の公正な管理に関する施策を「確実に実施しつつ、更なる強化・拡充を図っていく必要がある」ため、その費用について「在留外国人の方々に相応の負担を求める必要があると考えられた」からだと述べている。上限額の水準は、審査に要する実費、公正な管理に要する費用、諸外国の同種の手数料、今後の物価上昇にも弾力的に対応できるようにすることを総合的に勘案して定めたという。

増収分の使い道

増収分の使途についても同庁は説明している。デジタル技術を使った出入国在留管理行政のデジタル化の推進、難民等の適切かつ迅速な保護・支援、「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」の強力な推進を挙げ、加えて「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」に基づき、外国人が日本語や日本の制度・ルールを学ぶプログラムの創設を検討すること、情報発信・相談体制を強化することを進めるとしている。

入管行政の執行体制そのものには会計検査院の指摘もある。在留カードを作るプリンタ、700台のうち103台が使われず 調達額5651万円余り 同じ入管局から3年で計100台の増設要望 会計検査院が指摘では、調達した機器が使われないまま残っていた実態が指摘されている。

困窮し人道上の配慮が必要な人は減額

手数料には減額と免除の仕組みがある。減額の対象になり得るのは、生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に生活に困窮していると認められる人で、かつ人道上の配慮をする必要がある人だ。同庁は、困窮の類型として生活保護法の取扱いに準じた保護を受けている人など4類型、人道上の配慮が必要な類型として難民または補完的保護対象者の認定を受けている人や人身取引等の被害者など12類型をガイドラインで示している。両方に当てはまる必要があり、どちらか一方だけでは対象にならない。

減額された場合に納める額は、在留資格の変更の許可と在留期間の更新の許可が1万円、永住許可が2万円だ。ただし永住許可で減額の対象になるのは、日本人、永住者または特別永住者の配偶者または子等に限られる。減額を受けるには疎明資料の提出が必要で、生活保護受給証明書や直近1年分の所得課税証明書などが類型ごとに定められている。オンラインシステムは減額措置に対応しておらず、窓口で申請する必要がある。

手数料を免除できるのは、外交または公用の在留資格への変更を受ける人、公用の在留資格で在留し在留期間の更新を受ける人、台湾日本関係協会の日本の事務所の職員や駐日パレスチナ総代表部の職員とその家族として特定活動の在留資格への変更や更新を受ける人だ。

納付方法も変わった。オンライン申請で許可や交付を受ける場合、手数料は同庁長官が指定する事業者に委託する方法で納めることになり、コンビニ決済または銀行決済のみで収入印紙は使えない。別途決済手数料もかかる。窓口申請はこれまでどおり収入印紙で納めるが、許可される在留期間によって額が変わるため、必要な収入印紙の額面の種類が異なる。

9月30日までに受け付けた申請については、許可が10月1日以降になっても改定前の額が適用される。同庁は改定後の額を記した掲示物と配布物を各地方出入国在留管理官署などで掲示・配布しており、同庁のサイトからもダウンロードできる。