気象庁によると、7日正午、マリアナ諸島で熱帯低気圧が台風32号(チャンパカ)になった。同日午後の予報では、台風は日本の南を西北西へ進んだ後に東北東へ向きを変え、11日午後3時には小笠原近海に達する。気象庁の確率予報で、小笠原諸島が12日午後3時までに暴風域に入る確率は91%となった。

暴風域に入る確率、小笠原諸島は11日午後3時までに91%

気象庁は7日午後3時45分、台風の暴風域に入る確率を発表した。7日午後3時を起点に、区域ごとの値を示す資料だ。暴風域は、10分間平均の風速が毎秒25メートル以上の暴風が吹いている範囲を指す。

小笠原諸島の値は、9日午後3時までが0%、10日午後3時までが7%で、11日午後3時までになると91%へ上がる。12日午後3時まででも91%のままだ。12日午後3時までの値が1%以上となった区域は小笠原諸島だけで、ほかの区域はすべて0%だった。

3時間ごとの値を見ると、10日午後3時からの3時間が22%で、午後6時からが44%、午後9時からが59%と上がり、11日午前0時からの60%が最も高い。その後は午前3時からが50%、午前6時からが33%、午前9時からが19%と下がっていく。

小笠原諸島が暴風域に入る確率(3時間ごと)(%)

02040604410日18時5921時6011日0時503時336時199時
各時刻から3時間の値出典: 気象庁「台風の暴風域に入る確率」(2026年11月7日15時45分発表)
数値で見る(単位: %)
項目%
10日18時44
21時59
11日0時60
3時50
6時33
9時19

この値は区域「小笠原諸島」全体に対するもので、島ごとの値ではない。気象庁は、この確率が予報円の大きさを考慮して計算されており、台風が離れているときに確率が低い地域でも、台風が接近すると高くなることがあると説明している。

東京都の警報・注意報の発表状況を7日午後5時ごろに確かめたところ、小笠原諸島に発表中の警報・注意報は無かった。

西へ進んだ後に東へ、10日に中心気圧970ヘクトパスカル

7日午後3時の台風の中心は北緯19.7度、東経143.0度にあり、北西へ時速25キロで進んでいる。中心気圧は1002ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルだ。風速15メートル以上の強風域は、中心の北側280キロ、南側165キロに広がっている。

日時 予報円の中心 海域 中心気圧 最大風速 進む向き 予報円の半径
8日午前3時 北緯21.0度・東経140.5度 小笠原近海 1000 20メートル 西北西 65キロ
8日午後3時 北緯21.8度・東経137.7度 日本の南 992 25メートル 西北西 95キロ
9日午後3時 北緯23.5度・東経134.5度 日本の南 980 35メートル 西北西 155キロ
10日午後3時 北緯24.7度・東経138.4度 日本の南 970 40メートル 東北東 220キロ
11日午後3時 北緯27.1度・東経146.5度 小笠原近海 975 35メートル 東北東 320キロ
12日午後3時 北緯31.7度・東経157.3度 日本のはるか東 992 30メートル 東北東 460キロ
台風32号の5日先までの予報(中心気圧の単位はヘクトパスカル)

出典: 気象庁「台風解析・予報情報(5日予報)」(2026年11月7日15時42分発表)

予報円の中心は、9日午後3時の東経134.5度まで西へ移った後、10日午後3時に東経138.4度、11日午後3時に東経146.5度と東へ戻る。父島の観測地点は北緯27度5.5分、東経142度11.4分にあり、10日と11日の予報円の中心の東西の間に当たる。3時間ごとの確率が10日夜から11日未明に高くなるのは、この動きと同じ時間帯だ。

予報円は、予報した時刻に台風の中心が入る確率が70%の範囲を示す。気象庁は、台風の中心が予報円の中心を結んだ線に沿って進むとは限らないと注意を促している。今回の予報円の半径は11日午後3時で320キロあり、進路にはなお幅がある。中心が予報円の中に進んだ場合に暴風域に入るおそれがある暴風警戒域の半径は、10日午後3時で330キロ、11日午後3時で440キロとされた。

台風は日本の南で発達する予報となっている。最大風速は9日午後3時に35メートルとなり、気象庁の区分で「強い」(33メートル以上44メートル未満)に入る。10日午後3時には中心気圧970ヘクトパスカル、最大風速40メートル、最大瞬間風速55メートルとなり、5日先までの予報の中で最も強い。

11日午後3時も最大風速35メートルの「強い」勢力を保ち、速度は時速35キロに上がる。12日午後3時には日本のはるか東で温帯低気圧に変わり、時速50キロで東北東へ進む予報だ。

温帯低気圧に変わっても、風が弱まるとは限らない。気象庁は、この段階では強い風の範囲が広がるため、中心から離れた場所で大きな災害が起きることがあると説明している。今回の予報でも、温帯低気圧に変わった後の12日午後3時の最大風速は30メートルとされている。

定期船おがさわら丸、時刻表では11日に父島を出港

東京と父島を結ぶ定期船「おがさわら丸」の時刻表は、台風が近づく時期と重なる。小笠原海運の時刻表によると、7日午前11時に東京を出る便は8日午前11時に父島へ着き、11日午後3時に父島を出て12日午後3時に東京へ着く。片道はおよそ24時間だ。父島の出港日の11日は、3時間ごとの確率が最も高い時間帯と同じ日に当たる。その後の父島の入港日は14日、20日、28日で、出港日は17日、23日だ。母島へは、父島で「ははじま丸」に乗り継ぐ。

7日午後5時ごろに小笠原海運と小笠原村の公式サイトのトップページを確かめた時点では、台風32号に伴う運航の変更は掲載されていなかった。今後変更があるかどうかは確認できていない。

今年の発生数は32個、1995年以降で最多

台風の番号は、毎年1月1日以後に発生した順に付けられる。32号は今年32個目の台風で、平年値(1991〜2020年の30年平均)の年間25.1個をすでに上回っている。発生数の11月の平年値は2.2個だ。

気象庁の速報値(協定世界時基準)では、11月6日現在の発生数は31個で、11月の欄は空いていた。今年は8月の発生が10個で、平年値の5.7個を上回った。9月は4個で平年値の5.0個を下回っている。

2026年の台風の月別発生数(個)

2026年平年値

0.02.55.07.510.02.01.05月2.01.76月5.03.77月10.05.78月4.05.09月4.03.410月
2026年は速報値。協定世界時基準出典: 気象庁「台風の発生数」「台風の平年値」
数値で見る(単位: 個)
項目2026年平年値
5月2.01.0
6月2.01.7
7月5.03.7
8月10.05.7
9月4.05.0
10月4.03.4

気象庁の統計がある1951年以降で、年間の発生数が最も多いのは1967年の39個だ。1971年と1994年の36個、1966年の35個、1964年の34個が続く。32個は1965年、1974年、1989年と同じ数で、1995年以降では2013年の31個を上回って最も多い。今年の値は速報値のため、後日変更になる場合がある。10月の台風30号チャンパーの進路と勢力 最低900ヘクトパスカル、与那国島付近を通過し25日に温帯低気圧は、今年の30個目の台風だった。

11月に台風が伊豆諸島・小笠原諸島へ近づくことは多くない。気象庁は台風の中心が気象官署から300キロ以内に入ることを「接近」と呼ぶ。伊豆諸島・小笠原諸島への接近数の平年値は年間5.4個で、11月は0.3個だ。1951〜2025年の75年間で11月に接近があった年は22年あり、最も新しいのは2015年だった。

「チャンパカ」は、台風委員会が用いる140個のアジア名の一つで、マレーシアが提案した。気象庁の一覧では、意味は「ハーブの名前」とされている。気象庁は5日先までの予報を6時間ごとに更新しており、進路と確率はその都度変わる。