石油連盟は9月30日、年次の刊行物『今日の石油産業2026』を発行した。A4判30ページに50点以上の図表を載せ、国際石油情勢から国内の需給、備蓄、地球環境対策までを統計でまとめたもので、内容は2026年8月までに公表された情報にもとづく。電子版のPDFは同連盟のサイトで無償公開されている。

同誌が並べる長期の推移のなかで、下がり方が最もはっきりしているのが給油所(ガソリンスタンド)の数である。

1年で597か所減 31年でピークの4割台に

給油所の数を集計しているのは経済産業省資源エネルギー庁だ。揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)にもとづく登録をもとに毎年度まとめており、2026年8月24日に公表した最新の集計では、令和7年度末(2026年3月31日現在、登録ベース)の給油所数は2万6412か所だった。前年度末の2万7009か所から597か所、率にして2.26%の減少である。

直近5年はいずれも減っている。令和3年度末2万8475か所、4年度末2万7963か所、5年度末2万7414か所、6年度末2万7009か所、7年度末2万6412か所で、減り幅は1年あたり405〜597か所、率で1.48〜2.26%の範囲にある。最新年度の2.26%減は、この5年で最も大きい。

石油連盟の同誌に載る推移表は、さらに長い期間をたどれる。給油所数が最も多かったのは1994年度末の6万421か所で、以後は1998年度末5万6444か所、2004年度末4万8672か所、2010年度末3万8777か所、2020年度末2万9005か所と下がり続け、2025年度末には2万6412か所となった。31年でピークのおよそ4割台まで縮んだ計算になる。

給油所を登録している事業者の側も減っている。資源エネルギー庁の集計では、令和7年度末の揮発油販売業者数は1万1832事業者で、前年度末から281事業者、2.37%減った。令和3年度末は1万3008事業者だったので、4年で1176事業者が姿を消したことになる。

給油所が3か所以下の「SS過疎地」は381市町村

数が減ること自体より、地域によっては給油する場所がなくなることのほうが生活に直結する。石油連盟の同誌は、市町村内の給油所が3か所以下となった自治体を「SS過疎地」と呼び、資源エネルギー庁のデータをもとに推移を示している。

それによると、SS過疎地は2024年度末で381市町村にのぼる。2012年度末の257市町村から一度も減ることなく増え続けており、2020年度末343市町村、2022年度末358市町村、2023年度末372市町村と、直近も年に9〜14市町村のペースで増えている。全国の市町村はおよそ1700で、2割強が該当する規模である。

同誌の図表では、この381市町村の内訳が給油所3か所・2か所・1か所・0か所に分けて示されている。給油所が1か所しかない自治体、あるいは1か所もない自治体も含まれる。燃料は暖房や農業機械にも使うため、給油所がなくなると生活と生業の両方に影響が及ぶ。ガソリンの小売価格をめぐっては補助による抑制が続いてきたが(ガソリン補助、7月9日以降は1リットル2.8円 燃料油の価格抑制策 暫定税率の結論まで継続)、価格とは別に、そもそも売る場所が残るかという問題が並走している。

セルフ式は1万915か所で約4割 製油所は19か所

減り続ける全体のなかで、増えてきたのがセルフ式である。同誌によると、ドライバー自身が給油する方式は1998年4月に一定の有資格者が監視する形で解禁され、1998年度末には85か所しかなかった。それが2000年度末422か所、2004年度末4104か所、2010年度末7774か所と伸び、2024年度末には1万915か所に達した。給油所全体に占める割合はおよそ4割である。人件費を抑えられることが背景にあり、数が減るなかで残る店舗の形が入れ替わってきたことを示している。

供給側の設備も同誌に載っている。石油製品を作る製油所は2026年3月末で19か所、その精製能力は日量311万バレル(約49万5000キロリットル)である。国内で使う石油製品の量に合わせて設備が絞り込まれてきた結果で、給油所の減少と同じ方向を向いている。

なお同誌の数値は、給油所数やSS過疎地のように資源エネルギー庁など外部の統計を出所として石油連盟がまとめたものと、業界団体として自ら集計したものが混在している。図表ごとに出所が明記されており、給油所数と過疎地の出所は資源エネルギー庁(セルフ式は石油情報センターを併記)となっている。