加熱式たばこの税負担を紙巻たばこに近づける課税方式の見直しが、2026年10月1日に第2段階に入る。令和7年度の税制改正で決まったもので、財務省は「加熱式たばこについて、紙巻たばことの間の税負担差を解消するため、課税方式の適正化を行う」と説明している。これに伴い、日本たばこ産業(JT)は「プルーム」用のたばこスティック全31銘柄を10月1日から40円引き上げる。エボは580円から620円、メビウスは550円から590円、キャメルは530円から570円になる。
4月と10月の2段階で実施
財務省の資料は、課税方式の適正化を「消費者への影響に鑑み、令和8年4月及び同年10月の2段階で実施する」と記している。10月1日は4月に始まった見直しの仕上げにあたる。
4月1日から9月30日までは移行措置が置かれている。国税庁の説明では、この期間の課税標準は、従来の方法(重量0.4グラムで紙巻たばこ0.5本、小売定価をもとに0.5本)で換算した本数に0.5を掛けたものと、新しい方法で換算した本数に0.5を掛けたものを足し合わせた本数になる。古い方法と新しい方法を半分ずつ使う形で、10月1日からは新しい方法だけが適用される。
重量0.35グラムで紙巻たばこ1本
新しい換算方法では、葉たばこを紙などで巻いた「スティック型」は重量0.35グラムを紙巻たばこ1本に、それ以外の加熱式たばこは0.2グラムを1本に換算する。フィルターなどの重量は含めない。
さらに最低課税の仕組みが入る。スティック型は1本あたりの重量が0.35グラム未満なら、その1本を紙巻たばこ1本として数える。スティック型以外は1箱あたりの重量が4グラム未満なら、1箱を紙巻たばこ20本として数える。
JTが公表した銘柄表では、プルーム用スティックの課税対象重量は1箱あたり4.0グラムから4.4グラムで、いずれも20本入りである。1本あたりは0.2グラム前後で0.35グラムを下回るため、最低課税が働いて1箱が紙巻たばこ20本として課税される。紙巻たばこ1箱と同じ数え方になるわけで、これが「税負担差の解消」の中身にあたる。
2社で85銘柄が値上げ
JTは7月15日に財務大臣へ小売定価改定を申請し、8月5日に認可を受けた。申請したのは廃止したものを含め計50銘柄、輸入品を含め計62品目にのぼる。
フィリップ モリス ジャパンは8月26日、加熱式たばこ54銘柄の改定について、輸入・販売を担う双日を通じて財務省から認可を受けたと発表した。テリア29銘柄は620円から640円、センティア21銘柄は570円から590円、MIIX4銘柄は560円から590円になる。MIIX専用のリキッドカートリッジも、希望小売価格を110円から150円へ改める予定としている。なお、グロー用のたばこスティックについては、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンが10月1日の改定を公表した資料を確認できていない。
同じ10月1日には酒類の税率も動き、ビール系飲料の酒税、10月1日に350ml缶54.25円へ一本化 ビールは63.35円から下がり新ジャンルは46.99円から上がる 大手4社が主力を「ビール」へ切り替えが実施される。
2027年4月からは3年かけて1本1.5円
課税方式の見直しとは別に、国のたばこ税そのものの引き上げも決まっている。財務省は、予見可能性を確保する観点も踏まえ、令和9年4月、令和10年4月、令和11年4月に「それぞれ0.5円/1本ずつ3段階で引き上げる」としている。3年で1本あたり1.5円、20本入り1箱では30円の増税になる。引き上げの対象は国税のたばこ税だけで、道府県たばこ税と市町村たばこ税は据え置かれる。
一連の措置は防衛力強化の財源確保として位置づけられている。財務省の資料は、たばこ税等の税収の合計(国・地方)が「概ね2兆円程度で推移しています」としている。2025年度の国の税収84兆2226億円 6年連続で過去最高 法人税はバブル期超えのように税収全体が最高を更新するなかで、たばこ税等は近年おおむね2兆円程度で推移してきた財源にあたる。
