結婚相談所大手のIBJ(東京都新宿区)は、2025年に同社の相談所ネットワークなどで成婚したカップルが2万組を超え、国内の婚姻の約4.1%に当たると発表した。前年は1万6398組で約3.3%だった。国の婚姻件数が前年より0.8%増えるなか、相談所経由の結婚は2割以上増えたことになる。同社が4月から連載で公開している「2025年 IBJ 成婚白書」では、50代以上の成婚者が2017年の348人から1389人へ約4倍に増えた。厚生労働省の人口動態統計で同じ8年を見ると、50代以上で結婚した人は4万1016人から4万2091人とほぼ横ばいで、相談所での増え方が際立つ。
相談所経由の結婚、国の婚姻に占める割合は1年で3.3%から4.1%へ
IBJの横川泰之常務は4月9日の白書公開の発表で「当社は2025年に成婚数2万組を突破し、日本の婚姻の約4.1%を担うまでに成長しました」とコメントした。前年の「2024年 IBJ成婚白書」は、2024年の成婚組数を過去最多の1万6398組とし、当時の人口動態統計速報値の婚姻件数49万9999組に対して約3.3%、「30組に1組」に当たるとしていた。IBJのいう「成婚」は婚約を指し、相手が決まって相談所を退会することを「成婚退会」と呼ぶ。
国の婚姻件数も増えている。厚労省の2025年人口動態統計(確定数)によると、婚姻件数は48万9158組で、前年の48万5092組より4066組(0.8%)増えた。婚姻率(人口千対)は4.1で、前年の4.0から上がった。婚姻件数は1972年の109万9984組をピークに、2002年以降は減少傾向が続いていたが、2024年から2年連続で増加している。月ごとの動きは8月の婚姻6万9385組、前年同月比61.8%増 7月は32.3%減 人口動態統計速報で伝えた。2万組を確定数の48万9158組で割ると4.09%で、同社の「約4.1%」と合う。今回の発表は、割合の分母にどの統計を使ったかを示していない。
ただし「2万組」は、白書の分析対象とは数え方が違う。前年版は、成婚組数に「IBJプラットフォーム内の成婚および利用会員の他サービスや友人紹介での成婚、IBJグループサービス独自会員における成婚を含む」と注記していた。相談所での出会いに限らず、会員が別の経路で結婚した場合も数えている。一方、2025年版白書が分析したのは、2025年1月1日から12月31日までに相談所ネットワークで成婚退会した会員1万9112人で、カップルにすると約9500組にとどまる。白書の地域別の分析でも、集計した成婚カップルは9543組だった。前年版の分析対象も1万5374人で、成婚組数の1万6398組とは別の数字である。今回の発表は2万組の内訳を示しておらず、相談所内での成婚が何組だったかは発表からは確認できない。
50代以上の成婚は8年で4倍、国全体ではほぼ横ばい
白書の7月9日の回によると、50代以上の成婚者(男女計)は2017年の348人から、2023年に1030人、2024年に1241人と増え、2025年は過去最多の1389人になった。男女別では、女性が89人から520人へ約5.8倍、男性が259人から869人へ約3.4倍に増えた。50代以上の男性では、子どもを「希望する」人に比べ、「希望しない」人は約2.0倍、「こだわらない」人は約1.7倍成婚しやすかった。
50代以上の成婚者数(IBJ)(人)
数値で見る(単位: 人)
| 項目 | 人 |
|---|---|
| 2017年 | 348 |
| 2023年 | 1,030 |
| 2024年 | 1,241 |
| 2025年 | 1,389 |
国の統計では、増え方がまったく違う。人口動態統計(確定数)の、その年に同居を始めて届け出た婚姻を結婚した時の年齢別に集計した表で見ると、50歳以上で結婚した夫は2017年の2万6312人から2025年は2万5040人に減り、妻は1万4704人から1万7051人に増えた。夫と妻を合わせると4万1016人から4万2091人で、増加は2.6%にとどまる。
| 区分 | 2017年 | 2025年 | 増減 |
|---|---|---|---|
| IBJ 50代以上の成婚者(男性) | 259人 | 869人 | 約3.4倍 |
| IBJ 50代以上の成婚者(女性) | 89人 | 520人 | 約5.8倍 |
| 国 50歳以上で結婚した夫 | 2万6312人 | 2万5040人 | 4.8%減 |
| 国 50歳以上で結婚した妻 | 1万4704人 | 1万7051人 | 16.0%増 |
国の数字は横ばいでも、結婚全体に占める割合は上がった。この表の婚姻の総数は2017年の48万327組から2025年は30万7525組に減っており、50歳以上の夫の割合は5.5%から8.1%に、妻の割合は3.1%から5.5%に上がった。若い世代の結婚が減るなかで、50代以上の結婚は数を保っている。相談所の成婚は、その中で4倍に増えた。女性の伸びが男性を上回る点は、国の統計とIBJで同じ向きである。
国の表は「その年に同居を始めて届け出たもの」に限った集計で、婚姻届の全件ではない。IBJの数字は成婚退会者を数えたもので、届け出の時期も一致しない。このため、50代以上の結婚に占める相談所の割合を、この2つの数字から割り出すことはできない。
成婚者のお見合いは11回、交際は約4か月
白書は前年版はPDFで公開したが、今回はPDFを出さず、4月9日から毎週木曜に1テーマずつ同社の研究機関「IBJ結婚みらい研究所」のサイトで公開した。同社が「代表的な成婚者像」として示した数字では、成婚者のお見合い回数は男女とも11回、交際日数は124〜125日でほぼ同じだった。交際日数は、お見合い後に複数の相手と並行して会う「仮交際」と、1人に絞る「真剣交際」を合わせた期間である。成婚した人のお見合い数は、成婚せずに退会した人の約2.7倍だった。4月23日の回では、交際日数が120日を超えると成婚者の割合が下がっていくと分析し、「新しい出会いは10人をひとつの区切りとする」などの目安を挙げた。
入会から成婚までの在籍日数(中央値)は20代が187日で、20代と40代では約142日の開きがあった。成婚者全体の32.4%は、入会から半年以内に成婚退会していた。成婚した年齢で最も人数が多かった年齢(最頻値)は、女性が30歳、男性が34歳だった。過去5年間で20代の入会者は女性で約1.9倍、男性で約3.4倍に増えた。IBJはこれを、結婚相談所が「最後の砦」ではなく「婚活の選択肢のひとつ」として受け止められるようになった表れだとしている。
国全体の数字と比べると、相談所の成婚者は年齢がやや高い。厚労省の2025年人口動態統計(概数)によると、平均初婚年齢は夫31.0歳、妻29.7歳で、いずれも前年より下がった。初婚の妻の年齢(各歳)で最も割合が高いのは27歳だった。前年版の白書は、国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査が示した一般の平均交際期間4.3年と比べ、相談所の交際期間約4か月は「1/12の期間」だと書いていた。未婚者の結婚意思については、9月公表の調査結果を第17回出生動向基本調査 未婚者の結婚意思は男性75.1%・女性77.8%に低下 夫婦の予定子ども数1.95人で初の2人割れ 子ども2人の夫婦は48.7%で初の5割割れで伝えている。
男性の年収は800万円を超えると成婚率が横ばい
4月30日の回は男性の年収と成婚率の関係を扱った。成婚率は「成婚者÷(成婚者+成婚せずに退会した人)」で計算する。男性の成婚率は全体平均で34.6%。年収が500万円台に上がると平均を上回り、700万円台で安定するが、800万円を超えると43〜46%の間で横ばいになった。成婚した男性で最も多い年収帯は500万円台(20.4%)で、600万円台(18.2%)が続いた。
女性は、どの年収帯でも成婚率がおおむね30%台後半から40%台前半に収まり、年収の高さが成婚を妨げる傾向は見られなかった。成婚した夫婦の世帯年収では、1000万円以上が81.8%を占めた。1000万〜1599万円の層は2017年の57.7%から2025年は63.5%に増えた。世帯年収1000万円以上の割合は東京が90.4%、東京以外が78.0%だった。
10月1日の回では、お見合いの申し込みを特に多く受ける会員を「真の超モテ層」と定義して分析した。この層の成婚率は男性78.2%、女性64.7%。男性の超モテ層は平均年収936万円、大卒以上が95.7%、平均身長173.2センチだった。一方でお見合いから交際に進んだ割合は、超モテ層の男性が34.3%で、男性全体の40.0%を下回った。
4割は県外の相手と結婚、同じ地方の中が8割超
10月16日の回は、2025年に成婚した9543組のうち、居住地が不明な組や海外在住を含む組を除いた国内の9258組を調べた。同じ都道府県に住む相手と成婚したのは57.5%、別の都道府県の相手は42.5%で、約5組に2組が県外の相手と結婚していた。県外の相手と成婚した3936組のうち84.7%は東京と神奈川、大阪と兵庫のように同じ地方の相手で、別の地方に住む相手との成婚は全体の6.5%だった。交際日数(中央値)は同じ都道府県の相手で124日、別の地方の相手で120日と、ほとんど差が無かった。同じ都道府県内の相手と結婚した割合が最も高かったのは北海道(87.1%)で、愛知県(82.2%)が続いた。京都府は32.1%で、6割強が府外の相手と結婚していた。
白書はIBJの相談所で活動した会員のデータで、前年版も「一般の婚活者や結婚カップルの傾向を示すものではありません」と断っている。国の婚姻統計とは対象も数え方も違う。それでも、相談所経由の結婚が国の婚姻の4%台に達したと同社が発表し、50代以上では国全体と異なる増え方を示している。連載は当初「全15週」と予告されていたが、成婚白書の記事は10月16日までに18本が公開されている。
