統合幕僚監部は9月19日、自衛隊と米軍が18日に日米共同訓練を実施したと公表した。訓練場所は沖縄本島東方の太平洋上の空域で、航空自衛隊からは第9航空団のF-15戦闘機4機、米軍からはF-22戦闘機9機とKC-135が1機参加した。統幕は公表資料で、訓練を通じて「力による一方的な現状変更を起こさせないとの日米の強い意志及び自衛隊と米軍の即応態勢を確認し、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化した」と説明している。

公表されたのは部隊と機数、訓練項目だけ

統幕の資料は1枚で、期日、訓練場所、参加部隊、訓練項目の4項目しか記していない。訓練項目は「各種戦術訓練」とだけ書かれ、中身は明らかにしていない。米軍が9機、空自が4機という機数の差や、どちらが主導したかについても記述はない。

統幕が公表資料に書いた「力による一方的な現状変更を起こさせない」という一文は、訓練の狙いを示す定型の表現である。誰の行為を指すかは明示していないが、統幕が同じ月に公表した他の資料は、この空域の周辺で中国軍の艦艇が動いていたことを記している。

空自の緊急発進、4〜6月は181回 中国機が約77%

統幕が7月24日に公表した2026年度1四半期(4月1日〜6月30日)の緊急発進実施状況によると、この3か月の緊急発進は181回だった。2025年度の同じ3か月は157回で、24回増えている。

緊急発進は、正体不明の航空機が日本の領空に近づいたときに、空自の戦闘機が離陸して確認・警告に向かう対領空侵犯措置をいう。推定を含む対象国・地域別の割合は、中国機が約77%、ロシア機が約23%だった。統幕は同四半期の特徴として、ロシアのIL-20情報収集機による日本海と太平洋での飛行、中国のY-9情報収集機による東シナ海での飛行、中国のH-6爆撃機とロシアのTu-95爆撃機による長距離にわたる共同飛行を挙げ、「中国機及びロシア機による活発な活動を示す事例がみられました」と記した。

2025年度の1年間では、緊急発進は595回にのぼった。方面隊別では南西航空方面隊が348回で、全国の595回の半分以上をこの1個方面隊が担っている。以下は北部航空方面隊が165回、西部航空方面隊が46回、中部航空方面隊が36回だった。対象は中国機が約61%、ロシア機が約36%で、2026年度に入って中国機の比率がさらに上がった形だ。

昨年12月には中国空母のJ-15が空自機にレーダー照射

統幕は2025年度の特徴として3件を挙げている。5月には、尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入した中国海警船から発艦したヘリコプターによる領空侵犯が発生した。12月には中国の空母が初めて沖縄本島東方から奄美大島東方の太平洋上にかけて活動し、この際、空母から発艦したJ-15戦闘機が、対領空侵犯措置にあたっていた空自のF-15戦闘機に対してレーダーを断続的に照射する事案が起きている。同じ12月には、中国軍とロシア軍の爆撃機が東シナ海から沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋を四国沖まで長距離にわたって共同飛行した。中ロ両軍は7月にも合同軍事演習「海上連合2026」を実施している。

今回の日米共同訓練が行われた沖縄本島東方の太平洋上の空域は、昨年12月に中国空母が活動した海域と重なる。

訓練の3日前、中国海軍艦艇4隻が東シナ海へ戻る

統幕は9月16日、中国海軍艦艇の動向を2件公表した。1件目は、15日午前7時ごろ、都井岬(宮崎県)の南東約50キロの海域を北西進するルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(艦番号159)とジャンカイⅡ級フリゲート(同537)を海上自衛隊が確認し、その後2隻が大隅海峡を西進して東シナ海へ向かったというものだ。2件目は同日午前10時ごろ、奄美大島(鹿児島県)の北東約100キロの海域を西進するルーヤンⅢ級(同133)とジャンカイⅡ級(同535)を確認し、2隻が奄美大島と横当島(鹿児島県)の間を南西進したというものである。

統幕はいずれについても、8月22日に沖縄本島と宮古島(沖縄県)の間の海域を南進した艦艇と同一だと明記している。4隻は3週間余りにわたって太平洋側で活動し、日本列島の南を回って東シナ海へ戻ったことになる。警戒監視・情報収集にあたったのは、海自第3哨戒防備隊の「しらたか」(佐世保)と、第9水上戦隊の「はまぎり」(横須賀)だった。

防衛省は令和9年度予算で概算要求に8兆8432億円を計上している。統幕は緊急発進の実施状況を四半期ごとにまとめて公表しており、181回に続く2026年度上半期分の数字が次に示される。