防衛省は10月5日、在日米軍再編に伴う嘉手納飛行場(沖縄県)から航空自衛隊築城基地(福岡県)への訓練移転を、10月19日から29日まで実施すると発表した。築城基地への訓練移転は今回で12回目になる。同じ日に、この共同訓練と日米共同統合演習「キーン・ソード27」のため、米側が築城飛行場の一部を期間を限って使うことを日米合同委員会が9月17日に承認したことも公表した。
規模は「タイプⅡ」 6〜12機が8〜14日間
発表によると、移転元は米軍の嘉手納飛行場、移転先は航空自衛隊築城基地で、使う基地は築城基地である。訓練期間は10月19日(月)から10月29日(木)まで。訓練規模は「タイプⅡ」とされた。
タイプは参加機数と日数で分かれる。タイプⅠは1回につき1〜5機の航空機が1〜7日間参加するもの、タイプⅡは6〜12機が8〜14日間参加するもので、今回は大きいほうにあたる。訓練期間の前後には、参加する航空機と人員・物資を運ぶ輸送機の展開と撤収が行われる予定で、内容は今後変わる場合があるという。
築城飛行場の一部を米側が「限定使用」
日米合同委員会の合意は「FAC5121築城飛行場の追加財産の限定使用について」で、承認されたのは9月17日である。対象地は福岡県築上郡築上町と行橋市にまたがる。
合意の対象は、土地が約2万9000平方メートル、建物が4棟の一部で約1万1000平方メートル、工作物は定着物や設置物を含む一式(関連備品を含む)。水域や附帯施設は含まれない。使用期間は10月19日から29日までで、必要に応じて訓練の展開と撤収のための追加期間が加わる。
根拠は日米地位協定第2条第4項(b)である。同項は「合衆国軍隊が一定の期間を限つて使用すべき施設及び区域に関しては、合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない」と定めている。米軍基地として新たに提供するのではなく、期間と範囲を区切って使わせ、その線引きを日米の実務者でつくる合同委員会が決める仕組みだ。防衛省は事案の内容について、日米共同統合演習(実動演習)「キーン・ソード27」と航空機訓練移転(ATR)に係る共同訓練を実施するためだと説明している。
枠組みを決めたのは20年前のロードマップ
国内への訓練移転は、2006年5月1日の「再編実施のための日米のロードマップ」に基づく。日米安全保障協議委員会が在日米軍再編の実施計画をまとめた文書で、外務省の仮訳では、当分の間、嘉手納飛行場、三沢飛行場、岩国飛行場の3つの米軍施設からの航空機が、千歳、三沢、百里、小松、築城、新田原の自衛隊6施設から行われる移転訓練に参加する、と定めている。
規模の段階も当時から書かれていた。ロードマップには「一般に、共同訓練は、1回につき1〜5機の航空機が1〜7日間参加するものから始め、いずれ、6〜12機の航空機が8〜14日間参加するものへと発展させる」とあり、今回のタイプⅡは発展後の形にあたる。ほかに、移転される訓練によって在日米軍が現在得ることのできる訓練の質を低下させないこと、日本政府が実地調査を行ったうえで自衛隊施設の訓練移転用のインフラを改善すること、両政府が共同訓練の費用を適切に分担することも盛り込まれている。
防衛省は訓練移転の目的を、二国間の相互運用性の向上と、米軍飛行場における訓練活動の影響の軽減のためだと説明している。沖縄に集中する米軍機の訓練を本土の自衛隊基地に分散させ、そのぶん嘉手納周辺の騒音などを減らすという狙いである。
築城は「キーン・ソード27」と二本立て
合同委員会が認めた限定使用は、訓練移転だけでなく、日米共同統合演習「Keen Sword 27」、10月19日から29日まで実施 自衛隊は人員約4万5000人、艦艇約40隻、航空機約260機 米軍以外に豪軍など7か国も参加のためでもある。合意文書は両方を並べて理由に挙げており、使用期間も10月19日から29日までの11日間で、訓練移転の期間とそろっている。築城基地は同じ時期に二つの訓練を受け入れることになる。
防衛省は、訓練の内容は今後変更される場合があるとしている。嘉手納飛行場以外の移転元や、今回の訓練に参加する機種・機数は、10月5日の発表では公表されていない。
