デジタル庁は10月2日、Android端末に入れて使う「Androidのマイナンバーカード」の提供を2026年10月20日に始める予定だと発表した。2023年5月に始まった「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」を機能拡充して刷新するもので、サービス名も改める。
追加されるのは本人確認と年齢確認の「属性証明機能」
Android端末では、電子証明書機能を使う手続きがすでに利用できる。マイナポータルで薬や医療費・年金の情報を確認する、確定申告や引越しなどのオンライン申請をする、住民票の写しや印鑑登録証明書をコンビニで受け取る——といった用途だ。準備が整った医療機関や薬局なら、顔認証付きカードリーダーの画面で「スマートフォンを利用」を選び、暗証番号(数字4桁)を入れて端末をかざせば、マイナ保険証としても受け付けてもらえる。
10月20日からは、ここに「属性証明機能」が加わる。デジタル庁が刷新を予告した2025年9月19日の発表によると、これは本人確認と年齢確認ができる機能で、ウォレットアプリに追加するものだ。金融機関での口座開設や携帯電話の契約、オンラインや店舗での本人確認・年齢確認を、実物のカードを提示することなく生体認証で受けられるようになる、と同庁は説明している。10月2日の発表でも、リリース以降は「官民の各種対面サービス」で本人確認・年齢確認・住民確認を簡単かつ確実に受けられるようになる、と書いた。
すでにAndroid端末でスマホ用電子証明書を使っている人は、カードを追加し直す必要はない。刷新後に簡単に更新できるとしている。
店や窓口の側は無償アプリで読み取りに対応する
もっとも、この機能が働くには受け取る側の準備が要る。デジタル庁は、各種サービスで「Androidのマイナンバーカード」の読取り対応が必要になると断ったうえで、同庁が提供する「マイナンバーカード対面確認アプリ」を無償でダウンロードすれば読取りに対応できる、と呼びかけた。
対面確認アプリは、カードのICチップを読み取って氏名などの本人情報を確認するためのもので、事業者や自治体のスタッフが窓口で使う。デジタル庁が挙げる利用シーンは、金融機関の取引や携帯電話の契約、不動産の契約、中古品の買取、飲食店での20歳以上の確認、チケット販売の年齢確認、自治体窓口での本人確認などだ。学園祭の年齢確認にマイナンバーカード デジタル庁アプリは「20歳以上か」だけを表示 12日の東京都市大など5大学でで取り上げたように、生年月日そのものを見せず「20歳以上かどうか」だけを画面に出す使い方もできる。
現時点でこのアプリが読み取れるのは、実物のマイナンバーカード、iPhoneのマイナンバーカード、特定在留カード、特定特別永住者証明書の4種類にとどまっている。iPhoneのマイナンバーカードの読み取りはiOS 18.5以上を載せたiPhoneでしかできず、Android端末では利用できない。運転免許証の読み取りにも対応していない。
使えるのは一定の基準を満たすチップを積んだ端末
利用できる端末にも条件が付く。デジタル庁は「一定の基準を満たすセキュリティチップを搭載したAndroid端末」で使えるとし、詳細は10月20日までにサービスサイトへ掲載する予定だと予告した。
現行のスマホ用電子証明書は、本体基盤に埋め込まれたGP-SE(GlobalPlatform仕様に対応したICチップ)という領域に証明書を格納する仕組みをとる。税関係情報や年金関係情報といったプライバシー性の高い情報は端末内に記録されない。証明書にはマイナアプリからしかアクセスできず、暗証番号を一定回数以上間違えるとロックがかかる。不正に情報を盗み取ろうとする手法に対しては、記録情報を自動で消す機能などの対抗措置を施しているという。現行サービスの対応機種は200以上だ。
開始日については、今後の最終テストで更なる確認が必要になった場合は変更となることがある、とも書き添えている。
スマホ搭載は931万枚、カード保有者の11人に1人
同じ10月2日に更新されたデジタル庁のダッシュボードによると、スマートフォンのマイナンバーカードの保有枚数は2026年8月時点で931万9143枚だった。1年1か月前の2025年7月は175万1178枚で、この間に5.3倍に増えている。一方、マイナンバーカード本体の保有枚数は2026年8月時点で1億452万5120枚あり、スマートフォンに入れているのはその8.9%、カード保有者の約11人に1人にとどまる。ダッシュボードのデータ表では、この931万9143枚のうちAndroidとiPhoneがそれぞれ何枚かという内訳は示されていない。
スマートフォンでの利用はiPhoneが先行した。「iPhoneのマイナンバーカード」は2025年6月24日に始まり、対面確認アプリがiPhoneのカードの読み取りに対応したのは同年8月5日である。Android側は電子証明書機能では2年あまり先に始まっていたが、対面で提示して本人確認や年齢確認を受ける使い方はiPhoneが先だった。
受け取る側の裾野も広がってはいる。同じダッシュボードでは、電子証明書でオンラインの本人確認を行う公的個人認証サービス(JPKI)を導入した民間事業者が2026年8月時点で1470社となり、マイナンバーカードで本人確認、民間1355社に 1年前は813社 増えた542社のうち295社は銀行・農協など デジタル庁で扱った7月時点の1355社から1か月で115社増えた。
