総務省は9月25日、電気通信サービスの契約数とシェアをまとめた2026年6月末時点の四半期データを公表した。第3世代携帯電話(3G)の契約数は0万契約となり、3月末の228万から消えた。NTTドコモが3月31日に「FOMA(フォーマ)」を終了し、大手3社すべてが3Gの提供をやめたためだ。2001年10月に始まった国内の3Gは、24年半で役目を終えた。

24年半で役目を終えた3G

3Gは、携帯電話でインターネットや動画を使えるようにした世代の通信方式を指す。ドコモは2001年10月にFOMAの名称でサービスを始め、2026年3月31日に「iモード」とあわせて終了した。iモードは1999年2月に始まったサービスで、携帯電話からウェブサイトやメールを使えるようにした。

ドコモが終了を発表したのは2019年10月29日で、理由として「4G(第4世代通信方式)の普及による市場環境の変化に伴う契約数の減少や、5G(第5世代移動通信方式)に経営資源を集中するため」を挙げていた。FOMA音声プランとiモードの新規受け付けは2019年9月30日に、FOMAデータプランなどは2020年3月31日に終わっていた。

大手3社のうち最も早く3GをやめたのはauブランドのKDDIで、沖縄セルラーとともに2022年3月31日に「CDMA 1X WIN」を終了した。対応端末を使い続けた契約は4月1日に自動で解約され、解約金は請求しなかった。ソフトバンクは2002年12月に始めた3Gを2024年4月15日に終了した。当初は2024年1月下旬の予定だったが、令和6年能登半島地震で4G・5Gへの乗り換え手続きが難しくなった利用者の事情を踏まえて延期し、石川県在住の契約者に限っては同年7月31日まで県内で使えるようにした。2020年に自前の回線で参入した楽天モバイルは、当初から4Gと5Gだけを提供しており3Gを持たなかった。

5Gは1億3153万、LTEは1億581万に減る

世代ごとの契約数は、複数の回線を1契約にまとめる調整をしない「単純合算」で示される。5Gの契約数は1億3153万で、3月末から4.1%、1年前から13.7%増えた。これに対し3.9-4世代と呼ばれるLTEは1億581万で、3月末から2.8%、1年前から5.1%減った。LTEが携帯電話の契約数に占める割合は44.6%となっている。5Gの契約数がLTEを上回ったのは2025年3月末からで、その差は広がり続けている。

固定された屋内ルーターなどで使うBWAアクセスサービスは9431万で、3月末から0.3%、1年前から1.3%増えた。携帯電話の契約数は2億3121万で3月末とほぼ変わらず、1年前からは2.5%増えた。

携帯各社の設備投資は5Gへ移っている。総務省の情報通信審議会は、携帯の電波免許、2027年10月に一斉更新へ 総務省が審査基準の新設案 3.5GHz帯の基地局増設は年1万3989局から3976局に鈍化で示されたように、周波数を割り当てた際の開設計画が切れると基地局の増設ペースが落ちる実態を問題視し、次回の更新で各社に将来の業務計画の提出を求める方針を打ち出している。

減ったのは人が持つ回線、増えたのは機械の回線

携帯電話とBWAを合わせた「移動系通信」の契約数は2億3129万で、3月末の2億3142万から13万減った。四半期ごとの数字がグラフに並ぶ2025年3月末以降で、前の期を下回ったのは初めてだ。1年前からは2.6%増えている。

減少の中身を見ると、市場の性格が変わってきていることが分かる。自動販売機や車載機器、電力メーターなどに組み込まれる通信モジュールの契約数は6024万で、3月末の5953万から71万増えた。一方、この通信モジュールを除いた契約数は1億7105万で、3月末の1億7189万から84万減った。つまり人が持つスマートフォンや携帯電話の回線は減り、機械が使う回線が増えて全体の目減りを一部埋めた形だ。

1年前と比べるとこの傾向はさらに明確になる。移動系通信の契約数は2025年6月末の2億2549万から580万増えたが、そのうち430万は通信モジュールの増加分で、通信モジュールを除いた増加は150万にとどまる。1年間の増加の4分の3近くが機械向けの回線だった計算になる。

自前の回線を持つMNO(移動体通信事業者)と、その回線を借りて売るMVNO(仮想移動体通信事業者)に分けると、6月末までの3か月でMNOは27万の純減、MVNOは14万の純増だった。MVNOの契約数は4291万で、3月末の4277万から増え、1年前からは8.9%伸びた。区分別ではSIMカード型が1875万で1年前から8.1%増、通信モジュールが1714万で25.3%増と、ここでも機械向けの伸びが際立っている。

ドコモのシェアは32.2%に低下

移動系通信の契約数に占める事業者別のシェアは、NTTドコモが32.2%で、3月末の32.9%から下がった。2022年3月末は36.3%だったため、4年余りで36.3%から32.2%へと下がったことになる。KDDIグループは3月末の26.2%から26.5%へ、ソフトバンクは18.7%から19.1%へ、楽天モバイルは3.6%から3.8%へと、いずれも小幅に上がった。楽天モバイルは2022年3月末が2.4%で、4年余りで2.4%から3.8%まで伸ばした。MVNO全体では18.6%を占める。

MVNOに貸し出している分を含めて数えると、ドコモが38.7%、KDDIグループが31.8%、ソフトバンクが24.7%、楽天モバイルが4.8%となる。自社ブランドの契約だけを見ると3割を切りかけているドコモも、回線を貸す立場を含めれば4割近くを押さえている。

固定回線も同時に公表された。光ファイバーやケーブルテレビ回線などを合わせた固定系ブロードバンドの契約数は5257万で、3月末から0.4%、1年前から1.2%増えた。うち光ファイバーのFTTHは4167万だった。固定系ブロードバンドに占めるNTT東西のシェアは11.5%で、他社に卸している分を含めると44.5%になる。契約数の伸びは小幅だが、流れるデータ量は固定回線のインターネット通信量、前年同月比15.5%増 2026年5月は48.0テラビット毎秒 1契約1日当たり10.4ギガバイトのとおり年1割超のペースで増え続けている。

この統計は、電気通信事業報告規則に基づいて各社が総務省に報告した数字を四半期ごとにまとめたもので、都道府県別の契約数などの詳細は総務省の情報通信統計データベースに載る。年度単位のデータは、電気通信事業分野の市場検証に関する年次レポートに掲載される。